ガイアの夜明け 感想

『誰が、いつ、どこで、どのように?~食品追跡が価値を生む~』【今日の「ガイアの夜明け」感想】

今日のガイアを3行で

  • 食品のトレーサビリティについて
  • 熊本県アサリの産地偽装からの汚名返上を目指して県の方が頑張ってました
  • QRコードを使ったトレーサビリティがあちこちで使われていました

※この記事はガイアの夜明けを見ながら自分のメモ書き的な感じで書いている記事です。放送内容を引用してます

トレーサビリティの重要さ

東京日比谷にある貝の専門店
知る人ぞ知る店らしく、大ぶりのアサリが使われていました。
鰹だしの代わりに全部の料理に貝の出汁を使うそうです。
アサリ4kgからとる拘りの出汁。

料理を決めるのは国産のアサリです。
しかしあの問題が影響してました。

偽装問題があってから熊本産が来なくなった

熊本アサリの産地偽装問題
汚名返上に向けて前代未聞プロジェクトが始まりました。

密漁やブランド偽装、種苗流出
食品不正をどう防いで本物の魅力をどう伝えるか。
革命とも思える対策が取られようとしていました。

その辺を追ったのが今日のガイアです

熊本アサリの産地偽装問題

熊本県有明海
水産業界を揺るがす事件が起きました。

農水省の発表

熊本県産のアサリの殆どに外国産アサリが混入している可能性が高いと判定された

2月農水省が検査したところDNA分析で熊本県アサリの97%が外国産の可能性があると発表したのです。

海岸に横付けされたトラックに積み込まれていたのは中国産アサリ
そのアサリを干潟へ運ぶ作業が…。

畜養

貝類を短期間一定の場所に保存することをしていました。
畜養自体は違法ではない作業です。

長いところルール

水産物などの生育期間が一番長いところを原産地として表示するルール。
これを利用して熊本産と表記してきたのですが…

一部の関係者は畜養が短い、畜養していないアサリも熊本県産として出荷

県は2ヶ月間アサリの出荷停止処分をしました。
農水省も畜養期間1年半未満は国産アサリと認めないとしました。

産地偽装の影響は?

横浜の卸業者
漁協から仕入れたアサリを砂抜きしてむき身にしたりしてスーパーなどに販売してます。

アサリの産地偽装の問題の影響は?

かなりあった。出荷数量が1/3になった
同業者で廃業したところもある。厳しい

産地偽装のせいで潰れた会社のあるのですからねぇ…
罪が重いです。

既にアサリ自体が違う産地じゃ?とか本当に大丈夫?なんて目で見られてしまう自体に。
そんな疑問を持つ人は買いません。
買い控えも起こっているようでそれが続いてるとのこと。

横浜の卸業者が扱っている国産アサリは

味がしっかりしている愛知県産

やたらでかいハマグリみたいな北海道産

だそうです。
熊本産も再び多くの人に届けたいとは思っていました。

安全とか安心が付いた上で消費者に選んで貰う
そういう部分を大事にしていきたい。アサリに罪はない

そうなんですよね。アサリに罪はなくて人が全て悪いだけです。

全国を揺るがせた産地偽装問題
失った信頼をどうやって取り戻すかという戦いを追いました

熊本県庁の戦い

熊本市
熊本県庁
産地偽装問題の解消を目指して特命チームを起ち上げます。

トップは水産行政が長い那須さん53歳
スタッフは様々な部署から緊急招集されていました。

産地偽装を防ぐためにどんな手を打つのか

アサリの流通に於いてどこに混入の恐れがあるかを洗い出します
加工場で小分けにされたり、小売店でも分けられたり。
混入する可能性はあちこちに。
抑止が出来ないかを色々考えていました。

トレーサビリティ

流通の見える化は必須です。

漁業者⇒県漁連⇒落札業者⇒加工場⇒小売業

こんな流れですが。
加工場、販売店を中心に確認するようです。

加工場は認定工場。
販売は販売協力店を作りそこだけとして混入を抑止します。

4月関係者全員会議

漁場、認定工場、販売協力店の3箇所で監視をしなければならない。原則全部行く。行かない日は無い

とんでもないことを言い出しました。
アサリを捕るところから店頭に並ぶまで人海戦術で監視するというのです

それもずっと張り付いてなければなりません。

7つの漁場、3つの認定工場93の販売協力店に監視員を動員するようです。

県北部の荒尾海岸

天然のアサリだけを捕ってきた西川さんがいました。

本当にいるときはこんなもんじゃない。これに山盛りだったと籠を見て寂しそうに。

天然アサリの減少

ここに産地偽装の根があります。

有明海のアサリ

昭和50年代全国一の漁獲量
地球温暖化やエイの食害の影響で激減しました。
今や天然アサリが取れるのは限られた場所のみです。

そんな天然あさりの漁師さんも偽装問題は嘆いてました。

4月14日に天然アサリ漁が始まりました。
漁は3年ぶりだそうです。
資源確保のためにアサリ獲るのを辞めていたためです。

そこには監視する県職員の姿もありました。
バケツからこぼれる程のアサリ
12kgのネットが一杯
袋の数をチェックしていました。

この日想定以上の40袋480kgを収穫。

山口県に熊本のアサリを扱う加工場がありました。

ここにも熊本のプロジェクトチームがいます。
アサリが届く前に加工場の中を見て回ります。
それだけではなく夜になっても職員が張り付いていました。

キツイ仕事だ…。
アサリが届くまで見届けるとのこと。
3日間張り付いて監視作業です。

熊本からトラックが到着
プロジェクトチームの車も同行しているという念の入れよう。
輸送中に中国産が混ざるリスクがないかをチェックしてました。

アサリは加工業者の砂抜き水槽へ
アサリが移動する度に時間などの確認作業も。

現場では…

熊本入札アサリの砂抜き場所のすぐ隣に大量のアサリ
中国産でした。

中国産アサリが至るところで混入する機会があることとを目の当たりにしたのでした。

翌朝選別作業

工場の人たちが割れた貝を取り除いていました。
ここにも立ち会います

袋詰めは1袋1kgで詰めて行きます。
赤ネット黄色の結束バンド。
漁連の認証シールをつけて行きます。

店まで開けられないようになっていました。

加工業者の方は

こういうモデルをやるからには徹底する
私たちも協力する。流石熊本という品物を届けるために最大限の努力をする

と協力してくれていました。

販売店でも監視作業が行われます。
熊本の市内スーパー
封印したアサリが届いていました。

それを確認して開封して小分けする作業も厳しくチェック。
パックには熊本産を証明するくまモンシールが。
待ちに待った2ヶ月ぶりの販売再開

新たにいつどこで取れたのかを示す産地証明書の発行も義務づけられました、。

お客様も安心だと購入していきました。
効果有りです。

しかし新たな壁が立ちはだかりました

6月8日熊本県庁
担当者が議論を重ねています。

販売協力店が増えていて全部監視するのは無理だと。
そりゃそうでしょうねぇ。
アサリを販売する店舗が増える中人海戦術では限界がきていました。
現場に出向いた監視体制をどう続けるか…

そこで自動車部品メーカーデンソーと組んで新システムを試験導入することを発表しました。

デンソーといえば、QRコードですからねぇ。
QRコード使った何かだろうなとは思いましたが。

6月11日川口漁協
大量のアサリがありました。
伝票に張られたQRコード
出荷するアサリを登録してました。

こうしてデータベースに登録することで漁業者、加工場、流通業者、販売店の流れを監視します。
そして産地証明書が発行されます。

熊本地方卸売市場に砂抜きしたアサリが来ます。
そこから仲卸に振り分けられます。
熊本市郊外のスーパーに流れて行き市場から仕入れたアサリを小分け。
それを店頭に並べたときQRを掲示します。

スマホで読み取れば産地証明書が発行される仕組み。

それで監視になるかはよく分かりませんが。
普通のトレーサビリティになっただけですね。

客もそれなりに納得して購入してるようですが。
QRコード自体に客が気づかない場所も。
QRコード見てまで買おうとは思わないとか言う声も。

こうした流れがあるとある心配が出て来てました。

熊本市大海水産
獲って1週間とか10日くらい行ったヒラメがいます。
いけすにいるので生きてますが。

消費者は獲れたらすぐに並ぶと思っているがそうでは無いようで。
いけすにいる状態というのもある訳です。

そこをどう消費者に伝えて納得して貰うか。

消費者は、その日とか前の日とかに獲っていると思ってます

正確な流れが可視化される事で買わないことにも繋がりかねないというジレンマでした。

6月17日ゆめタウン広島
大型ショッピングセンターに並ぶのは熊本アサリ

産地偽装問題から4ヶ月
九州をこえて本州での販売も始まりました。

県外の消費者に熊本の思いは伝わっていたようです。

熊本県庁の那須さんも

こうやって売って頂くのは感謝しかない
ようやくここまで来た。やっと始まった

来春には熊本アサリを東京にも発送したいと考えているようです。
信頼を取り戻す戦いはきます

密漁問題

水産業界の問題の一つして近年拡大しているのが密漁です。

2020年検挙件数

1426件

被害額は数十億円

密漁が横行する理由

合法的に獲られた物かを証明する方法がない

密漁は高級品が中心です。
「アワビ、ナマコ、シラスウナギ」など

罰金を3000万にしているが、悪行は後を絶ちません。

青森陸奥湾でも発生しています。
ここでは主にナマコです。

800kg密漁 被害額320万円
今年5月300kg密漁した容疑で暴力団関係者を逮捕
密漁ナマコと潜水道具を押収

など。

地元の漁業関係者は

大事な資源を根こそぎ持って行く本当に悪質

怒り心頭
1000~2000万円分獲られたという話も。

盗る人を罰するのは当たり前
買う人も強く法的に罰して欲しい

確かにそうですよねぇ…買う方も罰しないと無くなりません。

密漁不正流通に対し水産流通適正化法もできました。
適切に獲った物か流通したのかを確かめる為届出が必要になりました。
取引記録を作成し保存することも必要です。

これにより透明化に期待していました。

不正との戦いは世界規模

日本酒の偽装への対策

福井県鯖江市
加藤吉平商店
日本酒の銘柄を発売しています。
11代目当主は加藤さん。

梵は14300円で売られています。
フルーツのような香りと透き通った味わいだそうで。
世界105の国と地域へ輸出
ライスワインとして人気があるようです。

海外の名だたるコンクールで数々の金賞を受賞

それ故に悩みも
空瓶が6000円以上で取引されています。

本物の空瓶の中に違う酒を入れて出される

アメリカなどで偽物が出回っているそうです。

偽物が出るくらい有名になった

とは言ってましたが困っていました。
防ぎようがないと。

困り果てた加藤さんが頼ったのがSBIトレーサビリティの輪島さん

輪島さんが用意したのは、チップが埋め込まれたタグ

不正流通が防げる改ざんできない技術でした。

スマホがあればチップをタップすることで新品の酒であること
未開封であることが表示されます。
封を開けて切れた状態のタグをタップすると開封済みとなる
開封済みになると未開封に戻らない仕組み
そして元に戻すことが出来ない仕組みになっている
画期的な方法でした。

タグで開封を管理するという。
このタグが開けられていたら偽物ですよということですね。

近い将来は経路の温度管理やどこを通ってどのように客の口元まで行ったのかが解る様になるかもしれないそうで。
安心して客に提案できるようになりそうです。

種苗流出

日本酒とはまた違い問題を抱える輸出品

いちご

韓国スーパーで売られている苺は

種苗流出により日本の品種を元に無断開発した
もの。
盗まれた物です。

とちおとめやレッドパールという品種が流出。
勝手に栽培されてそれがアジア各国に輸出されていました。
今や輸出額は日本の倍になります。
盗人猛々しいとはまさにこのこと。

韓国のイチゴ輸出額58億
日本は25億円

日本の苦労が報われない

盗人が儲かってますからねぇ。

中国雲南省のシャインマスカットは日本から2016年に流出

シャインマスカットは育てやすい上に人気があり利益が大きいそうです。
パッケージは日本語で書かれていたりと流石盗人です。

日本の物は18000円で売られてますが中国産8000円。

中国の生産者

日本の良い品種をどんどん紹介して欲しい
俺たちがどんどん育てるから

なんて宣ってました。
最悪ですね…。

こうした事態に立ち向かうには…
SBIトレーサビリティの輪島さんが動いてました。

栃木県の苺農家では画期的な品種が育っていました。

育てていたのは栃木県が2年前から作った
ミルキーベリー

白い苺はあったが強い香りと独特の味が特長。
キウイみたいな味にもなるそうです。
気温差で強い香りを出すそうです。
それも技術の一つ。
普通には育てられないということですね。

生産者の方はこのまま世界へ持っていきたいと考えていました。

輪島さんはどうやってこの苺を世界に売り込むのか。

シンガポーパルの百貨店に新品種が初めて並んだそうです。
パッケージにはQRコードが張られていて。

読み込むとイチゴの情報が全て分かりました。

味の特徴、他の苺と以下に違うか。
栃木から輸出されている事、洗わないでも食べられる安全性の高さ
生産者まで紹介されていた
1パック7500円のミルキーベリーが即日完売したそうです。
イチゴに7500円…。

イチゴ流通見えるかの反応は?

シンガポールのイチゴは洗って食べるのが常識だった
そういうマーケット環境の中に洗わないで食べられる非常に新鮮な苺だと消費者が喜んだ

大好評だったようです。

タカスイ水産の取り組み

鹿児島枕崎港から出航した船がありました。
水産会社タカスイの船でした。
凄腕漁師高須さん。

門外不出の操業日誌がありました。

操業時間、操業海域、海水温、魚種、漁獲高などが細かくメモされていました。
魚が獲れる場所を見つけるのは経験とカンが頼り。
他の世代にいかに引き継ぐかが課題でした。

そこで使い始めたのがトリトンの矛というアプリでした。
高須さんの20年分の創業日誌をデータ化。
高須さんの記録を元にAIが魚が獲れる漁場を予測するそうです。

佐世保市にトリトンの矛を開発した会社がありました
オーシャンソリューションテクノロジー

そこの水上社長が開発したアプリです。
漁場を予測するのに使っているのが
人工衛星による海水温や潮流の解析データ。
高須さんの操業データを合わせることでポイント絞り混みが出来るように。
これらの情報を合わせてAIに学習させて漁業者に取って有益な漁場を予測して提供します。

水上さんは獲った魚のトレーサビリティ、魚の流通の見えるかも計画してました。

協力を依頼したのが高須さん
魚の取れた時間や場所などを記録しリアルタイムで送信します。

水上さん

消費者が欲しい情報はなにか
まずは産地照明に近い情報を提供して
付加価値の情報として漁獲されたポイントもつける

早速魚が獲れる所からの追跡が始まります。
ターゲットは鰺
巻き網船団がアプリが示す目指す漁場へ。
魚群探知機が真っ赤でした。

早速網を下ろして一網打尽に。
ボタンを押して操業の時間などが記録します。
水上さんも会社から船団をGPSで追跡

2時59分スタート

眠そうだったのはそういう理由でしたか。
AIが予測した範囲で操業が開始できた
海面にライトを照らし鰺の群れを集める
ソナーに移った魚の群れ
大漁でした

アプリ予想海域で鰺の群れを捉えられたのです。
その様子をスマホで撮影
魚が獲れた量なども入力。

串木野港に戻ってきました。

そして一旦いけすに入れていました。
そこがタカスイの拘り
港に戻りいけすに放流された鰺
それが出荷されたのは3日後

獲ってすぐではなく何故時間を?

獲ってすぐだとストレスが掛かっている
しばらくおいてストレスを無くす
数日餌をあたえず泳がせることで味が良くなる

色々考えられているようでした。

鹿児島から4時間かけて輸送されたのは福岡県
海鮮居酒屋こんぴらまる
タカスイが経営してるそうです。

鰺目当てに来店した客もいました。

調理開始
料理できたのを確認して店員がQR発行
スマホで読み込めばどうやってここまで来たのか知り得ない情報の数々

水揚げの様子も分かります
美味しくするためいけすに3日入れられた事も書かれてました

お客様にも好評でした。
解って食べると更に美味しく感じるようです。

アプリを開発した水上さん

客に付加価値として届ける消費者に何を届けるかが見えてきたのでしっかり取り組みたい

と語っていました。

まとめ

この後継が食の新たな常識になるかもしれませんとまとめられてました。
バックストーリーが解ればその分美味しくなるというのは解ります。
ITが当たり前になりこういうことが出来る時代になったんだなぁとも。

何でも解るのが本当に幸せかは解りませんが…。

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