本題に入る前にマクドナルドの公式Twitterを眺めていたら、
サムライマックの動画が目に飛び込んできました。
「マクドは大変なものを作っていきました」というフレーズを見て
思わず「え?公式なのこれ。MADじゃないか!」と笑ってしまいました。
マクドは大変なものを作っていきました#サムライマック #トリプル肉厚ビーフ pic.twitter.com/Oe45fI5xcn
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) August 21, 2024
懐かしさも相まって非常に印象に残る内容でしたね。
これこそ印象に残るプロモーション。サムライマックを食べたくなったかと言えばそうでは無いですけど。
さて本題に入りましょう。
最近マクドナルドが生成AIを使用したプロモーション動画をネット上で公開し、
大きな話題を呼んでいます。
AI♡ポテト#月曜からポテトML250円#AIラブポテト
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) August 17, 2024
※タップしてご覧ください pic.twitter.com/WFOUmHeJ0c
この動画が「批判」されたり「炎上」していると言われていますが、
実際のところどうなのでしょうか?
今回はこの動画について私的な見解を述べつつ、自分でも同様のAI動画を作ってみた結果をお伝えします。
1. マクドナルドのAIプロモーション動画
問題となっている本題の動画は「AI♡ポテト」というタイトルのものです。
個人的な感想としては、「言うほど変かな?」という印象でした。
しかしこれは私が生成AI画像や動画を見慣れているからかもしれません。
気になった点:
- 一目で生成AI動画だとわかる
- 「不気味の谷」現象がやや感じられる
- 背景音楽の選択が適切でない可能性
- ストーリー設定が突飛すぎる
- 実写系生成AIの使用が逆効果か
2. なぜ炎上したのか?
動画自体のクオリティは高いと感じましたが、
いくつかの要因が重なって違和感を生み出しているようです。
- 音楽選択:BGMもAI系使っているのか心地良い音楽ではなく全体の雰囲気と相まって見づらさを助長
- 設定の奇抜さ:ストーリーが現実離れしすぎていて落ち着かない
- 実写系AIの使用:不気味さを増幅させる結果に
結果としてポテトを食べたくなるような効果的なプロモーションにはなっていない印象です。
3. 私の実験:AIでポテトのプロモーション動画を作ってみた
興味本位で自分でもAI生成画像を作り、
それをRunway Gen-3 Alphaに投入して動画化してみました。
私も同じくポテトのプロモーション動画を目指しました。
制作プロセス
- Stable Diffusionでポテトに関連する実写風の画像を作成
- 生成した画像をGen-3 Alphaに投入して動画化
結果と考察
- 全体的に「それっぽい」仕上がりになりましたがやはり一目でAI生成だとわかる特徴がありました
- マクドナルドの動画同様、実写寄りの仕上がりになりました
- 「ポテトを食べる」シーンを作ろうとしたら、予想外の奇妙なキャラクターが登場してしまい、その動画はお蔵入りにしました
- 実写寄りのアプローチを取ったためマクドナルドの動画と同様に「不気味の谷」現象が多少見られました
- 商品の魅力を伝えるという点では、実写寄りのアプローチが効果的だと感じました
この実験を通じてAIを使った動画制作の難しさと可能性の両方を実感しました。
特に実写風の映像を生成する際の課題が浮き彫りになりました。
マクドナルドの動画との比較
- クオリティ:両者ともAI生成特有の特徴が見られますが、マクドナルドの動画の方がより洗練されている印象です
- 違和感:どちらも実写寄りのアプローチを取っているため、同様の「不気味の谷」現象が見られました
- ストーリー性:マクドナルドの動画の方がストーリー設定があるのは当然ですが、
AI的な突拍子な感じが賛否両論を呼んでいる要因かもしれません - 商品訴求力:実写寄りのアプローチは商品の魅力を伝えやすいですがAIならではの違和感とのバランスが難しいと感じました
4. 生成AIの課題と可能性
生成AIには確かに多くの問題があります
- 著作権などの法的グレーゾーン
- 倫理的な懸念
- 品質の不安定さ
- 意図しない結果が生じる可能性(例:奇妙なキャラクターの出現)
- 実写風映像における「不気味の谷」現象
しかし権利的な問題がクリアされれば、
これも1つの芸術作品として捉えることができるかもしれません。
また制作コストの削減や斬新なアイデアの創出など、ポジティブな側面もあります。
5. まとめ
マクドナルドのAIプロモーション動画と私の実験を通じて、
AIを活用した広告制作の現状と課題が見えてきました。
特に実写風の映像生成においては品質と違和感のバランスが重要なポイントになることがわかりました。
今後、企業がAIをマーケティングに活用する際は以下の点に注意が必要でしょう
- 技術面:高品質で違和感の少ない映像制作。特に実写風映像の改善
- 倫理面:AI生成コンテンツの適切な使用と開示
- マーケティング効果:視聴者の反応と商品訴求力の検証
- クリエイティブ面:AIの特性を活かしつつ人間の感性も取り入れたバランスの良い制作
- 「不気味の谷」対策:実写風映像特有の違和感を軽減する技術や表現方法の探求
皆さんはこの動画をどう感じましたか?