Cities: Skylines の情報
Cities: Skylinesの公式情報「Dev Diary – Renewed History by Brum」をさらっと翻訳して読み解いていきたいと思います。
当該記事-https://forum.paradoxplaza.com/forum/developer-diary/dev-diary-renewed-history-by-brum.1904309/へのリンク記事の要約
ブラジル出身の建築家兼デザイナーであるBrum氏による開発日記です。
Cities: SkylinesのContent Creator Pack「Renewed History」がどのような過程で制作されたかが詳しく紹介されています。
このパックは歴史的な建物と現代的な建築が融合したアセットを集めたもので、トロントやリオデジャネイロ、ニューヨーク、ハンブルクなど世界各地の都市再生事例からインスピレーションを得ています。
伝統的な建物から鉄骨やガラスの現代構造がせり出すようなデザインが特徴的です。
開発日記ではリサーチ段階で約800点のビジュアルリファレンスを収集したことや、歴史部分にはモジュラー式のパーツを活用して効率化を図りつつ現代部分はそれぞれ異なる建築家がデザインしたかのような自由なアプローチで制作したことが語られています。
テクスチャリングではPhotoshopとAIツールを併用しながらも最終的には人間の感性で仕上げていること、ゲームエディター上で何度も調整を繰り返して完成度を高めていく工程なども丁寧に解説されています。
パックにはオフィスビルや住宅、学校、博物館、警察本部、公園など幅広い用途のアセットが含まれており、公園は最大で24×16タイルのセントラルパーク風複合施設も作れるとのことです。
カフェテーブルやラウンジチェアなどアウトドア向けの小物セットも同梱されています。
開発日記 – Renewed History by Brum
みなさんこんにちは!
Cities: SkylinesのContent Creator Pack「Renewed History」についての開発日記へようこそ。まず自己紹介をさせてください。
私はBrumと申します。
ブラジル出身の建築家兼デザイナーで建築や都市計画に情熱を持っており、Cities: Skylinesの大ファンでもあります。熱帯の国に住んでいる私は自分の住む場所や文化を表現するアセットがずっと好きでした。
しかしWorkshopにはそういったアセットが思ったほど多くありませんでした。
そこで2022年の終わりに3Dモデリングを独学で始め、ブラジルの歴史的建築物や熱帯諸国の現代的なアセットを作り始めました。※画像:2022年に公開した私のWorkshopのアセットの一部(上部記事リンク参照)
しかしRenewed Historyはそれだけにとどまりません。
私は世界中のプレイヤーの心に響くものを届けたいと考えていました。
このパックは歴史を消し去ることなく大胆な方法で都市の中心部を刷新してきた都市からインスピレーションを得ています。
古いものと新しいものを融合させることでこれらの都市は都市生活を一変させ、特別なランドマークを生み出しました。Renewed Historyのすべてのアセットは古いものと新しいものの対比を体現しており、伝統的な建物から鉄骨やガラスやコンクリートの構造物がせり出すように現れます。
歴史的な部分は近隣のクラシックな建築と自然に調和しつつも、現代的な増築部分が意外性のある要素を加えてあなたの街のスカイラインを一新するでしょう。※画像:Renewed Historyの初期ムードボード。トロント、リオデジャネイロ、ブエノスアイレス、ニューヨーク、ハンブルク、リヨン、アントワープなどからインスピレーションを得ている(上部記事リンク参照)
リサーチとコンセプト
どのアセットを制作しどのようなスタイルにするかを決めるにあたり、私のリサーチは「機能」と「形態」という2つの重要な側面を軸に進めました。
機能
都市計画者は常にダウンタウンの活性化のために大企業や新しい住民を呼び込む方法を模索しています。
加えて文化・教育・スポーツ・レジャー・イノベーション・クリエイティブ経済のための空間、さらにソーシャルハウジングや公園もこうした再生プロジェクトの重要な構成要素です。これらすべての機能を近接させて活気ある住みやすい都市を作ることを目指す現代の都市計画の考え方に触発され、私はオフィスビル・住宅・ユニークビルディング・サービスビルディング・公園など幅広い用途を持つCCPをデザインすることにしました。
形態
アセットのリストを決定した後、建築様式について徹底的にリサーチを行い、パックに取り入れたいと思う世界中の約800点のビジュアルリファレンスをパネルにまとめました。
※画像:最終的にたどり着いたプロジェクトの主要なデザインガイドラインをまとめた長いリスト(上部記事リンク参照)
各アセットについて最終的に3つのリファレンスを集めたムードボードを作成しました。
次のモデリングのフェーズではこれらのアイデアを統合して構想したコンセプトが魅力的なアセットになるかどうかを検証します。
モデリング
基本ボリューム
ムードボードをもとに各アセットのシンプルなボリュームモデルを構築し、都市内でのスケール感やおおよそのフットプリント、高さを検討しました。
それらを並べて配置した後、全体のセットにより大きなインパクトと多様性をもたらすために一部のプロポーションを調整しました。※画像:提案するアセットの基本ボリューム(上部記事リンク参照)
最終モデリング
基本ボリュームとムードボードが定まったところで各アセットの詳細なモデリングに取りかかりました。
ここからの最大の課題は限られた期間内で大量のアセットとランドマークを制作することでした。
Renewed Historyの場合、各アセットは本質的に歴史的なものと現代的なもの2つの建物が融合した構成になっています。
そのためまずワークフローを体系化することが最初のステップでした。※画像:最初にモデリングした10個のアセット(上部記事リンク参照)
歴史的な部分については組み合わせることで互いにまったく異なる建物を形成できるモジュラーパーツを作成しました。
またドームやペディメント、ポルティコなどの特別な装飾要素も取り入れており、これらは各建物に個性と識別性を与える上で欠かせないものです。※画像:フラッグシップストアと大学は同じファサード要素の一部を共有している(上部記事リンク参照)
一方で現代的な部分についてはその幾何学的な多様性と複雑さから、より自由なアプローチで制作しました。
それぞれが異なる建築家によって独自のスタイルで設計されたかのように見えることを目指しています。※画像:博物館、スポーツセンター、図書館、大学はこのCCPの中で最も複雑なモデルの4つ(上部記事リンク参照)
トライアングル数
モデリングにおいてトライアングル(ポリゴン三角形)の数はゲーム内でのパフォーマンスを確保するために極めて重要です。
基本的にはどのボリュームを物理的にモデリングしてどのボリュームをテクスチャのみで表現するかを判断する必要があります。
多くのボリュームをテクスチャで表現できればそれだけトライアングル数の最適化が実現します。
Renewed Historyではほぼすべてのアセットが15,000~20,000トライアングルの範囲に収まっています。※画像:大学の歴史的なファサードはトライアングル数が少ない。多くの装飾的ディテールはテクスチャのみで作成されている(上部記事リンク参照)
テクスチャリング
建物アセットの制作においてテクスチャリングは最も時間がかかり難易度の高い工程だと考えています。
忍耐力と細部への注意が求められます。Renewed Historyは非常に多様な建築様式を特徴としておりそれは膨大な数のテクスチャに反映されています。
歴史的建築には多くのファサードディテールを持つ4つの異なるスタイルが含まれています。
現代的な部分は多種多様な素材と建築技法を駆使しており各ランドマークに独自のキャラクターを与えています。このCCPのアセットはレプリカではないためテクスチャの実験には大いに余地がありました。
初期コンセプトの一つは建物の形態と素材感がその機能を反映するようにデザインすることでした。
たとえば小学校は積み木のようなデザインで鮮やかな色彩を特徴としています。
イノベーションハブはハイテクな形状とテクスチャを持ちます。
警察本部は打ちっぱなしのコンクリートを通じて堅固さを伝える厳格な建築になっています。
そしてロフト・スカイスクレイパーはその流線型のシルエットと大きなバルコニーから洗練されたモダンな高級コンドミニアムであることが一目で分かります。※画像:Blender上の小学校、イノベーションハブ、警察本部、ロフト・スカイスクレイパー
テクスチャの制作には主にPhotoshopとAIツールを使用しました。
AIで生成した画像はその後Photoshopで手作業により調整・編集しています。
やはり人間の感性に代わるものはありません。※画像:上の画像にある警察本部の6種類のテクスチャマップの例。(上部記事リンク参照)
上段のディフューズテクスチャ(_d)はPhotoshopで編集し3Dモデル上で何度もテスト。
その後ゲームエディター上でもアルファ(_a)、カラー(_c)、イルミネーション(_i)、ノーマル(_n)、スペキュラー(_s)の各テクスチャマップとともにテストされる
ゲームエディター
メッシュとテクスチャをCities: Skylinesのエディターにインポートするとマップタイプ・雪・昼・夜といったすべてのバリエーションでアセットをゲーム内プレビューできます。
しかしそれでプロセスが終わるわけではありません。
エディターでの見え方をもとにテクスチャをPhotoshopでさらに調整し、色の彩度・反射・夜間ライティングの完璧なバランスが得られるまで何度もゲームに再インポートします。※画像:夕暮れ時、最初の街灯が灯り始めるタイミングで見たアセット群(上部記事リンク参照)
テクスチャが100%完成して初めてデコラティブ要素の追加に取りかかります。
これらの要素はアセットに生命感と豊かなディテールを与えます。
Renewed Historyには公園や大きなテラスなどの屋外レジャー空間が多数含まれているため、これらの要素が雰囲気を決定づける上で重要な役割を果たしています。幸いゲームにはバニラのデコレーションが豊富に用意されており洗練された夜間ライティングから美しい造園プロジェクトまであらゆるものを作り出すことが可能です。
それを補完するためにこのCCPにはアウトドアリビングに関連する現代的なデザインの小物セット(カフェテーブル、椅子、ラウンジチェア、テント、バーカウンターなど)も含まれています。※画像:CCP Renewed Historyの各種プロップを配置したスポーツセンターのテラス(上部記事リンク参照)
公園に関してはRenewed Historyは2×2タイルから8×16タイルまでさまざまな区画に対応する複数のサイズを用意しています。
最大サイズの3つの公園を組み合わせれば24×16タイルの大規模なセントラルパーク風の複合施設を形成することもできます。
さらに単体のデコラティブ要素も提供されているためゲーム内ツールを使えばそれ以上の規模のオリジナル公園を自由にデザインすることも可能です。※画像:8×16の公園3つを並べて形成した大規模セントラルパークの眺め(上部記事リンク参照)
LOD(Level of Detail)
アセットが完成したら次はLODの作成です。
多くのプレイヤーがご存知のようにLOD(Level of Detail)はトライアングル数とテクスチャサイズを削減したアセットの簡略版です。
カメラがズームアウトした際にメインモデルの代わりに表示されるミニチュアモデルのようなもので、ゲームのパフォーマンス最適化に貢献します。良いLODを作る上での最大の課題はズームイン・ズームアウト時にフルモデルと簡略モデルの切り替わりが目立たないようにすることです。
いくつかのLODはこの切り替えが滑らかでほぼ気づかれないレベルになるまで何度もやり直す必要がありました。※画像:メインメッシュ(左)とLOD(右)の比較。一方は最大ズーム時に完璧に見えるべきであり、もう一方は可能な限りシンプルであるべき(上部記事リンク参照)
おわりに
この開発日記の締めくくりとしてTempered Vanillaテーマでのさまざまな時間帯(昼・夜)のスクリーンショットをいくつか掲載しました。
色補正MODは使用していません。Renewed Historyを形にする上で与えていただいた特権と創作の自由に心から感謝しています。
Cities: Skylinesのプレイヤーのみなさんがこれらの新しいアセットでどんなものを創り出すのか、とても楽しみにしています。
ありがとうございました!Daniel Brum
感想
歴史的な建物と現代建築の融合というコンセプトが面白いパックですね。
ただ見た感じヨーロッパや南米の建築スタイルが中心で日本の街並みとは方向性が異なるため、私自身は導入を見送るかもしれません。
とはいえCS1のアセットがこうして今もなお発展し続けているのは素直に嬉しいことですし、制作者の熱意が伝わる開発日記でした。
今後どんなCCPが登場するのか引き続き楽しみにしたいと思います。
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