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20年運営サイトのLCP改善奮闘記|さくらサーバー移行からWordPress最適化まで実体験レポート

はじめに:突然のLCP警告に直面

サイト運営を続けていると、Googleサーチコンソールからの警告は避けて通れないものです。
今回私が直面したのは「LCP の問題: 2.5秒 超(モバイル)」という警告でした。

「日々綴」は開設から約20年が経つサイトで、長年にわたって様々なコンテンツを蓄積してきました。
しかし、それが逆に足かせとなり、サイト速度の問題が顕在化してきたのです。

SEO対策として、まずはサーチコンソールで指摘された問題を一つずつ潰していく作戦に取り組みました。
その中でも最も大きな課題となったのがLCP(Largest Contentful Paint)の改善でした。

問題の根本原因:20年前のサーバー環境

LCP問題の原因を探っていく中で、最も大きな要因が判明しました。
それは、サイト開設当初から使い続けている古いサーバー環境でした。

私が使用していたのは、このサイトを開設した約20年前から継続利用しているさくらサーバーの古い世代のサーバーでした。
機器自体は定期的に更新されているとはいえ、基本的なサーバー環境は開設当初のままだったのです。

この状況を打開するため、さくらサーバーから提案されていた新サーバーへの移行を検討することにしました。

移行への道のり:意外と高いハードル

さくらサーバーからは「新しいサーバーに移行できます」という案内が来ており、移行ツールを使えば事前に移行可能とのことでした。
放っておいてもいずれは自動的に更新される予定でしたが、SEO改善を急ぎたかったため、能動的に移行することを決断しました。

ところが、いざ移行しようとすると想像以上に大変でした。

移行要件のクリアが最大の難関

長年運営してきたサイトの宿命として、様々なシステムが古いバージョンのままになっていました。
移行ツールを使用するためには、以下の要件を満たす必要がありました:

  • データベース(MySQL)の最新バージョンへのアップデート
  • WordPressの最新版への更新
  • プラグインの互換性確認
  • テーマの動作確認

特に古いバージョンのデータベースを最新版にアップグレードする作業は、一歩間違えるとサイト全体が動かなくなるリスクを伴う作業でした。

AI活用で技術的課題をクリア

正直なところ、これらの技術的な作業は一人で調べながら進めるには相当な時間がかかる内容でした。
しかし、AIツールの存在が大きな助けとなりました。

データベースのアップグレード手順、WordPressの設定確認、トラブルシューティングなど、分からない部分をAIに質問しながら一つずつクリアしていくことができました。
AIがいなかったら、おそらく移行作業自体を諦めていたかもしれません。

実際の移行作業:緊張の一夜

移行要件をすべてクリアした後、いよいよ実際の移行作業に入りました。

慎重な事前準備

移行作業開始前には以下の準備を徹底的に行いました:

  • 完全バックアップの取得
  • WordPressの設定とプラグイン設定の再確認
  • データベースの整合性チェック
  • テスト環境での動作確認

何度も何度も確認を重ね、問題がないことを確認してから移行ツールのスタートボタンをクリックしました。

夜間移行の結果

移行作業は夜寝る前にスタートし、朝起きた時には完了している状況でした。
移行ツール任せとはいえ、朝一番でサイトが正常に表示されるかドキドキしながら確認しましたが、無事問題なく移行が完了していました。

移行後の効果:期待と現実

体感速度の変化

移行後、実際にサイトを操作してみると、確かに若干早くなったような気がしました。
ただし、劇的な変化というほどではなく、体感できるレベルの改善という程度でした。

サーチコンソールでの検証結果

移行後、早速Googleサーチコンソールで再検証を依頼しました。
結果は以下の通りでした:

  • PC版:LCPの問題が完全に改善(おそらく2秒以下を達成)
  • モバイル版:まだ改善の余地あり

PC版では目標を達成できましたが、モバイル版では依然として課題が残る結果となりました。

残る課題:画像最適化の現実的な判断

サーバー移行だけでは完全には解決できなかった理由の一つが画像の問題でした。

画像がLCPに与える影響

LCP(Largest Contentful Paint)の問題において、画像の重さは大きな要因となります。
これまで当サイトでは通常のJPEG形式の画像を使用していましたが、ファイルサイズが大きく、読み込み時間に影響していることが判明しました。

現実的な妥協点

理想的には、すべての画像をより軽量な形式(WebPなど)に変換したり、圧縮率を上げてファイルサイズを削減するべきでしょう。

しかし、20年間蓄積してきた画像の総数は数万枚を超えており、すべてを手動で変換することは現実的ではありません。
時間的コストと効果を天秤にかけた結果、全画像の変換作業は見送ることにしました。

作業コストと投資対効果

今回のLCP改善作業における実際のコストについても記録しておきます。

費用面

  • サーバー移行費用:無料(さくらサーバーの既存サービス範囲内)
  • プラグイン費用:無料(WP Fastest Cacheの無料版を使用)
  • 総費用:0円

時間コスト

  • 移行要件調査・準備:約4時間
  • 実際の移行作業:約2時間
  • プラグイン設定・最適化:約2時間
  • 総作業時間:8時間未満

費用をかけずに一定の効果を得られたという点では、コストパフォーマンスは良好だったと言えます。
ただし、時間的なコストは相応にかかることは覚悟しておく必要があります。

継続中の対策:プラグインによる最適化

画像の全面的な変換を見送った代わりに、WordPressプラグインを活用した最適化に取り組んでいます。

キャッシュプラグインの導入

サイト速度改善の定番であるキャッシュプラグインとして「WP Fastest Cache」を導入しました。
ただし、このプラグインは設定項目が非常に多く、最適化の設定作業がかなりめんどくさかった印象です。

各設定項目の意味を理解し、サイトの構成に合わせて適切な設定を行う必要があり、想像以上に時間がかかりました。
設定完了後の効果については、正確な数値での比較はできていませんが、体感的には若干の改善が感じられる程度です。

その他の最適化施策

キャッシュプラグイン以外にも、以下のような施策を実施・検討しています:

  • 新規画像の最適化:今後作成する画像については1200px×900px以下のサイズに統一し、プログレッシブJPEGフォーマットで保存するよう運用を変更
  • 画像遅延読み込み(Lazy Loading)の実装
  • 不要なプラグインの整理
  • CSS・JavaScriptの最適化
  • CDNの活用検討

新規画像の最適化により、今後のコンテンツについては段階的な改善が期待できると考えています。

まとめ:長期運営サイトのSEO改善で学んだこと

今回のLCP改善作業を通じて、長期運営サイト特有の課題と現実的な対応方法について多くのことを学びました。

理想と現実のバランス

SEO改善においては、理論的に最適な方法と現実的に実行可能な方法のバランスが重要です。
すべてを完璧にしようとすると時間とコストが膨大になるため、効果的な部分から優先的に取り組むことが大切です。

段階的なアプローチの重要性

20年分の技術的負債を一度に解決するのは困難です。
今回のサーバー移行のように、一つずつ確実に改善していく段階的なアプローチが現実的な解決策となります。

AIツールの活用価値

技術的な知識が不足している部分でも、AIツールを活用することで自力での問題解決が可能になりました。
特に、長期運営サイトのような複雑な環境では、AIのサポートが大きな力になります。

継続的な改善の必要性

今回の対策でPC版のLCP問題は解決しましたが、モバイル版にはまだ課題が残っています。
SEO改善は一度で完了するものではなく、継続的な取り組みが必要であることを改めて実感しました。

現在も引き続きモバイル版のLCP改善に取り組んでおり、その結果についてもまた記事で共有していきたいと思います。

なお、今回はサイト速度の改善に特化した内容でしたが、SEO対策として取り組んだその他の施策については、また別の記事でまとめる予定です。

長期運営サイトをお持ちの方で同様の問題に直面している方の参考になれば幸いです。

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