結論(先に結論)
Chromeでこのサイトにアクセスできない場合、原因は「サーバー障害」や「サイト閉鎖」ではありません。
多くのケースで、Chromeの仕様変更 × サーバー側の古いHTTP/2実装 × セキュリティソフト(Nortonなど)のHTTPS通信スキャンが組み合わさって発生しています。
特にNortonを利用している環境では、HTTPS通信のスキャン機能が原因でアクセス不能になることがあります。
その場合、Norton側でHTTPS通信のスキャンを無効化することで閲覧できるようになります。
※この記事の対象となる方
以下に当てはまる方は、この記事の手順で解決する可能性があります。
サイトが消えたわけではないので、まずは落ち着いて大丈夫です。
- Chromeを使っているが、このサイトだけ開けない。
- エラー表示に「ERR_HTTP2_INADEQUATE_TRANSPORT_SECURITY」と出ている。
- Nortonなどのセキュリティソフトを利用している。
- サイトが閉鎖したのでは?と不安になった。
起きていた症状
- Chromeだけでサイトが開かない。
- 表示されるエラー:ERR_HTTP2_INADEQUATE_TRANSPORT_SECURITY。
- Firefox・Edge・スマホでは普通に見られる。
- サイト管理者側では特に設定変更をしていない。
このため、「サイトが落ちた?」「サーバーが死んだ?」と誤解しやすい状況でした。
技術的な原因(少し噛み砕いて)
1. ChromeがHTTP/2と暗号化に非常に厳しくなった
最近のChromeは、HTTP/2通信時に使用できる暗号方式(Cipher)を厳しく制限しています。
安全性の低い暗号(CBC系など)を検出すると、Chromeは警告ではなく、接続自体を拒否します。これがERR_HTTP2_INADEQUATE_TRANSPORT_SECURITYの正体です。
2. 古いサーバー環境ではHTTP/2の実装が追いついていない
一部のレンタルサーバー、特に旧世代の共用サーバーでは、HTTP/2は有効になっているものの、内部的には古い暗号方式も混在している状態になっています。この構成がChromeの最新仕様と衝突します。
サーバー側ではこの設定を利用者が変更できないケースも多く、管理者側でどうにもできないことがあります。
3. Nortonなどのセキュリティソフトが「最後の引き金」になる
Nortonには「HTTPS通信のスキャン」という機能があります。
これは通信を一度復号して検査し、その後、再暗号化してブラウザに渡すという動作を行います。
この途中介入があることで、Chromeから見ると「HTTP/2で禁止された暗号が使われている」と判定されやすくなり、結果として接続拒否が確定します。
重要なのは、Nortonが単独で悪いわけではなく、サーバー側の古い実装と組み合わさって問題が表面化したという点です。
今すぐできる対処法(閲覧できない人向け)
方法1:NortonのHTTPS通信スキャンを無効化する
Nortonを利用している場合、以下の設定で改善する可能性があります。実際に私はこの方法で解決しました。
- Nortonを起動する。
- 「セキュリティ」→「追加設定」→「セーフウェブ」を開く。
- 「設定」タブを開く。
- 「HTTPS スキャン」をオフにする。
セーフウェブの設定画面で「HTTPS スキャン」が赤いアイコン(オフ)になっていればOKです。
これだけでChromeでも正常に表示されるケースが多いです。ブラウザ自体(Chrome)のHTTPS保護は有効なままなので、通常の利用では大きなリスクはありません。
方法2:別ブラウザで閲覧する
Nortonの設定変更が難しい場合は、ひとまず別ブラウザで閲覧できることがあります。
- Firefox
- Edge
- スマートフォン(Chrome以外のブラウザ含む)
これらでは問題なく閲覧できる場合があります。
さくらインターネット(レンタルサーバ)とのやり取りについて
このサイトは、さくらインターネットのレンタルサーバーを利用しています。
今回の件については、実際にさくらインターネットのサポートにも問い合わせを行いました。
その結果、HTTP/2の無効化や暗号スイートの個別調整は、共用サーバーの仕様上できないとの回答でした。
また、TLS 1.3については「将来的な対応予定はあるが、時期は未定」とのことでした。
つまり、サーバー管理者側でできる対処には限界があり、今回の問題は利用環境(ブラウザやセキュリティソフト)との組み合わせで表面化したもの、という整理になります。
まとめ
- Chromeだけアクセスできない場合がある。
- 原因は「Chrome仕様 × 古いHTTP/2実装 × セキュリティソフト」。
- サイトが消えたわけではない。
- Norton利用者はHTTPS通信スキャンを無効化すると解決することが多い。
アクセスできず困っていた方は、どうか安心してください。サイトは正常に稼働しています。そして同じ症状で悩んでいる方の助けになれば幸いです。
※本記事は2025年12月時点の情報です。



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