私のブログ──いや、今は「サイト」と呼ぶべきか──が20周年を迎えた。
始まりは、さらに遡ること数年前のWEB日記だった。
あの頃は、アナログモデムでテレホタイムを待ち構えていた時代。
23時になるのを待って、ピーヒョロロロと鳴るモデムの音を聞きながら、必死に日記を更新していた。
そしてブログに移行した頃は、ちょうどADSLが普及し始めた時期だったと思う。
常時接続という魔法のような環境に感動しながら、「これでいつでも更新できる!」と喜んでいた。
時代は変わった。
テレホタイムもアナログモデムも、今では懐かしい思い出だ。
ADSLも光回線に置き換わり、スマホが当たり前になり、SNSが世界を席巻した。
WEB日記は「ブログ」になり、そのブログも今では「オワコン」と言われる時代になった。
でも、私はずっと書き続けてきた。
ほぼ毎日、休むことなく。
「ついにブロガー…か?」
ブログに移行した時の最初の記事は、今も残してある。
タイトルは「ついにブロガー…か?」。
日記スクリプトからブログへの転換期。
中身はスッカスカで、何もない若さだけが光る駄文だ。
読み返すと、少し恥ずかしくなる。
でも、あれから20年。
全くバズることもなく、アクセス数は日に数PV。
一時期は日に数千PVを記録して小躍りしたこともあったけれど、そんな日々もいつの間にか過ぎ去った。
今はずっと、零細サイトの道を歩んでいる。
その間に、WEB界隈も大きく変わった。
個人サイトの全盛期があり、ブログブームがあり、Twitter(今はX)が台頭し、InstagramやTikTokが若者を席巻した。
「バズる」という言葉が生まれ、「インフルエンサー」という職業が生まれた。
私はその波に乗ることもなく、ただ淡々と、自分のペースで書き続けてきた。
WordPressに移行する際には、移行失敗で多くの記事を失ってしまった。
テレホタイム時代からの記録が消えたのは、少し悲しかった。
ドメインを取得したり、サーバー代を払ったり、それなりにお金もかけている。
でも、うだつは上がらない。
多分、Cities: Skylinesの界隈では、それなりに認知されていると思う。
それ以外は…微妙だけれど。
色々なテーマに手を広げては、また収束していく。
そんな繰り返し。
雑記サイトというのは、SEO的には良くないらしい。
専門特化していないから、Googleからは冷遇される。
でも、一人で毎日続けるには、広く浅くするしかない。
このスタイルを変えることはできなかった。
あの頃の夢
最初の記事の最後は、こんな言葉で締めくくられていた。
「さてさて、こっちでどうやって運営していきましょうかね?」
あの頃の私は、きっとこう思っていた。
ADSLで常時接続になったし、もうちょっと有名になるに違いない。
将来的には人気ブロガーに──そんな淡い夢があった。
ブログという新しいツールが、何か特別なものを運んでくれると信じていた。
今、その頃の自分に会えるなら、こう言ってあげたい。
「20年続けても、何もないよ」って。
それでも、続けてきた
「継続は力なり」とよく言うけれど、惰性で続けても力にはならない。
それは事実だと思う。
でも、不思議なことに、私はまだ書き続けている。
なぜ続けているのか、自分でもよく分からない。
ただのライフワークになっていて、やらないと気持ち悪い。
歯を磨くように、コーヒーを淹れるように、文章を書く。
それが日常の一部になってしまった。
テレホタイムに更新していた頃から数えれば、もっと長い。
回線速度も、デバイスも、WEBの形も、何もかもが変わった。
でも、「何かを書いて、誰かに届ける」という本質は、何も変わっていない。
バズらなくても、PVが少なくても、有名にならなくても。
誰かがふと検索して、このサイトにたどり着いて、何かの答えを見つけてくれるかもしれない。
Cities: Skylinesの攻略で困っている人が、ここで解決策を見つけてくれるかもしれない。
あるいは、誰も読んでいなくても──それでもいい。
20年間分の記録は、私自身の足跡だから。
若かった頃の駄文も、試行錯誤の痕跡も、消えてしまった記事たちも、全部含めて、この20年間は確かにあった。
ピーヒョロロロというモデムの音も、ADSLの開通に喜んだ日も、全部が私の人生の一部だ。
これからも、きっと書き続ける。
有名になることはないかもしれない。
収益化もうまくいかないかもしれない。
でも、それでいい。
20年前の自分が夢見たものとは違うかもしれないけれど、これはこれで、悪くない人生だと思う。
日々綴って、また明日。
なんて感じでポエムを書いてみました。30周年あるかは分からないけど。あればいいねと。



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