はじめに:終わらない渋滞との戦い
前回の記事では貨物船による都市内輸送を試みたものの、渋滞緩和への効果は限定的でした。
パッチ後の三重苦――騒音、渋滞、人口減少――のうち、騒音問題には一定の目処がついたものの、残る2つの問題は依然として深刻な状況が続いています。
特に渋滞対策は、やってもやっても終わりが見えない作業です。
どこかの渋滞を解消すれば別の場所で新たな渋滞が発生する。
まさにモグラたたき状態で、いたちごっこを繰り返していました。
そんな中、渋滞を眺めているうちに、ある重要な事実に気づいたのです。
新たな気づき:区域外からの車が多すぎる
交通ビューで渋滞状況を観察していた時のことです。
区域外から入ってくる車の量が、尋常ではないことに気がつきました。
よく考えてみれば、当然のことでした。
この街を訪れたい人々には、車で来る以外の選択肢がなかったのです。
なぜなら、区域外との接続手段が高速道路くらいしか整備されていなかったからです。
つまり、外から訪れる自家用車が多すぎることが、渋滞の大きな要因になっていた可能性があります。
そして、人口が減り続けているのも、区域外から来る人が少ないことが原因ではないか。
そんな仮説が頭に浮かびました。
根本原因の分析:外部接続の構造的問題
問題を整理すると、以下のような状況でした。
- 区域外との接続手段が高速道路のみに限定されている
- 外部から訪れる人は全員が自家用車を使わざるを得ない
- 結果として、区域外からの自家用車が大量に流入し渋滞を引き起こす
- 公共交通機関がないため、外部から人が入ってきにくい
- 人口減少の一因となっている可能性がある
これは単なる渋滞対策だけでなく、人口減少対策としても重要な問題です。
ということで、前回はあまり本格的に取り組めなかった人口減対策を、今回は最優先で実施することにしました。
対策準備:まずは雇用環境を整える
減り続けていた人口は、17万人台で下げ止まりの兆しを見せていました。
ここから増加に転じさせることが目標です。
ただし、住宅需要はマイナスのままでした。
一気に人口が減少したため、空き家が街のあちこちに存在している状況です。
住宅需要がマイナスということは、新たな住民を受け入れる余地は十分にあるということ。
問題は、この街に来たいと思う人をどう増やすかです。
まず着手したのが、働く場所の確保です。
とはいえ、人口が減っているということは求人も多いはず。
そのため商業・産業地区は大幅には増やさず、需要インジケーターを少し満たす程度に新設しました。
重要なのは、むしろ「外部から人が入ってくる」手段を増やすことです。
対策実施:区域外接続の公共交通機関を拡充
鉄道路線の開設
最初に着手したのが、鉄道路線の整備です。
幸いなことに、我が街には北と南の両方向に、区域外へとつながる線路が既に敷設されていました。
しかし、これまで区域外と直接結ぶ旅客路線を運行していなかったのです。
市内の移動には地下鉄を主に使っていたため、鉄道は十分に活用できていませんでした。
そこで以下の2路線を新設しました。
- 北部路線:市内の主要駅と北部の区域外を結ぶ直通路線
- 南部路線:市内の主要駅と南部の区域外を結ぶ直通路線
いずれもシンプルな構成で、街の中心部にある駅と区域外だけを結ぶ形にしました。
市内の細かい移動は地下鉄に任せ、鉄道は外部との往来に特化させる戦略です。
鉄道路線の効果
路線を開設してしばらく走らせていると、結構な数の人員を運ぶようになりました。
外への出入りが活発に行われている証拠です。
もっと早くやっていればよかったと後悔するほど、人が出入りし始めました。
明らかに外部との人の往来が増加しています。
これは良い兆候だと感じました。
ただし、渋滞に関しては、残念ながら劇的な変化はありませんでした。
鉄道を利用する人が増えても、自家用車を使う人も相変わらず多いということでしょう。
それでも、何もしないよりは確実に改善しているはずです。
客船路線の試験導入
鉄道の次に試したのが、客船路線です。
新DLC「Bridges & Ports」で追加されたフェリーではなく従来の客船航路を作るために専用の港を新設しました。
港の位置は、市内の邪魔にならないところに土地を造成して作成。
そして区域外と直接結ぶ客船航路を開設しました。
大型客船のスペックを確認すると、1隻で約2,800人もの旅客を運べるとのこと。
これは期待できる!
一気にそれだけの人が出入りするようになれば、人口増加にも大きく貢献するはずだと、ワクワクしながら運行開始を待ちました。
客船の予想外の結果
しかし、蓋を開けてみると…利用者は数十人程度に留まりました。
2,800人の輸送能力に対して、実際の利用者は1%にも満たない状況です。
なぜこれほどまでに利用されないのか。
いくつか理由を考えてみました。
- 船の移動速度が遅く、移動時間がかかりすぎる
- 港の位置が、市民の移動経路から外れている
- 鉄道や車と比べて、利便性で劣る
- そもそも海路を使って外部に行く需要が少ない
客船については、正直なところ若干失敗という結果になりました。
ただし、全く無意味だったわけではありません。
少数ながらも利用者はいますし、交通手段の選択肢が増えたことは確かです。
劇的な変化:人口回復が始まった!
そんな風に、外部との接続を強化する公共交通機関を整備し始めたところ…変化が訪れました。
ついに人口が増加に転じたのです!
そして、18万人台まで回復しました。
17万人台で下げ止まっていた人口が、明確な上昇傾向を示し始めたのです。
これは大きな成果でした。
人口回復の要因分析
何が最も効果的だったのか。
データを見る限り、鉄道路線が大きく寄与したのではないかと考えています。
客船の利用者が少数だったことを考えると、やはり鉄道の開設が決定打だったと思われます。
外部から人が入ってくる手段が増えたこと、そして外部へ通勤・通学できるようになったことで、この街に住みたいと思う人が増えたのでしょう。
また、市内の雇用環境も改善したことで、外部から働きに来る人も増えたはずです。
驚異的な数字:公共交通機関の利用状況
人口が回復したところで、改めて公共交通機関の利用状況を確認してみました。
すると、驚くべき数字が表示されていました。
月間利用者数の内訳
- 地下鉄:103,000人/月
- 鉄道:55,000人/月
- バス:2,000人/月
- その他を含めた合計:163,000人/月
現在の人口が約177,000人であることを考えると、この数字は異常です。
計算上、ほぼ全市民が公共交通機関を利用していることになります。
もちろん、一人が月に複数回利用していることを考慮すれば、実際の利用者数は人口よりも少ないはずです。
それでも、この高い利用率は特筆すべき数字でしょう。
地下鉄の圧倒的な存在感
特に目を引くのが、地下鉄の利用者数です。
月間103,000人という数字は、全公共交通機関の利用者の約63%を占めています。
地下鉄が、この街の交通インフラの根幹を支えていることは明白です。
過去に地下鉄網を整備しておいて、本当に良かったと実感しました。
鉄道の健闘
今回新設した鉄道路線も、月間55,000人という立派な数字を記録しています。
区域外との往来に特化した路線としては、十分な成果だと言えるでしょう。
この5万人以上の利用者が、もし全員自家用車で移動していたらと考えると…恐ろしいことになっていたはずです。
渋滞はさらに悪化していたでしょう。
港建設中のハプニング:謎の水たまり事件
最後に、港を建設している際に起きた面白いハプニングをご紹介します。
客船用の港を整備している時のことです。
地形を整えている最中に、うっかり周辺を少し浸水させてしまいました。
まあ、よくあることですよね。
そのまま土手を作って水の侵入を防いだのですが…あれ?
なんと、囲まれた場所に水たまりができてしまったのです。
地下道路が水没した!?
さらに驚いたことに、その場所には地下に潜る道路がありました。
普通に考えれば、水は低い場所に流れていくはず。
地下道路の中に流れ込んでいくだろうと思っていました。
ところが…水は流れずに、そのまま溜まり続けたのです。
地下道路は完全に水没状態にならずに済んでいるという。
なんだこれは!
思わず笑ってしまいました。
Cities: Skylines IIの水の挙動
添付のスクリーンショットをご覧ください。
地下道路トンネルの入口部分が、完全に水に浸かっている様子が確認できます。
車も数台、水の中に沈んでいます。
なのに地下には流れていかないという不思議な状態です。
このゲームの水のシミュレーションは、基本的によくできていると思うのですが、時々こういった不思議な現象が起きるようです。
バグなのか、仕様なのか。
Cities: Skylines IIの物理演算の面白い一面が垣間見えた瞬間でした。
今回の取り組みから学んだこと
今回の一連の対策を通じて、いくつか重要なことを学びました。
外部接続の重要性
都市の成長において、区域外との接続は極めて重要です。
高速道路だけでなく、鉄道や航路などの公共交通機関による接続を確保することで、人の流れが大きく変わります。
特に鉄道は、大量の人員を効率的に輸送できるため、人口増加に大きく貢献することが分かりました。
公共交通機関の使い分け
今回の実験で、それぞれの交通機関に向き・不向きがあることも明確になりました。
- 地下鉄:市内の移動に最適。大量輸送が可能で、渋滞の影響を受けない
- 鉄道:長距離移動や外部接続に適している。速度と輸送力のバランスが良い
- 客船:観光用途や特殊な需要には有効だが、一般的な移動手段としては不向き
- バス:細かい地域の移動をカバーするが、輸送力は限定的
これらを適切に組み合わせることが、効率的な交通網を構築する鍵となります。
渋滞問題は依然として継続中
ただし、正直に言えば、渋滞問題は完全には解決していません。
公共交通機関を拡充し、外部からの自家用車の流入を減らそうと試みましたが、劇的な改善には至っていないのが現状です。
おそらく、この街は根本的に車が多すぎるのでしょう。
道路構造の抜本的な見直しや、駐車場政策による自家用車の制限など、さらなる対策が必要だと感じています。
次回予告
今回は公共交通機関の拡充により、人口回復という大きな成果を得ることができました。
18万人台への回復は、パッチ後の危機的状況を考えれば、大きな前進です。
しかし、三重苦の最後の一つである渋滞問題は、まだ完全には解決していません。
次回は、別の角度からのアプローチを試していきたいと思います。
駐車場政策、料金設定、道路構造の見直しなど、試せることはまだまだあります。
完璧な街を目指して、試行錯誤は続きます。
記事シリーズ一覧
この記事は「Bridges & Ports」DLC導入後のプレイ記録シリーズの続編です。
これまでの経緯は以下の記事からご覧いただけます。
Cities: Skylines II「Bridges & Ports」DLC配信開始!パッチ1.3.6f1翻訳
新DLC「Bridges & Ports」で水辺の街作り!フェリーと漁業に挑戦
深刻な渋滞と人口急減!海上高速道路プロジェクトで街を救えるか
と、言うことで、今回はここまでとなります。
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