今日のガイアを3行で
- 日本のベンチャーな宇宙ビジネスについて
- 札幌の会社は気球で宇宙旅行を目指して頑張っていました
- 九州の会社はSAR衛星を打ち上げるために必死な努力をしていました
※この記事はガイアの夜明けを見ながら自分のメモ書き的な感じで書いている記事です。放送内容を引用してます
アポロ11号は月に行ったって言うのに
今から半世紀前
人類が初めて月を目指しました
アポロ11号月面着陸
これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ
有名な台詞ですね。
その快挙はテレビで生中継されて熱狂の渦に。
今…また月に戻ろうとしていました。
人類は再び月を目指します。
切っ掛けはアメリカ政府が掲げた月探査プロジェクト
アルテミス計画
1月13日ワシントンDCで日本も宇宙協力協定に調印しました。
月面探査、宇宙ステーション建設に日本企業にも参画できるチャンスが
町工場が挑む世界一の人工衛星
次々に打ち上げて狙うのは世界市場でした。
九州に宇宙産業を…福岡版下町ロケット
宇宙旅行をもっと身近に
宇宙に誰でも行けるような世界を作りたい
そんな想いをガイアのカメラが追いかけていました
宇宙旅行が現実に
宇宙旅行は今現実の物になろうとしている
地球の400km上空にあるISS(国際宇宙ステーション)
ここを2年前訪れたのは、前澤さんでした。
もう2年経つんですね。
12日間滞在の宇宙旅行の費用は数十億円
ヴァージン・ギャラクティック
飛行機から切り離したロケットで高度80kmに上昇
宇宙への入口に行ける旅行があります。
数分間だが無重力も体験可能
これなら45万ドル(6000万円)です。
まだまだ高いですが。
宇宙旅行を手軽にしたいと考えた日本のベンチャーがありました。
手段として選んだのは気球
気球で熱帯魚の水槽を飛ばすと1時間20分で成層圏へ到達。
高度28kmです。
宇宙と地球のバックで泳ぐ熱帯魚
熱帯魚に出来るなら人間も飛べそうです。
この気球を飛ばしたのは札幌の会社でした。
札幌市北区にある岩谷技研
2016年創業で社員53人
安全に宇宙に行ける気球を作ろうとしていました。
岩谷さん36歳が社長です。
何故気球?
気球の方がロケットよりも長く楽しめる。
気球の方がゆっくりと上がる。
一気に加えられる力掛からない
ロケットは強い加速度を受けるので負荷が掛かる
ロケット
宇宙ステーションは高度400kmの軌道上
ロケットは高度100kmまで一気に上昇して数分間無重力を体験。
パラシュートで地上に戻ります
10分ほどだそうです。
気球なら2時間かけて高度25kmの成層圏に上昇
宇宙遊覧1時間。
気球のガスを抜いてゆっくり地上へ降ります。
体への負担も少ないです。
誰でも乗れる。家族で乗れることを目標としている。
小さな子ども含めみんなで乗れる物を
北海道江別市
秘密基地みたいな入口の施設がありました。
江別気球工場
ここで気球を作っていました。
ヘリウムガスを詰めめる気球です。
ポリエチレンシートを溶かし合わせて巨大な気球を作っています。
キャビン(人が乗り込む)ものも既にありました。
実験用として1人乗り
一人でギリギリサイズでした。
安全性:気球に穴が空いたらどうなる?
私たちの気球は落下する速度が遅い。
上に浮力がある物体が付いているので墜落しない。
どうしようも無くなった時のためにキャビンにパラシュートをつける
更に乗客にもパラシュートを付けて貰い最後の手段としては飛び降りて貰う
飛行実験について話し合ってました。
場所は宮古島
東側の海域80kmから100km離れると予測
実験では無人気球を高度18kmまで飛ばしてヘリウム放出して想定する場所に降りるかどうかを検証します。
気球の大きさは全長7m
開閉弁
ヘリウム放出する弁
地上から遠隔操作で開閉します。
ヘリウムいれて…気球に吊すのはGPSや高度を測る計器をつけて全方位カメラをつけて飛ばしました。
上昇速度は10.8km/h。
1時間かけて上昇しました。
成層圏に入り高度18km到達。
その高さでヘリウム放出すると高度が下がります。
ヘリウムが抜けて降下しました。
風向きも計算どおり。予想通り真東へ。
気球の回収に向かいます。
放球地点から約80km東に着水しました。計算通りです。
技術的には絶対出来る
事業として成り立たせるために先行投資が必要なタイミング
その部分が私たちの力が足りない
開発資金には苦労しながら前に進めている
どこもかしこも資金不足ですからねぇ。
岩谷さんの生い立ち
幼稚園の頃宇宙ステーションという絵本を買って貰い宇宙という世界があるんだと知った
宇宙という新しい世界があり科学の力で実現出来るとしってワクワクした
その後北大で航空宇宙工学を専攻
気球に出会いました
手製のゴム気球を飛ばし成層圏から見える地球の撮影に夢中となりました。
企業からの依頼で宇宙空間を撮影するプロの写真家に。
気球にますますのめり込みました
岩谷さんを支えるのが大学時代に出会った妻だそうです。
妻
若い頃はがむしゃら。今もだけど。
基本的に自分で頑張る人。
私は頑張れと一切言わないで常にブレーキをかけるように
宇宙を夢見た青年は自分を信じてくれる社員や家族を守る立場
社長としての重圧を感じていた
2022年122月下旬東京日本橋
岩谷さんが動きました
待っていたのは大手PR会社の担当者
事業化に向けて対外的なPR活動を始めようとしていた
一人当たりの料金は?
将来的には100万円まで
その為は開発が必要
どこで上げる?
日本中であげれるようにしたいが取りあえずは北海道
などなど。
旅行代理店との提携を模索することにもしてました。
ここ1~2年は非常に重要な年
ここで事業化することが極めて重要なフェーズ
事業化を急ぐ理由が
スペース・パースペクティブ
アメリカの企業が作ったCGによる9人乗り気球型宇宙船…
船内を自由に歩けて食事も出来るそうです。
商業飛行は2023年後半を予定しているそうでして。
1600万円という価格のようです。
HISがチケット販売を開始しているという実現に近い宇宙旅行。
ライバルとの開発競争が加速していたのでした。
幕別町
夜明け前に集まったのは岩谷技研。
一人乗りキャビンの飛行実験でした。
有人による飛行実験を繰り返していました。
気温-11℃という中に実験をします。
気球は全長8mの物です。
今回は有人で高度500mまで飛ばします。
上空の風が強くて想定以上に流される危険性があるので紐をつけて飛ばすことに
放球
岩谷技研は実験を積み重ね3月までに高度4000mの有人飛行を目指します。
来年春までには2人乗りの気球で商業飛行をスタートさせる計画です。
過去の宇宙飛行士も宇宙に行って視野が変わった
もっと多くの人に視野が変わる切っ掛けを
宇宙に誰でも行ける誰でも見ることが出来る世界を作りたい
と岩谷さんが語っていました
スペースX
12月11日フロリダ
スペースXがファルコン9打ち上げました。
月に向かって打ち上げです。
その中に日本の企業もいました
宇宙ベンチャーispaceの月着陸船です。
無人機です。
現在HAKUTO-Rプログラムに参加していて4月末月面に到達予定
先陣を切って月面着陸成功すれば民間企業とし世界初の快挙
東京日本橋にispaceがあります。
今宇宙を飛行している月着陸船実物大模型がありました。
日本企業の英知が詰め込まれています。
ランディングギア(着陸のと気衝撃を吸収してくれる脚)
シチズンと開発
着陸するときのシミュレーション
スズキ自動車
自動車の経験に基づいたシミュレーションをしたそうです。
ispaceのプロジェクトは、月面での運搬ビジネスを計画
月の砂をNASAに販売する契約を締結
何故世界で今月が注目されているかというとそこにある資源。
氷の水があると言われていて、我々のビジネスを拡大
アルテミス計画で貢献できるところもある
地球から38万キロ彼方の月
新たに動き出した巨大ビジネスがありました
サイエンス作家に聴いて見る
サイエンス作家竹内氏
半世紀の時を経て再び人類が月面に着陸する
アルテミス計画
アルテミスはギリシャ神話の月の女神だそうです。
アポロ計画 1961年から1972年まで実施。
17号まで飛んで6回月面に着陸したとのこと。
そうかそんなもんだったのか…。
人類が初めて月に降り立ったのはアポロ11号で1969年
当時アメリカソ連は冷戦の中でどちらが先に月に降りるか競っていました。
その後アメリカは宇宙開発に莫大な予算を割けず1972年アポロ計画終了
半世紀月に降り立っていません。
何故再び月を目指す?
民間のロケットの開発が進んできた。
あるいは月の資源を獲得し月面経済圏を作る
科学技術は一番乗りが重要
最初に発明しなければ特許は取れない
最初に発見しなければノーベル賞は取れない
宇宙開発の先陣を切れば色々なところで得をするし経済圏も作れる
宇宙産業の主導権争いもある。
中国が宇宙開発に進出しているので中国に負けたくないというのもある
アメリカは2025年から26年に有人による月面着陸を計画してます
そのときは日本人が月面に降り立つと言われています。
日本の宇宙産業は?
ミサワホームとJAXAが月面の居住施設を共同開発していたり。
以前もガイアで取り上げていた鳥取砂丘でブリヂストンが月面探査車両の開発チームに参画していました
着々と準備が進んでいます
QPS研究所のSAR衛星
福岡市に宇宙ビジネスで世界と渡り合う企業がありました。
極秘開発されているのは人工衛星
SAR衛星
手がけるのはQPS研究所という九州大学発のベンチャー企業
トップが大西氏36歳
ここから電波を打つ地球に向かって
打った電波が地表から跳ね返ってそれを受ける
それを受けて画像になる
SAR衛星
マイクロ波を照射し物体を識別します。
カメラとは違い雲に覆われていても夜でも地上で何が起きているか分かります
福岡久留米市の町工場の職人達が協力して作っていました。
金型やアルミ加工など町工場20社で部品を製造
その特徴は…
通常のレーダー衛星はマイクロバスぐらい大きくて質量も1-2トンぐらいあるそうです。
SAR衛星はコンパクトです。
100kg級と軽く作っている
質量が従来の1/20ぐらいです。
小さく軽くすることで輸送コストを下げれる
しかしアンテナは大きくしなければ高い解像度が出ません。
解決するためにあらゆるバネを作る会社峰勝鋼機で板バネを作っていました。
特殊ななステンレスです。
普通のステンレスは力を加えると曲がりますが板バネは曲がったままになります
板バネはバネの力で元に戻ります。
板バネで衛星のアンテナを広げる事が出来ます。
それにより世界で最も解像度の高い小型SAR衛星が出来たそうです。
2019年1号機、2020年2号機打ち上げを成功。
36機で世界中を観測する計画です。
九州に宇宙産業を根付かせたい
福岡版の下町ロケット。この先の発展に繋がる
iQPS
設立当初からの目標でした。
創業者は大学時代の恩師八坂氏(81歳)
50年以上前から人工衛星を作ってきたそうです。
地元の町工場が力を貸してくれました。
非常に小さな会社でも皆他人に負けない技術を持っている
宇宙に持って行ける。面白いんじゃないかと思ってくれた
大西さんは2013年QPS研究所に入社。
いつ倒産するか分からない会社だったそうですがやりますと言ったそうです。
大西さんは八坂さんの思いを受け継ぎ職人と共に世界と戦えるSAR衛星を開発しました
2022年10月最新衛星を打ち上げることに
福岡から見守りました
衛星を運ぶのはイプシロンロケット
JAXAが開発した従来より低価格のロケットです。
SAR衛星衛星の3,4号機を搭載してます。
あれ…これって打ち上げ失敗したロケットですよね。
爆破したとか何とか。
辛いなぁ…。
やはりそうでした。
ロケットが制御出来ず地上から破壊指令。宇宙で粉々になりました
動揺が隠せない大西さん。
そりゃそうでしょうさ。
折角イベントまで開いたのに…
難しい
心の中がざわざわしているよりも結果は変わらない
誰が悪いのかは分かりませんけど。
2つの衛星を失った大西さんは窮地に
財務担当の副社長に相談しました。
今後どうしていこうかと思っているが
保険も結構時間が掛かりそうな状況になっていて
今年中に入るかどうか見えていない
売上としてはかなり大きな損失を被った
保険はすぐに下りずデータ販売での売上も白紙に
数十億円の損失
機会損失を含めて相当大きいようです。
打ち上げを急ぐわけがありました
最大のライバルフィンランド企業ICEYEの存在
SAR衛星21基を打ち上げたそうです。
そしてウクライナで被害状況の把握に活用しているそうです。
12月下旬東京港区
ライバルとの差を埋めるために頼ったのはスカパーJSAT
スカパーJSATはQPS研究所の大株主です。
SAR衛星を活用した防災情報サービスを始めていました。
大西さんスカパーに思い切ったお願いするために上京しました。
新工場を設置する必要として資金調達
新工場が出来れば年間最大10基作れる。
新たな工場で量産出来れば
失った2基埋めるだけでは無くライバルとの距離を縮められる
その為には口説かなければなりません。
スカパーJSAT米倉社長
このタイミングで新工場を早めに持つほうがよいと追加の出資を依頼。
宇宙のビジネスでどう言うタイミングで儲かるのか分からない
ビジネスなので当然時間軸を見ながらどうお金を回収していくかを考えなければいけないのは当然
ビッグビジネスにリスクはつきもの
数を増やすことで世界と戦えると食い下がります。
最後は覚悟を決めてくれたようでした。
一心同体だという言葉も出ていました。
1月上旬福岡市
次に打ち上げる5号機を進めているようでした。
失敗は出来ません。
今度打ち上げるのはアメリカの会社を使います。
ヴァージン・オービット
旅客機を改造した機体にロケットをつけて高度1万メートルまで飛行。
そこから打ち上げて衛星を宇宙に運びます。
3月末までにアメリカで打ち上げ予定だそうです。
そこに思いも寄らないニュース
2023年1月10日
ヴァージン・オービットのロケットが落ちました
英国初の衛星の打ち上げに失敗したのです。
打ち上げの影響は?
2日後
ヴァージョンオービットの責任者と連絡
失敗の原因を調査し我々の打ち上げに引き続き協力して下さい
と依頼。
打ち上げに遅れが出ないように努力すると約束してもらいました。
リスクだらけですね。宇宙開発は。
次々に降りかかる難題が…
それでも社員一丸となり前へ進みます
ここが一番の踏ん張り時だと思う。
たくさんの衛星を打ち上げるために進んで行くことに注力
宇宙開発の未来は?
将来的には月面基地を作るだろうと言う話が出てました。
鹿島建設と京都大学がルナグラスという構想を発表。
月にシャンパングラスぐらすのような建物を作るそうです。
それを回すと。遠心力が生まれます。それと月の重力と合わせて地球と同じ重力を作り出そうと言う物。
コロニーみたいな感じですかね。
移動には、レールの上を走る列車を想定。
月面から列車に乗ったまま宇宙ステーションへ
地球や月からきた列車を連結して宇宙船に乗せて火星へ…
人類が今本気で目指そうとしています。
人類の火星移住を見据えたプロジェクト
地球と同じ重力を再現するマーズグラス
人類が世代交代するには地球と同じ環境が必要と考えたそうです。
宇宙に向けて色々な活動が増えているがそういう現状はどうみている?
宿命
ホモ・サピエンスは小さな集団から地球全体に広がった
ホモ・サピエンスは新しい所に出かけて開拓するという遺伝子がある。
それを繰り返そうとしている。
地球上は行き尽くしたので、宇宙に出かけるフェーズが来ている
NASAは今後月を拠点に火星への有人探査を計画
先駆者となるために船出します。
人類の新たな旅が始まっています。
と、締めくくっていました
まとめ
北海道の会社が気球で宇宙旅行しようとしているってのは聞いたことがありましたがその実態が分かって良かったです。
アメリカの会社に負けないように頑張って欲しいなと。
厳しそうですけどね…。
資金力が違いますしねぇ。
SAR衛星の打ち上げ失敗はホント辛いですよねぇ。
JAXA最近失敗続きですし。
イプシロンは打ち上げ精度落ちてますからねぇ。
日本はどんどん宇宙開発競争から取り残されそうな気がしています。