ファンタジーの中にリアルも感じる傑作
空挺ドラゴンズをご存じですか?
Amazonの説明文には下記の通り記載されています。
引用元(Amazonのリンク):http://amzn.to/2rrNlwb
龍を追って、世界の空を往く捕龍船『クィン・ザザ号』。大物を捕まえれば一獲千金、獲りたての肉も食べ放題。でも、失敗したらもちろんお陀仏。空と龍に魅せられた乗組員たちの大冒険の旅&世界グルメ紀行!
捕鯨船…じゃない捕龍船という飛行船に乗り、ドラゴンをとっ捕まえて、捌いて売るという職業の人たちの漫画です。
何が面白いのか
まずは箇条書きしてみます
- 画力がかなり高く見応えがある
- べらぼうに強い主人公
- アクション性がある
- 料理要素もある
- 龍がちょっとグロテスクだけど迫力もある
- テンポ良く進む
テンポ良く進むのでサクサクと次の話を読んでいけるというのは大きくて。
どろっとした部分が無いのも良いですね。
ただ所々人間くさい部分も出てきたり。
そういう部分もまた面白くて。特に金にはシビアな感じとか。
儲かるようで儲からない捕龍稼業の事情もちらっと出て来たり。
ちょっと裏がありそうなストーリーも見え隠れしています。
そう部分をもう少し詳しく欲しい所ではありますかね。
キャラクターについて
主人公は、ミカ
ひょろくて無精ひげでちょっともっさいかんじ。
ドラゴンを食うことしか考えて無かったり。強すぎ脳筋な典型的な主人公。
良くいる主人公タイプですね。
かなり食い気に特化している感じです。
脇を固めるヒロインは、捕龍船の新人の女の子タキタ…でいいかな。
元気が取り柄という感じのこちらも典型的なヒロインタイプ。
一生懸命頑張る姿が印象的です。
この辺は、王道なので読んでいて安心出来ます。
どこか影のあるベテラン女性船員がいたり、親分的な船長がいたり。
とにかく王道ファンタジー的な展開を見せてくれます。
違うのはドラゴン料理が色々出てくることでしょうか。
それにしても主人公が「うまそうだな」しか言わないというのも凄いですけど。
機械とかの描写も凄く細かくて背景とかも見所たっぷり。
女性陣も魅力的に描かれていますし。シリアスな展開がありコメディの展開もあり。
成長していく姿もあちこちで見ることができて。
他のサブキャラクターも、色々と経験して成長していく姿が見えたり。
その辺もしっかりと描かれています。
個人的に気に入っている部分
ファンタジーの中にリアルを感じると最初に書きました。
ドラゴンを狩るというお話なんですけど。
ドラゴン=鯨
と考えると、捕鯨なんです。
鯨も油捕れますし。残すところ何も無いですから。
倒し方も似ていますしね。銛撃ちこんでとか。その辺が元になっているんだろうなと。
またドラゴンも何か実際にある動物、魚等々をモチーフにしてるのかな?
料理もそうですね。何かしら現実にある物を美味く昇華させてファンタジーにしているという雰囲気が凄く好きです。
そうそうドラゴンに入った毒の抜き方とか、糠に漬けるってふぐ毒の取り方ですよね。
なんかそういう部分にリアルを感じてファンタジーなんですけど融合してる所が自然で面白いのです。
「あれ?これって、あれのことかな?」なんて発見も面白いです。
レビューを見てしまうと
他のレビューでは○○の世界観という話が出てしまっているので、それはまず見ないで読んで欲しいなと。
先入観あると面白さは半減します。
でも、確かにそうですね。あの世界観はありますよね。
それを言ってしまうと、全てのファンタジーがそういう世界観を持っていますし。
いちいち口にするほどでも無いと思うんですよねぇ。
あれにはドラゴンは出てこなかったですし。
「ダンジョン飯」要素は確かにありますよねぇ。そこら辺は意識しているような気がします。
料理の紹介とか、誰が作るんだよという感じですけど!
ああいう部分が好きな人には向いていると思います。
ただそれをただ真似ている、劣化させているではなくてしっかりまとめ上げて面白い作品になっています。
目的という目的が無い漫画なので、どういう展開になりどういう終わりになるかというストーリーは分かりません。
もう少し掘り下げて欲しいなという部分があるのも確か。
何故ドラゴンが…とか、倒し方などなど。「どうして?」という部分もあります。
主人公がチート過ぎるのもありますけども…
それ以上に面白い
あまり深く考えないで読む方が良いと思います。
すっと入ってくるので、その画力を楽しみながら、壮大なファンタジーに酔いしれいましょう。
すっかりのめり込んで1巻だけのはずが2巻も買って読みふけってしまいました。
世界観に苦手意識が無い人にはお薦めできる漫画です。