2025年最新版:AIモデル性能比較の決定版を作ってみました
AI業界の進化は止まることを知りません。
ChatGPTの登場から約3年、今や数十種類ものAIモデルが登場し、「結局どれが一番優秀なの?」という疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、2025年5月時点での最新情報を徹底的に調査し、主要AIモデルの性能を5つの重要ベンチマークで比較した決定版の表を作成しました。
OpenAIの最新o3モデルからGoogle Gemini、Anthropic Claude、さらにはイーロン・マスクのGrok 3まで、話題のAIモデル全10種類を横断比較。
「研究用途なら何が最適?」「コスパ重視なら?」「プログラミングに強いのは?」
そんな疑問にズバリお答えする、AI選びの完全ガイドです。
主要ベンチマーク別性能スコア比較表
国・地域 | モデル名 | MMLU (言語理解) |
SWE-Bench (コーディング) |
GPQA (科学推論) |
AIME (数学) |
HumanEval (コーディング) |
総合評価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
🇺🇸 アメリカ | OpenAI o3 | 約92% | SWE-Benchリーダー | 87.7% | 96.7% | 推定90%+ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | GPT-4.1 | 90.2% | 54.6% | 66.3% | 48.1% | 85%+ | ⭐⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | Grok 3 | 92.7% | 推定60%+ | 84.6% | 93.3% | 86.5% | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | Claude 3.7 Sonnet | 86% | 62.3% | 78.2% | 61.3% | 82% | ⭐⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | Claude 3.7 Sonnet (Deep) | 86% | 70.3% | 84.8% | 80% | 85% | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | Claude Opus 4 | 推定88% | 72.5% | 推定82% | 推定75% | 推定88% | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | Gemini 2.5 Pro | 85.8% | 63.8% | 84% | 92% | 71.5% | ⭐⭐⭐⭐ |
🇨🇳 中国 | DeepSeek R1 | 90.8% | 約49% | 推定75% | 推定70% | 78% | ⭐⭐⭐ |
🇺🇸 アメリカ | GPT-4o | 82% | 推定55% | 53.6% | 推定45% | 87.2% | ⭐⭐⭐ |
🇫🇷 フランス | Mistral Devstral 24B | 推定82% | SWE-Bench Verified上位 (46.8%) |
推定70% | 推定60% | 80% | ⭐⭐⭐ |
各ベンチマークの詳細解説
📊 MMLU(Massive Multitask Language Understanding)
評価内容:57分野にわたる総合的な知識理解力を測定
問題例:数学、歴史、コンピュータサイエンス、法律、医学など幅広い分野の多肢選択問題
人間専門家レベル:約89.8%
注目ポイント:Grok 3が92.7%で最高スコアを記録し、人間の専門家を上回る性能を達成しています。
💻 SWE-Bench(Software Engineering Benchmark)
評価内容:実世界のソフトウェア開発・バグ修正能力
問題数:2,294問(実際のGitHub Issueから作成)
特徴:DjangoやPythonライブラリの実際のバグ修正タスク
注目すべきは、上位モデルの多くがアメリカ発である一方、中国のDeepSeek R1(MMLU 90.8%)やフランスのMistral Devstral 24Bも健闘していることです。
特にDeepSeek R1は言語理解において、多くのアメリカ製モデルを上回る性能を示しており、AI開発の国際競争が激化していることを物語っています。
注目ポイント:人間のエンジニアが直面する現実的な課題で、AIの実用性を測る重要な指標です。
🧪 GPQA(Graduate-level Physical and Quantitative Assessment)
評価内容:博士号レベルの科学的推論能力(物理・化学・生物学)
問題数:448問の高難度選択問題
人間専門家レベル:約65-70%
特徴:Google検索でも解けない「Google-proof」な問題として設計
注目ポイント:OpenAI o3が87.7%を記録し、人間の専門家を大きく上回りました。
🔢 AIME(American Invitational Mathematics Examination)
評価内容:高度な数学的問題解決能力
レベル:全米数学オリンピック予選レベル
トップ500レベル:83%以上のスコア
注目ポイント:OpenAI o3が96.7%を記録し、人間のトップ数学者レベルに到達しています。
🐍 HumanEval
評価内容:Pythonプログラミング能力
問題数:164問の関数実装タスク
特徴:実行可能なコードの生成能力を評価
現在の最高水準:99%+(複数モデルで満点近く達成)
💰 コストパフォーマンス分析
- 🥇 Gemini 2.5 Pro – 無料〜低価格で高性能を実現
- 🥈 DeepSeek R1 – 中国発の低価格高品質モデル
- 🥉 Claude 3.7 Sonnet – 中価格帯でバランス良好
- GPT-4.1 – 中〜高価格だが汎用性が高い
- Grok 3 – 月額50ドルと高価格だが最高水準の性能
Claude 4については新しすぎるため2025/5/29時点で情報がありません
🎯 用途別推奨モデル
🔬 研究・学術用途
- 第1位:OpenAI o3 – AGI水準の推論能力で専門家を超越
- 第2位:Grok 3 – 数学・科学分野で特に優秀
- 第3位:Claude 3.7 Sonnet (Deep) – 深い分析と思考が可能
Claude 4については新しすぎるため2025/5/29時点で情報がありません
💼 ビジネス・実用用途
- 第1位:GPT-4.1 – バランスの取れた汎用性
- 第2位:Claude 3.7 Sonnet – 高速レスポンスで実用的
- 第3位:Gemini 2.5 Pro – コスト効率を重視する場合
Claude 4については新しすぎるため2025/5/29時点で情報がありません
👨💻 プログラミング・開発用途
- 第1位:Claude Opus 4 – SWE-Benchで最高スコア(72.5%)
- 第2位:Claude 3.7 Sonnet (Deep) – 複雑なコーディングタスクに対応
- 第3位:Mistral Devstral 24B – オープンソースの選択肢
💡 コスト重視
- 第1位:Gemini 2.5 Pro – 無料で利用可能な高性能モデル
- 第2位:DeepSeek R1 – 低価格で90%超のMMLUスコア
- 第3位:Mistral Devstral 24B – オープンソースで自由度が高い
📈 2025年のAI業界トレンド
🔥 主要な変化
- 推論能力の飛躍的向上:OpenAI o3が人間専門家を上回る性能を達成
- AIエージェント化の加速:自律的なタスク実行能力の向上
- コスト効率の劇的改善:高性能モデルの民主化が進行
- 特化型モデルの台頭:用途別に最適化されたモデルが登場
⚠️ 選択時の注意点
- ベンチマーク汚染:学習データに含まれる可能性を考慮
- 実用性との乖離:スコアと実際の使用感に差がある場合
- 更新頻度:AI業界は急速に変化するため最新情報を確認
- 用途の明確化:目的に応じた最適なモデル選択が重要
📚 参考資料・出典情報
本記事は以下の信頼できる情報源を基に作成されています:
- Artificial Analysis(https://artificialanalysis.ai/)- AIモデルの独立評価分析
- Chatbot Arena(LMSYS) – 300万以上のユーザー投票に基づくEloレーティング
- MC-BENCH – AIモデルの客観的性能比較プラットフォーム
- 各社公式発表 – OpenAI、Google、Anthropic、xAI等の技術レポート
- 学術論文 – arXiv.orgに掲載されたベンチマーク研究
データの信頼性について:
本記事で使用されているベンチマークスコアは、2025年5月29日時点での最新情報に基づいています。AI業界は急速に進化しているため、最新の情報については各公式サイトをご確認ください。
最終更新日:2025年5月29日
次回更新予定:2025年6月末(主要モデルのアップデートに合わせて更新)