がっちりマンデー『京浜急行電鉄(株)』
早朝に起きれたら「がっちりマンデー」という番組を見ています。日曜朝の7:30からTBS系でやっている経済系の番組です。
「ガイアの夜明けの感想」記事も書いているので、こちらも書いていこうと思います。
今週は、京浜急行電鉄(株)の特集です。
昨年度の乗客数は4億5900万人と2.5%の純増。
品川から神奈川県を結ぶ総区間81kmの私鉄です。
元々は川崎から川崎大師までの参拝客を運ぶ大師電気鉄道だったそうで。
そこから今のような路線になったようです。
昭和51年に入社して40年京急にいる「原田社長」が来てのがっちりマンデー!!でした。
赤い彗星(京急快特)
最大速度120km/hも出す赤い彗星と呼ばれる快特がいます。品川駅と横浜駅を17分で結ぶ列車。その間2つの駅に止まります。
併走するJR東海道線も同様の列車がありますが1つの駅しか止まらないのに17分かかるそうです。
1駅停車は数分の差だとは思いますが、何故これだけ早いのか
速度へのこだわり
レール幅(軌間)が1435mm新幹線と同じ軌間を利用しています。
逗子線では一部JRと供用している区間がありまして、そこでは三線軌条となっている場所があります。
40cm違うという差がよく分かる状態になっています
鮫洲を通過してから直線となり120km/h区間となりますがそこで独特のアイテムが出て来ます
抑速信号
青と黄色が点滅する信号です。そういえば点滅信号なんてあまり見ませんからねぇ。
全速前進は、青信号。減速75km/hが青+黄色信号なのですが、京急ではそれを点滅させることで105km/hにしなさいとしているそうです。
前方に電車がいるとき黄色にすると75km/hまで落とさなければ行けませんが105km/hならすぐにMAXに戻せると言うわけです。
曲線後後ろの車輌が抜けた編成両数を表す標識
速度を落とす曲線部を過ぎると「4」「6」「8」という標識が出ています。
これはなにかといえば、最後部の車輌がカーブを抜けたかどうかを表す標識です。
4だと4両編成、6だと6両編成…となります。
それを過ぎれば「全速前進」となります。カーブ後すぐに増速するためです。
「1秒でも速度制限を無駄にしない。1秒を無駄にしない」
社長も語ります。
「速度への拘り。早く早く動かす1秒単位が重要。」
「JRと並ぶときは血湧き肉躍る」
・・・やっぱりライバルは気になっちゃうんですね(笑
蒲田要塞のスイッチバック
京急の儲かり路線は「空港線」品川から羽田空港国内線ターミナル14分。横浜からだと26分で1日10万人が利用します。
横浜から来たとき。どう見ても進行方向から空港へ向かう路線はないのですが乗り換え無しで直通します。
京急蒲田に入ると運転士が車掌と入れ替わります。車掌が運転士と入れ替わります。
もう一組の運転士車掌を用意してさっと進行方向を入れ替えて出発となります。
スムーズにスイッチバックを行い羽田空港へ向かうのでした。
「直通でそのまま座っていられる。その代わり進行方向が逆になるが乗り換えの不便さを解消している」
色々なところでスイッチバックはありますが、京急蒲田ほど頻繁にはやってないそうです。そりゃそうだ。
私は羽田側からしか乗ったことがないのですがなるほどなぁと。
それも旧京急蒲田時代しかしらない…
遅延が少ない理由
1週間辺り遅延発生回数というのがありまして、国交省調査ですが10分以上の遅れ0.25回というのが京急の特徴です。・JR埼京川越線 2回以上
・小田急小田原線 1回以上
・西武池袋線 0.5回以上
上に比べたら極端に少ないです!
・・・10分以上の遅れってそんなにあるような気がしませんけどね。
9分の遅れなら良いと言うことになっちゃいますよね。これだと。
と言う上げ足取りは置いといて。理由について。
走ってる電車の数が少ない?
「少なくない。1日1600本以上の電車が走る」
電車が少ないからではないそうです。
金沢文庫駅では、ラッシュ時は2分おきに電車が出たり入ったり1時間に30本近く動きます。
それでも遅延が少ない理由。
金沢文庫駅にある運転区
スイッチをぱちぱち動かす一人の人がいました。
信号テコ操作
進行信号を現示して、列車を駅構内に侵入させてます
デカイ機械パネルがあり、信号操作、ポイント切り替えを一人が手作業で行っています。
テコと呼ばれるスイッチをぱちぱち動かす訳です。
3番線のテコを動かせば、信号が緑に変わりポイントが連動して変わり、そこに車輌が入ってくると。
全部手作業で行っていました。
金沢文庫で行う信号操作は1日7000回にもなるそうです。
油断大敵・雑念に勝て
とテプラが張られる理由です。
同業他社はTTC(コンピュータ制御)を使っていまして人の手でやるのは「緊急時のみ」となります。
京急では伝統として全て人の手で行います。
それが10分の遅延を産まない理由だそうです。
事故とか輸送障害が発生した場合、人間の柔軟な対応の方が早期に正常運行に戻せると言う考えです。
手作業に拘るのはトラブル対応のためでした。
TTCだとプログラムを組み替えるのに時間がかかり慣れない手作業も大変となります。
普段から手作業で動かせばいざというときも臨機応変に対応できます。
逝っとけダイヤ
突然種別が変わったりある駅で運転が終わるというダイヤ鉄道マニアにはこんな名前で呼ばれているそうです。
横浜駅でトラブルが発生したとした場合、その手前の駅まで列車がいっちゃってそこで折り返し運転をする。打ち切るなどをさくっとやってしまうそうです。
その代わり手前の駅までなどは動き続けます。
いけるところまで行ってみようという「いっとけダイヤ」
TTCなどを使うと、どう戻すかを決めなければいけないので全体が止まってしまうそうです。
因みに、金沢文庫駅の運転区長は、社長と同期入社。
社長の足を引っ張ろうみたいな動きは?
「それは言えません!」
・・・社長ピンチです!(冗談なので問題ありません
京急はアナログ
信号テコ操作もそうですが、駅のホームでもアナログがあります。アナウンスを駅員さんがお立ち台で仕切っています。ワイヤレスマイクを使い肉声でアナウンスするのです。
これもトラブル対応のひとつ。緊急時に放送などで列車を止めたりなどを行う手はずがあります。
自動放送を使うと出来ない事をさくっと出来るので駅員がアナウンスするそうです。
トラブル発生時に電車を早く動かすためのアナログツールです。
駅では車掌さんも放送をします。「ドア閉めます」車掌さんだから言える台詞。
自動放送だと「ドア閉まります」です。
社長も昔車掌をやっていたそうでして、
「車掌なんだから責任もって閉めますと言え」と教わったそうです。
その伝統が続いているそうです。
懐中時計京急の運転士が持つのが懐中時計
運転席にもしっかりあります。
ただアナログの時計は狂いやすいのでは?
乗務区には、凄いアナログ作業がありまして。
カウンターに基準時計がありまして、秒針まで合わせてました。
時計あわせの作業。
電波時計にすれば簡単なのではとなりますが。
「電波にすれば簡単だけど時間的意識を持たせるために会社ではこの時計を使っている」
1秒を大切にするという気持ちを持つための「京急鉄道マンの覚悟」だそうです。
車輌にも秘密
トラブルを最小にするため車輌に秘密があります。両端につく先頭車は「電動車」
モーター付きの車輌は1編成に2両あればいいそうでどこに置いてもいいそうですが、京急は一番前と後ろの車輌を電動車にしているそうです。
先頭電動車にすることで車体の重量が上がります。線路上に支障物があり、衝突したときはね飛ばすが浮き上がりはしません。
線路上の障害物にぶつかっても脱線はするが、ひっくり返らないとなります。
電線への拘り:合成電車線
近くで見て見ると、電線が2本くっついています。2本合わせることにより機械的強度が上がる、電気容量線が多い。
コストもかかるけど、強度が上がり、より大きな電気が流せ電線トラブルが少ないのも遅れないのに繋がるそうです。
京急電鉄は、人の手による運行管理、ワイヤレスマイク、先頭電動車、合成電車線でガッチリ!
社長が語る他社と色々と違う
「小さな会社だから、知恵を絞って87kmをどうやって使うかのアイデア」徹底したアナログで1秒に拘るのが重要だそうです。
プレゼントは「みさきまぐろきっぷ招待券」でした。
京急ってそんな特徴あったんだなーと眺めてました。