AI関連

2025年6月第2週のAI業界まとめ:Meta150億ドル投資とApple期待外れのWWDC

2025年6月7日~13日 AI関連ニュース総まとめ

確かに期待してたほどのインパクトあるニュースは少なかったですね。

OpenAI o3-proも含めて、6月7日~13日の期間のAI関連ニュースを改めてまとめます。

🔥 最大のインパクト

1. Meta:Scale AIに約150億ドル投資の衝撃ディール(6月12日発表)

  • MetaがScale AIに143億ドルを投資し49%の株式を取得、同社を290億ドルで評価
  • 28歳のAlexandr WangがMetaの新「スーパーインテリジェンス」ユニット責任者に就任
  • 業界へのインパクト: AI訓練データの戦略的価値を示す象徴的投資
出典: Reuters, CNBC, TechCrunch (2025年6月12日)

2. OpenAI o3-pro:推論AIの新たな頂点

OpenAIがo3-proを発表し、推論モデルの性能で新記録を樹立。

ARC-AGIベンチマークで87.5%のスコアを達成し、人間の平均85%を上回る結果を示しました。

ただし、実用性や利用可能性の面では課題が残る状況です。

😤 期待外れだった発表

3. WWDC 2025:AppleのAI発表が物足りない(6月9日)

  • 期待されていたSiriの大幅改良は延期、「高品質基準を満たすため」として「来年中」という曖昧なタイムライン
  • 新機能は増分的アップデート(ライブ翻訳、Image Playground改良)に留まる
  • 市場の反応: UBSアナリストが「多くのAI機能は増分的で、競合アプリで既に利用可能」と評価
出典: CNBC, Reuters, NPR (2025年6月9日)

📉 業界構造の変化

4. GoogleのAI検索がニュース業界を直撃

Mail OnlineのSEOディレクターによると、AI Overviewsにより「デスクトップで56.1%、モバイルで48.2%」のクリック率低下が報告されています。

New York Timesの検索トラフィックが3年前の44%から36.5%に減少しました。

出典: TechCrunch, Amsive, Press Gazette (2025年6月)

5. SAG-AFTRAとビデオゲーム業界の歴史的合意(6月11日)

  • 320日間のストライキが終了、AI使用に重要なガードレールを設定
  • パフォーマーのデジタル複製使用に十分な情報に基づく同意が必要
  • ストライキ中は同意を停止する権利も含まれる
出典: Variety, The Hollywood Reporter, ABC News (2025年6月10-11日)

🌍 国際競争の激化

6. Mistral AI:ヨーロッパ初の推論モデル「Magistral」(6月10日)

  • フランスのMistral AIがヨーロッパ初のAI推論モデルを発表
  • 240億パラメータのMagistral SmallをApache 2.0でオープンソース化
  • 特徴: ヨーロッパ言語での推論能力を強調
  • Magistral Mediumは企業向けに10倍高速で処理可能
出典: Reuters, CNBC, TechCrunch (2025年6月10日)

7. 中国勢の推論モデル競争

  • DeepSeek R1のアップグレード版リリース(5月29日)
  • BaiduのErnie X1が「DeepSeek R1と同等性能を半額で」提供(3月)
  • 中国AI業界のオープンソース戦略への転換が加速

⚖️ 法的・規制動向

8. Reddit vs Anthropic 訴訟(6月4日発表)

RedditがAnthropicを契約違反で提訴、無断データ利用で10万回以上のアクセスがあったと主張しています。

意義: Big Tech企業による初のAIモデル提供者への法的挑戦となりました。

出典: Reuters, AP News, CBS News (2025年6月4日)

🚗 自動運転関連

9. Tesla ロボタクシー開始発表(6月10日)

マスクが6月22日(暫定)のサービス開始を発表、オースティンで10~20台のModel Y使用予定です。

初期段階では限定地域での遠隔人間監視下での運行となります。

出典: Reuters (2025年6月10日)

🤔 この期間の特徴

正直なところ、「ワクワクする革新的発表」は少なめでした。

期待していたような「ぱっとしたニュース」が少なかった理由として、以下が考えられます:

  1. 技術的ブレークスルーの一時的停滞: 大手各社が次世代モデル開発中で大発表が少ない
  2. WWDC期待の裏切り: 業界が注目していたAppleのAI大発表が肩透かし
  3. 日本市場の静寂: 期間中に日本発の大きなAI関連ニュースなし

一方で重要だった動きとして、以下が挙げられます:

  • MetaのScale AI買収: AI業界の資本集約化とデータの戦略的価値を象徴
  • 推論モデルの多極化: アメリカ、ヨーロッパ、中国が競合する新構図
  • AI労働者保護の進展: SAG-AFTRAの合意が今後の労働法制に影響

業界構造の変化や法的枠組みの整備など、長期的に重要な動きは多数ありました。

次のビッグウェーブは秋頃の各社発表に期待ですね。

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