第101回箱根駅伝
今年のポイントはまずは青山学院が連覇するかどうかという所です。
去年2位の駒澤大や城西大、東洋大、國學院なども力をつけています。
来年のシード争いもどうなるか注目です。今回も見所満点の箱根駅伝となりそうです。
なおスタート前に東洋大が大幅変更があったようです。
1区(大手町⇒鶴見:21.3km)
5kmまで
午前8時、晴れ渡る大手町を21チームが一斉にスタート。
中央大学の吉居駿恭選手が序盤から果敢な飛び出しを見せました。
わずか1kmを2分46秒で通過する驚異的なペースで先頭に立ちます。
5kmでは13分56秒という好ペースを刻み、追い風を受けながら単独走を続行。
関東学生連合の片川選手が2番手で追走する展開となりました。
10km地点
中央大・吉居選手は28分06秒で10km地点を通過。
後続との差は着実に広がり2位集団は東洋大の小林選手を先頭に、
駒澤大の帰山選手、創価大の齊藤選手、青山学院大の宇田川選手、國學院大の野中選手らが追う展開となりました。
15km~
15km地点では、先頭の吉居選手が42分30秒をマーク。
2番手の関東学生連合との差は1分16秒にまで広がります。
終盤に入っても力強い走りを見せた吉居選手は、1時間01分07秒の好タイムでフィニッシュ。
見事区間賞を獲得しました。
1区通過順位(21.3km)
- 中央大学 (吉居駿恭) 1:01:07
- 駒澤大学 (帰山侑大) 1:02:39 (+1:32)
- 日本体育大学 (平島龍斗) 1:02:40 (+1:33)
- 早稲田大学 (間瀬田純平) 1:02:43 (+1:36)
- 帝京大学 (島田晃希) 1:02:45 (+1:38)
- 國學院大學 (野中恒亨) 1:02:47 (+1:40)
- 山梨学院大学 (平八重充希) 1:02:48 (+1:41)
- 大東文化大学 (大浜逞真) 1:02:49 (+1:42)
- 城西大学 (久保出雄太) 1:02:51 (+1:44)
- 青山学院大学 (宇田川瞬矢) 1:02:51 (+1:44)
- 東洋大学 (小林亮太) 1:02:52 (+1:45)
- 順天堂大学 (浅井皓貴) 1:02:52 (+1:45)
- 中央学院大学 (堀田晟礼) 1:02:53 (+1:46)
- 東京国際大学 (木村海斗) 1:02:55 (+1:48)
- 法政大学 (武田和馬) 1:02:55 (+1:48)
- 立教大学 (吉屋佑晟) 1:02:56 (+1:49)
- 関東学生連合 (片川祐大) 1:02:56 (+1:49)
- 創価大学 (斉藤大空) 1:03:02 (+1:55)
- 日本大学 (安藤風羽) 1:03:17 (+2:10)
- 専修大学 (新井友裕) 1:03:32 (+2:25)
- 神奈川大学 (大岩蓮) 1:03:51 (+2:44)
中央大・吉居選手の大逃げ…その豪快な走りぶりから競走馬パンサラッサを彷彿とさせると。
なるほどな。確かにパンサラッサ。
SNS上でも大きな反響を呼びました。1区から見せた勢いそのままに、中央大学の快進撃が期待されます。
2区(鶴見⇒戸塚:23.1km)
5km地点
中央大・溜池一太選手がトップを堅持する中、序盤から激しい順位変動が始まりました。
14位でタスキを受けた東京国際大・エティーリ選手が驚異的な追い上げを開始。
3km付近で早くも4位まで浮上してさらに前を追ってました
10km地点
中央大・溜池選手が安定した走りでトップをキープ。
2位を走る早稲田大・山口選手の背後に東京国際大・エティーリ選手と駒澤大・篠原選手が迫る展開に。
11km過ぎには早稲田大を捉えエティーリ選手が2位に浮上しました。
15km地点
権太坂のチェックポイントでは、トップ中央大から1分10秒差で東京国際大・エティーリ選手が2位に。
ここから青山学院大・黒田選手が猛追を開始。
17km付近では國學院大、帝京大、中央学院大の激しい4位争いを展開してました。
20km以降
青山学院大・黒田選手が18km過ぎから一気に加速。
4位集団を抜き去り、20.3km地点で駒澤大・篠原選手を捉えて3位に浮上。
さらに21.5km近辺では創価大・吉田響選手が驚異の追い上げを見せ、駒澤大を抜いて4位に浮上しました。
戸塚中継所
中継所では数々のハプニングも。
日本大学の選手が誤って法政大学の次走者に襷を渡そうとする一幕がありました。
日本体育大学の選手は次走者に接触してしまうなど、緊迫した場面も見られました。
一方で中央大・溜池選手は倒れ込みながらもトップで襷を繋ぎ、東京国際大・エティーリ選手は区間新記録となる1時間5分31秒をマーク。
さらに創価大・吉田選手(1時間5分43秒)、青学大・黒田選手(1時間5分44秒)も相次いで区間新記録を更新する歴史的な展開となりました。
2区(23.1km)区間順位
- 東京国際大学 (エティーリ) ◎1:05:31
- 創価大学 (吉田響) ◎1:05:43
- 青山学院大学 (黒田朝日) ◎1:05:44
- 駒澤大学 (篠原倖太朗) 1:06:14
- 帝京大学 (山中博生) 1:06:22
- 中央学院大学 (吉田礼志) 1:06:24
- 立教大学 (馬場賢人) 1:06:32
- 國學院大學 (平林清澄) 1:06:38
- 中央大学 (溜池一太) 1:06:39
- 山梨学院大学 (ムトゥク) 1:06:55
- 城西大学 (キムタイ) 1:06:55
- 早稲田大学 (山口智規) 1:07:01
- 専修大学 (マイナ) 1:07:29
- 日本大学 (キップケメイ) 1:07:31
- 法政大学 (小泉樹) 1:07:57
- 順天堂大学 (玉目陸) 1:08:22
- 大東文化大学 (棟方一楽) 1:08:29
- 神奈川大学 (宮本陽叶) 1:08:29
- 日本体育大学 (山崎丞) 1:08:44
- 東洋大学 (緒方澪那斗) 1:08:50
- 関東学生連合 (森川蒼太) 1:08:58
※◎は区間新記録(従来の記録:1時間5分49秒 ヴィンセント 東京国際大 2021年)
3区(戸塚⇒平塚:21.4km)実況
5km地点
戸塚を出発した中央大・本間颯選手は最初の1kmを2分41秒のペースで快調なスタート。
2位東京国際大・佐藤榛紀選手、3位青山学院大・鶴川正也選手が追走する展開に。
遊行寺の下り坂では中央大が快走を続け、後続との差を広げていきます。
3km付近では國學院大・山本歩夢選手が早くも順位を上げ、6位まで浮上しました。
10km地点
給水ポイントで大きな展開が。
青山学院大・鶴川選手が東京国際大・佐藤選手を抜き去り2位に浮上。
この頃には気温が11度まで上昇し、風も向かい風に変化。
7km付近では中央大・本間選手が2位との差を53秒に広げ、快調なペースを保ちます。
9km付近では國學院大・山本選手が駒澤大・谷中選手に追いつき、5位争いの激戦が展開されました。
15km地点
13kmぐらいで創価大・ムチーニ選手が東京国際大、青山学院大を抜き去り2位に浮上する大きな動き。
茅ケ崎のチェックポイントでは、中央大・本間選手がトップを快走。
2位創価大とは1分1秒差、3位青山学院大とは1分20秒差、4位東京国際大とは1分29秒差まで広がりました。
この頃から國學院大・山本選手と駒澤大・谷中選手の後ろには、早稲田大の1年生・山口竣平選手が迫ってきます。
20km以降
19km近辺で駒澤大・谷中選手が粘りの走りを見せ、早稲田大・山口選手、國學院大・山本選手を抜いて5位に浮上。
さらに19km付近では駒澤大・谷中選手と早稲田大・山口選手が東京国際大・佐藤選手を抜き去り、4、5位に躍進しました。
平塚中継所フィニッシュ
中央大・本間選手が力強い走りでトップのまま4区へ。
2位創価大とは1分34秒差、3位青山学院大とは2分24秒差をつけての通過となりました。
4位は最後にスパートをかけた駒澤大・谷中選手、5位は早稲田大・山口選手。6位で入った國學院大・山本選手は、先頭の中央大とは3分17秒差となっています。
3区(21.4km)区間順位
- 中央大学 (本間颯) 1:00:16
- 創価大学 (ムチーニ) 1:00:51
- 早稲田大学 (山口竣平) 1:01:15
- 青山学院大学 (鶴川正也) 1:01:51
- 國學院大學 (山本歩夢) 1:01:54
- 駒澤大学 (谷中晴) 1:02:05
- 城西大学 (平林樹) 1:02:28
- 東洋大学 (迎暖人) 1:02:40
- 日本体育大学 (富永椋太) 1:02:45
- 順天堂大学 (海老沢憲伸) 1:02:46
- 大東文化大学 (入浜輝大) 1:03:06
- 専修大学 (上山詩樹) 1:03:10
- 立教大学 (稲塚大祐) 1:03:21
- 東京国際大学 (佐藤榛紀) 1:03:29
- 法政大学 (矢原倖瑛) 1:03:39
- 神奈川大学 (酒井健成) 1:03:51
- 帝京大学 (柴戸遼太) 1:03:56
- 中央学院大学 (市川大世) 1:04:02
- 山梨学院大学 (村上大樹) 1:04:20
- 日本大学 (冨田悠晟) 1:05:00
- 関東学生連合 (小山洋生) 1:02:55
4区(平塚⇒小田原:20.9km)
ス5km地点
平塚中継所をスタートした中央大・白川陽大選手は抑え気味のペースで序盤を進めてました。
2kmでは創価大・野沢悠真選手が2位、青山学院大・太田蒼生選手が3位で追走。
3.5kmでは國學院大・青木瑠郁選手が早稲田大を抜いて5位に浮上する展開となりました。
10km地点
中央大・白川選手は1キロ2分55秒程度の安定したペースを刻んでました。
2位創価大との差を1分33秒に広げます。しかし青山学院大・太田選手が1キロ2分40秒台の驚異的なペースで猛追。
スタート時点から40秒以上差を縮め、2位創価大に迫る展開に。
13km~15km地点
13kmぐらいで青山学院大・太田選手が遂に創価大・野沢選手を捉えて2位に浮上。
さらに勢いを増して中央大を追います。
酒匂橋では、青山学院大・太田選手が区間トップのペースを刻み、トップとの差を1分14秒まで縮めました。
17km以降
中盤以降で大きな順位変動がありました。
東洋大・岸本遼太郎選手が快走を見せ16位からシード圏内の9位まで浮上する7人抜きの快走。
順天堂大も上位に食い込む好走を見せます。
先頭では中央大・白川選手が粘りの走りを見せ、青山学院大・太田選手の追撃をしのぎます。
小田原中継所フィニッシュ
中央大が19年ぶりに小田原中継所のトップでフィニッシュ。
2位には青山学院大・太田選手が45秒差まで迫る区間賞の走り(1時間00分24秒)で襷をつなぎました。
3位創価大は1分16秒差、4位駒澤大は2分18秒差。
5区への重要な位置取りを賭けた4位争いは、駒澤大が國學院大を6秒差で振り切っての通過となりました。
4区(20.9km)区間順位
- 青山学院大学 (太田蒼生) 1:00:24
- 國學院大學 (青木瑠郁) 1:01:09
- 東洋大学 (岸本遼太郎) 1:01:15
- 駒澤大学 (桑田駿介) 1:01:24
- 日本体育大学 (田島駿介) 1:01:35
- 創価大学 (野沢悠真) 1:01:44
- 順天堂大学 (堀越翔人) 1:01:48
- 早稲田大学 (長屋匡起) 1:02:00
- 中央大学 (白川陽大) 1:02:03
- 東京国際大学 (大林洸己) 1:02:35
- 城西大学 (林晃耀) 1:02:54
- 立教大学 (林虎大朗) 1:03:09
- 帝京大学 (尾崎仁哉) 1:03:16
- 中央学院大学 (太田翔) 1:03:31
- 大東文化大学 (西代雄豪) 1:03:51
- 法政大学 (花岡慶次) 1:04:11
- 日本大学 (大仲竜平) 1:04:13
- 神奈川大学 (近藤大智) 1:04:21
- 専修大学 (手塚太一) 1:04:51
- 山梨学院大学 (和田瑛登) 1:04:57
- 関東学生連合 (溝上稜斗) 1:03:54
5区(20.8km)実況
スタート~函嶺洞門
小田原を出発した中央大・園木大斗選手が先頭でスタート。
2kmでは安定したペースで序盤を進め、3.5km付近の函嶺洞門では青山学院大・若林宏樹選手との差を54秒にまで広げました。
この時点で3位創価大・山口翔輝選手は1分29秒差。
4位では駒澤大・山川拓馬選手と國學院大・高山豪起選手が並走する展開となりました。
5km付近では城西大・斎藤将也選手が東京国際大を追い抜き7位に浮上。
なおこの付近で城西大・斎藤選手は接近する中継バイクに「どけ!」と叫ぶ一幕もありました。
中継が選手邪魔してはいけないです。
そこを大いに反省してほしいです。
本格的な山登り
7.0kmで傾斜が一気に急になると、中央大・園木選手のペースが落ち始め、青山学院大・若林選手との差が32秒まで縮まります。
この頃から早稲田大の「山の名探偵」工藤慎作選手が動き出し、國學院大を抜いて5位に浮上。
8.5kmでは若林選手と園木選手の距離がわずか40メートルまで接近し、9.5km地点で遂に逆転が実現。
青山学院大が首位に立ちました。
中盤の激走
12km付近の小涌園前では、青山学院大・若林選手が中央大との差を18秒に広げ、3位創価大は2分4秒差、4位早稲田大は2分23秒差で追走。
山の名探偵・工藤選手の快走が光ります。
15km付近では工藤選手が創価大を捉えて3位に浮上する大きな展開がありました。
芦之湯では若林選手が園木選手との差を1分3秒まで広げ、その後も着実にリードを広げていきます。
フィニッシュ
19km地点で元箱根を通過した若林選手は、区間記録更新のペースで最後のスパートへ。
そのまま快走を続け1時間9分11秒の区間新記録で往路優勝のテープを切りました。
2位中央大とは1分49秒差、3位早稲田大は2分30秒差、4位駒澤大は3分18秒差での通過となりました。
5区(20.8km)区間順位
- 青山学院大学 (若林宏樹) ◎1:09:11
- 早稲田大学 (工藤慎作) 1:09:31
- 城西大学 (斎藤将也) 1:10:50
- 駒澤大学 (山川拓馬) 1:10:55
- 立教大学 (山本羅生) 1:11:29
- 中央大学 (園木大斗) 1:11:43
- 中央学院大学 (柴田大輝) 1:11:47
- 山梨学院大学 (弓削征慶) 1:12:03
- 東洋大学 (宮崎優) 1:12:16
- 創価大学 (山口翔輝) 1:12:18
- 日本体育大学 (浦上和樹) 1:12:19
- 法政大学 (野田晶斗) 1:12:43
- 順天堂大学 (川原琉人) 1:12:52
- 國學院大學 (高山豪起) 1:12:58
- 日本大学 (鈴木孔士) 1:13:03
- 神奈川大学 (三原涼雅) 1:13:07
- 帝京大学 (楠岡由浩) 1:13:09
- 東京国際大学 (楠木悠人) 1:14:04
- 大東文化大学 (中沢真大) 1:15:29
- 専修大学 (田口萩太) 1:17:48
- 関東学生連合 (佐藤我駆人) 1:14:22
※◎は区間新記録(従来の記録:1時間09分14秒 山本唯翔 城西大 2024年)
第101回箱根駅伝往路総括
青山学院大、圧巻の逆転往路優勝
1区で10位と出遅れながらも、2区黒田朝日選手の区間新記録での追い上げがすごかったです。
4区太田蒼生選手の区間賞、そして5区若林宏樹選手の区間新記録(1時間09分11秒)での逆転と、まさに総合力で勝利をもぎ取った青山学院大。
5時間20分01秒での2年連続7度目の往路優勝は、原晋監督率いるチームの底力を見せつけるものとなりました。
中央大、4区までの力走実らず
1区吉居駿恭選手の歴代4位の快走から4区まで首位を死守した中央大。
しかし5区で園木大斗選手が青山学院大の猛追を受け、区間6位(1時間11分43秒)と苦しい展開に。
1分47秒差の2位でのフィニッシュとなりました。
躍進際立つ早稲田大と東洋大
「山の名探偵」工藤慎作選手の5区区間2位(1時間09分31秒)の快走で3位に食い込んだ早稲田大。
また2区で19位まで後退しながらも、4区岸本遼太郎選手の7人抜きなどで9位まで浮上した東洋大の復活劇も光りました。
三冠への挑戦に暗雲
大学駅伝三冠を狙った國學院大は6位(トップから5分25秒差)と、期待されたほどの走りを見せられず。
特に5区での苦戦(区間14位)が響く結果となりました。
往路のハイライト
- 2区での前代未聞の3人による区間新記録更新(東京国際大・エティーリ、創価大・吉田響、青学大・黒田朝日)
- 東洋大の19位から9位への大逆転劇でシード圏内確保
- 青山学院大若林選手の5区での区間新記録と逆転優勝
- シード権争いは日本体育大(10位)を軸に4校が37秒差の接戦
往路成績(上位10校)
- 青山学院大学 5:20:01
- 中央大学 5:21:48 (+1:47)
- 早稲田大学 5:22:30 (+2:29)
- 駒澤大学 5:23:17 (+3:16)
- 創価大学 5:23:38 (+3:37)
- 國學院大學 5:25:26 (+5:25)
- 城西大学 5:25:58 (+5:57)
- 立教大学 5:27:27 (+7:26)
- 東洋大学 5:27:53 (+7:52)
- 日本体育大学 5:28:03 (+8:02)
2日目の復路では15位以降の山梨学院大学(5:31:03)から専修大学(5:36:50)までが10分差での一斉スタートとなります。
シード権争いは10位の日本体育大学から13位の順天堂大学までが37秒差という接戦で、3日の復路でも目が離せない展開となりそうです。
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