Cities: Skylines2(シティーズスカイライン2)

Cities: Skylines II 3番目の街開発記録:オランダパック導入 〜運河建設の挫折と駅中心の歴史的街並み実現への道〜

これまで22万人を超える大都市として発展を続けてきた第3都市に、新たな地域パックが加わりました。
今回導入したのは「オランダパック」です。
ドイツ、フランス、日本、東欧、中国、アメリカ、地中海と多彩な地域の建築物が立ち並ぶ国際色豊かな街に、オランダ建築という新たな魅力が加わることになります。

オランダパックとは?独特の建築様式と都市計画

オランダパックの公式情報はこちらの記事で詳しく紹介していますが、その最大の特徴は以下の点にあります

オランダ建築の特徴

  • 切妻屋根を持つ伝統的なファサード
  • レンガ造りの温かみある外観
  • 運河沿いに密集して建つ独特の景観
  • 風車や給水塔などの象徴的建造物

これらの要素を活かした街づくりに挑戦することにしました。

当初の構想:運河のある典型的なオランダ風景

オランダといえば、誰もが思い浮かべるのが美しい運河の風景です。
当初は、AIと相談しながら以下のようなコンセプトを固めました

初期コンセプト

  • 駅を中心とした歴史的な街並み
  • 運河を巡らせたアムステルダム風の景観
  • 水辺と歴史的建築物が調和する美しい地区

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特に運河については、オランダ建築の魅力を最大限に引き出す重要な要素として計画していました。
しかし、ここで予想外の大きな壁に直面することになります。

運河建設の難しさ:洪水との戦い

運河の建設に着手してすぐに、深刻な問題が発生しました。

運河建設で発生した問題

  • 水位調整の難しさによる予期せぬ洪水の多発
  • 周辺地域への浸水被害
  • 地形との整合性を取ることの困難さ
  • 護岸工事との複雑な相互作用

以前の記事(第31回:バニラ状態での護岸工事の秘訣)で護岸工事の方法を確立していましたが、運河となると話は別でした。
護岸工事は既存の海岸線に沿った比較的単純な作業でしたが、運河は人工的な水路を都市の内部に作り出す必要があり、水位管理が極めて繊細な作業となります。

何度も試行錯誤を重ねましたが、時間内に満足のいく運河を完成させることができませんでした。

決断:運河は先送り

限られた時間の中で完璧を目指すより、まずは他の要素で魅力的なオランダ地区を作り上げることに方針転換しました。
運河については、今後じっくりと研究を重ねて、より良い方法を見つけてから再挑戦することにしました。

駅を中心とした歴史的街並みの構築

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運河を一旦保留にした代わりに、オランダ建築のもう一つの魅力である「歴史的な街並み」の構築に注力することにしました。

建物サイズの調査と最適な区画割の発見

まず最初に行ったのは、オランダパックの建物がどのようなサイズで生成されるかの確認です。
これまでの開発経験から、各地域パックには特有の建物サイズ傾向があることが分かっていました。

オランダ建築の建物サイズ傾向

  • 2×2サイズ:最も一般的で安定して生成される
  • 2×3サイズ:やや大きめだが頻繁に出現
  • 3×3サイズ:比較的まれだが、角地などで効果的

この調査結果を基に、最適な区画割を決定しました。

推奨区画設計

  • 4×Nマス:2×2建物を2棟並べるのに最適
  • 6×Nマス:2×3建物や3×3建物にも対応可能
  • 変則的な配置:角地や特殊な場所には柔軟に対応

フランス区画の再構築(第40回)で学んだ教訓を活かし、建物の特性を理解した上での区画設計を心がけました。

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街路を活用した細かな区画割

オランダの歴史的な街並みを再現するため、最も狭い「街路」を積極的に活用しました。

街路活用のメリット

  • 歴史的な街並み特有の狭い路地を再現
  • 建物を密集させることでオランダらしい景観を実現
  • 車両交通を制限し、歩行者中心の地区を形成
  • 交通渋滞のリスクを最小化

これまでの経験(第37回:港の渋滞解消への挑戦)から、交通流の管理の重要性を学んでいたため、この地区では最初から歩行者中心の設計を採用しました。

中心施設の戦略的配置

駅を中心とした街づくりのコンセプトに基づき、重要な公共施設を戦略的に配置していきました。

鉄道駅:地区の核となる施設

地区の中心に鉄道駅を配置しました。
この駅は将来的に他の地区との重要な接続点となる予定です。

駅配置の意図

  • 地区全体の中心として機能
  • 周囲に商業施設や公共施設を配置する基点
  • 他地区からのアクセスポイント
  • 歴史的建築物との調和

現時点では鉄道路線の接続まで手が回りませんでしたが、インフラとしての準備は整えました。
これまでの地下鉄網拡張の経験(第39回:地下鉄延伸による通勤改革)を活かし、将来的には効率的な公共交通網に組み込む予定です。

歴史的建築物の配置

オランダ地区の特徴を際立たせるため、以下の歴史的建造物を配置しました:

配置した主要施設

郵便局

  • 歴史的なデザインの建物
  • 地区の象徴的なランドマークとして
  • 駅前の一等地に配置

教育施設

  • 小学校と高校を適切に分散配置
  • オランダ建築らしいレンガ造りの校舎
  • 子供たちの通学路を考慮した配置

緊急サービス施設

  • 警察署:地区の安全を確保
  • 消防署:歴史的建築物を火災から守る
  • 病院:住民の健康を支える拠点

火葬場

  • これまでの霊柩車問題の経験(第32回〜第34回)を活かした配置
  • 地区制度を活用し、この地区専属として設定
  • 適切な台数の霊柩車を確保

オランダらしさを演出する象徴的建造物

風車

  • オランダを象徴する最も重要な建造物
  • 地区の景観に特徴を与える
  • やや高い位置に配置し、遠くからも見えるように

給水塔

  • もう一つのオランダ的シンボル
  • 実用的な機能と美観を両立
  • 街のスカイラインに変化を加える要素として

これらの象徴的建造物により、一目でオランダ地区と分かる特徴的な景観を作り出すことができました。

住宅密度の段階的配置戦略

オランダ地区の住宅配置には、中心部から郊外へと段階的に密度を変化させる戦略を採用しました。

中密度住宅を核とした配置

地区中心部:中密度住宅

  • 駅周辺の利便性の高いエリア
  • オランダ建築特有の連続したファサード
  • 歩いて楽しい街並みの形成
  • 適度な人口密度による活気

中密度住宅を中心に据えることで、過度な高層化を避けつつ、十分な人口を確保できました。

高密度住宅の離隔配置

高密度住宅エリア

  • 駅からやや離れた場所に配置
  • 高層建築が歴史的景観を損なわないよう配慮
  • それでも徒歩圏内のアクセス性を確保
  • 将来的な人口増加への備え

これまでの経験から、高密度住宅を歴史的な街並みの中に無計画に配置すると景観を損なうことが分かっていました。

郊外部:低密度・長屋スタイル

郊外住宅エリア

  • 中密度長屋:オランダらしい連続した低層住宅
  • 低密度住宅:庭付きの一戸建て
  • より静かで落ち着いた住環境
  • 自然との調和を重視した配置

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この段階的な密度配置により、地区全体に自然なグラデーションが生まれ、多様な住民のニーズに対応できる街並みとなりました。

短時間で実現できた「それっぽい」街並み

限られた時間の中で、予想以上にオランダらしい街並みを作り上げることができました。

達成できたポイント

  • 歴史的建築物が立ち並ぶ趣のある街並み
  • 風車と給水塔が特徴的な景観を形成
  • 駅を中心とした利便性の高い都市設計
  • 段階的な密度配置による自然な街の広がり
  • 街路を活用した歩行者に優しい環境

特に、事前に建物サイズを調査し、適切な区画割を行ったことで、スムーズに魅力的な街並みを形成できたのは大きな成功でした。
フランス区画の再構築で学んだ「建物特性を理解した上での区画設計」の重要性が、ここでも活かされた形となりました。

現状の課題と今後の展望

鉄道接続の必要性

現時点では駅は建設されているものの、他地区との鉄道接続は未完成です。

今後の鉄道計画

  • 既存の地下鉄網との接続(第39回の延伸計画の一環として)
  • 産業区画への貨物輸送ルートの確保
  • 観光路線としての活用(歴史的地区としての魅力を活かす)

水辺環境の再検討

今回保留とした運河については、じっくりと研究を重ねて再挑戦する予定です。

運河建設への今後のアプローチ

  • より小規模な水路から試験的に着手
  • 護岸工事の技術(第31回)を応用した水位管理
  • 既存の成功事例の研究
  • 段階的な拡張による安全な建設

「もうちょっと水場が欲しいところです」というのが正直な感想ですが、拙速に進めて失敗するよりも、確実な方法を見つけてから実行する方が賢明でしょう。

地区の成熟と最適化

新しいオランダ地区は、これから時間をかけて成熟していく段階です。

今後の最適化課題

  • 住民の流入に伴う交通パターンの観察
  • 公共サービスの需要に応じた施設の追加
  • 商業施設の適切な配置
  • 地区制度を活用した効率的なサービス提供(第30回の教訓を活用)

23万人都市における新地区開発の意義

今回のオランダ地区開発は、23万人を超える大都市における新たな挑戦でした。

都市開発の新段階

  • 基本的なインフラが完成した成熟都市での開発
  • 機能性だけでなく美観を重視した設計
  • 地域パックを活用した文化的多様性の追求
  • これまでの経験を総動員した効率的な開発

特に、これまでの40回にわたる開発記録で蓄積された知見が、今回の短時間での成功を可能にしました。

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活かされた過去の教訓

  • 区画設計の重要性(第40回:フランス区画再構築)
  • 交通管理の基本原則(第37回:港の渋滞解消)
  • 公共サービスの最適配置(第32回〜第34回:霊柩車問題)
  • 公共交通の戦略的活用(第39回:地下鉄延伸)

おわりに:多様性が生み出す都市の魅力

オランダパックの導入により、第3都市はさらに国際色豊かな街となりました。

現在の地域構成

  • ドイツ地区:効率的で秩序ある街並み
  • フランス地区:美しく再構築された歴史的景観(第40回)
  • 日本地区:和の趣を感じさせる街並み
  • 東欧地区:独特の建築様式が魅力
  • 中国地区:伝統と現代が融合した地区
  • アメリカ地区:モダンで機能的な街並み
  • 地中海地区:明るく開放的な雰囲気
  • オランダ地区:今回新たに加わった歴史的な街並み

これらの多様な地域が共存することで、単一文化の都市では決して得られない豊かな都市体験を提供しています。

運河という当初の目標は達成できませんでしたが、「時間ない中でそれっぽい街並みができました」という結果には十分満足しています。
完璧を求めすぎず、できる範囲で最大限の魅力を引き出す。
これもまた、Cities: Skylines IIでの街づくりの醍醐味と言えるでしょう。

次回は、運河建設の研究結果や、オランダ地区と他地区を結ぶ鉄道網の整備について報告できればと考えています。
引き続き、多文化が共存する23万人都市の発展をお楽しみください!

と、言うことで、今回はここまでとなります。


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