がっちりマンデー『地方バラバラジャンル王』
早朝に起きれたら「がっちりマンデー」という番組を見ています。日曜朝の7:30からTBS系でやっている経済系の番組です。
今週は、月刊食堂プレゼンツ 地方バラバラジャンル王でした。
全国の3000店以上の飲食店を歩いた月刊食堂の通山編集長シリーズは結構人気らしくて。
面白い飲食店が沢山出てくるから好きです。
今回は、東京や大阪ではなく中くらいの都市で1つの会社がバラバラのジャンルのお店を同じエリアで展開。
大ヒットしているという実態を紹介してくれました。
ゲストは、はるな愛で、三軒茶屋に3店舗。
お好み焼き、イタリアンバル、カラオケ、鉄板焼き、ショーパブを展開していたりする実業家ですね。
ドミナント戦略
ABCマートなど狭い地域に1種類の店を沢山出店してお客を集める
というのは確立されていますが、業態がバラバラというドミナント戦略より一歩先を行くのが若干ブームのようです。
まるまさ:兵庫県姫路市
兵庫県姫路市にエイトリンクという会社があります。20時姫路の駅前のシャッターが閉まる商店街にめちゃくちゃ人がいる店舗がありました。
焼き鳥「まるまさ家」
このまるまさ家を展開するエイトリンクという会社は、焼き鳥、イタリアン・天ぷら・肉バルなど4業態6店舗を姫路駅前半径300mの中に持っているバラバラジャンル王です。
そのどこも満員御礼です。
中くらい地方都市、姫路に合わせた作戦がありました。
「姫路の人口は54万人。東京や大阪のようにパクチーだったりとか食材特化しても姫路では分母が小さいので成り立たない。最先端過ぎる飲食店は当たらない」
ということで、飲食の4台ジャンル
「焼き鳥、イタリアン、肉、天ぷら」に絞ったそうです。
更にそれを姫路向けにアレンジしています。
イタリアンは、おじさまが入りやすいように居酒屋テイスト
看板は提灯 スパークリングはジョ期で提供
天ぷらは、高級イメージがあるので、小さなテーブルと丸いすで大衆的雰囲気
などなど、飲んでるおっちゃんに話を聞くと
「姫路で一番!そらあもう「りずーなぶる」」とほろ酔いで語ってくれました。
と言うリーズナブルな部分。
肉屋名物は「肉焼き盛り」
牛もも肉、ロース、たんを150gずつ1つの鉄板に載せた料理で、3240円です。
これ商品原価率脅威の78%。ほぼ赤字商品です。
ただ緻密な計算がありました。
「客に沢山来て貰いたいので、目玉の高原価の商品を置いてます。それだけを食べられると困るので、高原価の商品をほどほどボリュームに。データ上肉焼き盛りは3名に1つの割合で頼まれる。男性客3人だと150gは物足りないのでサイドメニューを頼んでくれる」
サイドメニューは原価率が控えめ。
3人組の平均オーダーは、メイン1皿、サイド6皿+お酒7杯で合計9000円ぐらい
原価率78%だったが、48%に下がり20%の利益が出るように
こういう戦略の積み重ねで6店舗で年商見込み3億5000万円だそうです。
ただこれは東京で真似するには怖いとはるな愛
原価率78%だと赤字になりすぎる恐れがあるそうで。
地方都市だから出来るようです。
おかさと:茨城県古河市
茨城県の古河市にある丘里。店のスタイルが独特で古河市でひとり勝ちしている企業です。古河市は栃木埼玉の県境に近い工業団地がある都市です。
丘里の店舗は100台は止められる駐車場がある大きな店舗です。
お店の中は大小個室が通路の両脇にありどの部屋にも客がいるという状態。
茨城県の古河市にとんかつ、すしなど7店舗5業態のジャンルの和食を展開している和食のバラバラチェーンです。
売り上げは7店舗で年間9億円となります。
ただどこも駅から徒歩20分以上という交通の便が悪い場所です。
どうやって9億円稼ぎ出す?
古河市ならではの狙い目…宴会
古河市は工場が多い街です。
山崎製パン、セキスイハイムなどが工業団地に林立。
工場で働く人が会社の宴会を丘里で開催してくれるという訳です。
丘里は大人数まかなえるのがポイント。
「一般の食事の客だと客単価2000円。宴会だと5000~6000円になる」
宴会でガッチリでした。
何故丘里で宴会?
→送迎がある
→時間が限られているが時間内に全部料理を出し終える
丘里は、送迎サービスを徹底している
6台のマイクロバスで会社にお迎え。
帰りは駅まで送ります。
周辺エリアからの通勤客が多いそうで。
時間通りに終わり、次の日の仕事に影響しないのが暗黙のルール
それを鑑み、遅くならないうちに時間通りに終了させてくれます。
時間内に宴会を終わらせる戦術
1番のポイント乾杯
乾杯が遅れるとその後全ての段取りが遅れます。
乾杯用の1杯目はビールかウーロン茶を無料サービスでテーブルに配置しておきます。
1杯目のドリンク注文の時間を短縮します。全体の段取りが10分短縮されるそうです。
送迎バス車内にも戦略
帰りのお客様の声というのは酒が入るので本音も聞けます
それに聞き耳立てているのが社長
送迎バスのドライバーやってました。
週に2回やって、お客様の声をメニューなどに反映させ常にお店を改善しているそうです。
量が多すぎるという声で釜飯の量を1.5合から0.8合したり。
畳敷きの部屋にもテーブル席を作ったり。
隠れて丘里グループの改善を図っていました。
更に、多くの店舗があるので、予約が事前に来たとき他の系列店に回せるという技も。
今後も唐揚げ専門店やカフェなどを展開するそうです。
バリ系(チームバリスタ):宇都宮市
宇都宮駅に通山編集長が来て「宇都宮で地元民からバリ系と呼ばれて凄く儲かっている」という店舗を紹介してくれました。「鹿芭莉(シカバリ)」
炉端焼きの店…確かに満席です。
チームバリスタは「炉端焼き、カフェ、焼き鳥、ラーメン、エスニック居酒屋、イタリアン」など6店舗6業態を展開しています。
バリサイカフェ、ヒバリ、ばりちょう、サルバリ、バリトン…と、【バリ】+【動物の名前】という命名規則があるようです。
東武宇都宮駅の周りに6店舗展開していまして、年間売り上げは4億5000万円だそうです。
宇都宮バリ系の儲かりポイント1:共通ポリシー
2枚看板戦略
看板メニューが2つあります。人口52万人の宇都宮市。東京まで新幹線で50分です。
近いような、遠いような距離。
それもあるのか宇都宮は新しい物好きと保守的が半々だそうです。
その両方の客に受けるように、看板メニューは2つ用意するそうです。
バリサイカフェ
新しもの好き
・そば粉生地の厚切りベーコンとマッシュルームのガレット
保守的向け
・フロマージュパンケーキ
炉端焼き
新しもの好き
・牛バラとフォアグラのロッシーニ、あそび串という前衛的なメニュー
保守層
・鹿児島産の鰹をわらで炙った本格的な鰹のたたき
「新しい商品ばかりやると、保守層が来ない。保守層に焦点を当てると新しもの好きが来なくなる。両方にしっかりアピール出来ている」と編集長も太鼓判
宇都宮バリ系の儲かりポイント2:お店の設計
外から店内の雰囲気が解る設計となっています。
今風のデザインで間口全体から店内丸見えとなっています。
保守的で引っ込み思案が多い宇都宮の人も入りやすいです。
勢いそのままに宇都宮に更に3店舗バリ系飲食店をと考えているようです。
最先端も保守層も抑えるという戦略があたっているようです。
森永卓郎さんのオススメ:三宝グループ:新潟
新潟にある三宝グループ。40店舗ぐらいあるそうで。最初は中華料理の店から始まったそうですが、イタリアンなどもやっています。
新潟の特徴として「座敷席」が重要だそうです。
新潟の人は、人間関係が近く爺さん婆さんとみんなで座敷に上がるそうでして、無いと人が来ないそうです。