がっちりマンデー『三越伊勢丹ホールディングス』
早朝に起きれたら「がっちりマンデー」という番組を見ています。日曜朝の7:30からTBS系でやっている経済系の番組です。
「ガイアの夜明けの感想」記事も書いているので、こちらも書いていこうと思います。
今週は、三越伊勢丹ホールディングス(新宿本店)の特集です。
三越伊勢丹ホールディングスの大西社長を招いて新宿本店の話を中心に展開していました。
年間2億人が来る三越伊勢丹ホールディングス
年間2億人売り上げが…1兆4000億円だったか。それくらいの三越伊勢丹ホールディングス。日本一のデパートです。何か欲しいときに行けばあると言うくらいの百貨店です。
その社長さんは、大西さん。
1979年伊勢丹に入社し紳士服の販売員、バイヤーなどを務め2012年社長に就任したたたき上げです。
たまたま社長になっただなんて謙遜されていましたが。
かなり好感の持てるお洒落な社長でした。
伊勢丹新宿本店の儲かり戦略
伊勢丹新宿本店は年間来客差数2500万人以上三越伊勢丹ホールディングスの中でもリーダー的な存在のお店となります。
1平方メートルあたりの売り上げは、400万円と日本のデパートの中でもトップです。
客に聴いた。他の百貨店との違いは?
「見やすい。ぱっと開いているのでゆっくり見られる」
「店のディスプレイがお洒落。来ると楽しい」
と、綺麗で見やすいワクワクしちゃう陳列がポイントのようです。
MDP(マーチャンダイズプレゼンテーション)
MDP担当の社員という方がいらっしゃいます。MDPとは、商品を見やすく買いやすくプレゼンテーションするというお仕事だそうです。
要するに展示のお目付役
陳列は店が行いますが、その陳列を26人のMDPが見回り見やすくなるように手直しするストアクリニックをやっています。
地下食品街のストアクリニックの様子に密着していました。
ギフト用商品の棚に目を向け、ぎっしり商品が詰まっている事に注目
「余白がないから商品に目が行かない」と指摘していました。
中央を高くしてトライアングルを作るディスプレイを指導していました。
三角形に纏めて余白を作るのは長い歴史の中でもずっと言われているルールだそうです。
ケーキ売り場にも伊勢丹独自のルールがあります
赤がハッキリしたがいるので、赤をあえて分散させて展開している
赤いケーキは分散させる
これは面白いなぁと思いました。
更に見回りをしているところとある物を目にとめます。
各お店には目玉商品展示用の柱があります。
そこに陳列している商品が、すぐ側に置いていないことに注目。
目玉商品展示用の柱の側に目玉商品を置きましょうと指導したところ、足を止める人が劇的に増えてお店の売り上げが42%アップしたというのですから流石です。
他にも色の並べ方は「暖色から寒色」
ハンガーのルールとして120cm幅のパイプにはスーツは18着。シャツなら24枚。
全ての色、サイズをしっかり並べるというルールがあるそうです。
フロアアテンダント
三越伊勢丹新宿本店にはフロアアテンダントがいます。どの売り場の担当という訳では無く、フロアをまたいで縦軸で案内し買い物をお手伝いする担当
1人のお客様にしっかりと付き添い、客に合わせて色々な店を案内する係です。
食品から衣料、ペット商品まで全てカバーします。
お得意様であれば、サイズや好みなども把握しているそうです。
毎月1回買い物に来る奥様は、Tシャツの好みから、ペットの情報まで全て把握して貰っているようで。
好きなバナナまで言ってもないのにキープしてくれているという対応を見せてくれました。
3本2160円のバナナなんてあるんですね。バナナ3本にその値段とか頭おかしいとしか思えませんが…
庶民には解りません。
放送で密着していた奥さんは15万円のお買い物をしていました。
ラフなTシャツでセレブには見えなかったんですが金持ちだったようです。
そういう人こそなのかな…
因みにフロアアテンダントのサービス料は無料です。
予約すれば誰でも出来るそうで、いくら以上買わなければならないはないというのもないそうですが、そんなこと言うと冷やかしが増えるから辞めた方が良いと思いますけどね。
そんなフロアアテンダントさんの、1人の年間売り上げは1億円。
恐ろしい…
陰で支える接客のスペシャリスト
新宿本店の電話交換室。1日にかかってくる電話は4000本です。
その中でこの道20年電話交換のスペシャリストの原田さんに注目していました。
売り場への用事、催し物、営業時間、どんな物を探しているかなどなど全てを案内してくれます。
そこに原田さんへ電話が「廬山」というキーワードですぐにキーボードを叩き内線を繋ぎます。
お客様が廬山というお寿司屋さんに予約をしたいという電話だったようです。
この「すぐに内線を繋ぐ」というのがすさまじいそうでして。
伊勢丹新宿本店にある内線1000軒を暗記しているそうです。
何も見てないでさくっと繋げます。内線あてクイズも全て正解でした。
それも内線だけではありません。
他の電話交換手からSOSが…「お人形みたいなケーキはどこで売っているかという質問が解らない」
即座に「ロリオリ365+内線番号」を応えてました。
週に1回は伊勢丹新宿本店を回り情報をインプット
どの売り場にどんな商品があるかを把握しているそうです。恐ろしい。
もう一つ大切な仕事として館内アナウンスがあります。47名中4名だけしか出来ないお仕事。
独特な「ゆっくり間が長ーい」語り口調。
これは大事な意味がありました
「お話と同じスピードだと紛れてしまうので、ゆっくり語りかけることで気づいていただきやすい」
なるほどといった感じでした。あの独特のテンポはそういう意味が。
何でも応えられるようにしている
「近くの美味しいラーメン店は?」
なんて質問にもプロの原田さんなら回答してくれるそうで。
「海外の客には一蘭、個人的なお勧めは、凪」なんて回答を。
店内のことをだけではなく食に関しては周辺まで広げるそうでして。
社長が仰っていたのは。
「百貨店はパブリックスペースなので、地元のことは案内しなければならない」
ここまで気を配れるからデパートのクオリティが保たれている訳ですね。
流行の発信基地
お客様に聴くと下記のような言葉が。「歩いているだけで今の流行が解る」
洒落てて良い物に出会えるというのが伊勢丹新宿本店の強みです。
若者から年配まで絶大な信頼がありますが、今っぽさ洒落ているどうやって生み出しているのか?
流行の発信基地の戦略を見せてくれることになりました。
新宿本店から歩いて2分。
株式会社三越伊勢丹研究所
バイヤーのための情報を研究している所がありました。
三越伊勢丹ホールディングスでは、3週間のタームごとにテーマが変わっているそうです。
スタイリングテーマ
8月3日からは「インスタの女王」セルフィーとかインスタグラムが流行っているのでインスタグラム受けするファッションを提案しているそうです。
そんな感じで3週間ごとにチェンジするスタイリングテーマがあります。
流行やライフスタイルを分析して企画。1年以上先まで決まっているそうですl。
流行の予定表です。
7/11(制作時点)では、「和背負い(わっしょい)」
素材:天然素材
柄:江戸時代の小紋柄
メインカラー:チェスナットブラウン
というテーマに沿った陳列や商品開発が行われているようです。
PB(プライベートブランド)
さらに伊勢丹独自の商品もあります。キセットという子供服ブランドもそのひとつ。
近藤紡績所のアパレル事業部とタッグを組んで開発しています。
高級素材とハイセンスなデザインなのにお手頃価格で大人気だそうです。
伊勢丹のPBとしては紳士服だと、イセタンメンズ年間売り上げ4億円
ナンバートゥエンティワン:年間売り上げ9億円
などがあります。
工場と一緒にデザインを作り、製品まで作り上げることで、間にメーカー、問屋を介すことがなくなり、製造側も儲かり、売る方も儲かるというWin-Winの関係になっていました。
差益率は1.5倍と言うんですから工場としてもありがたい限りですね。
ただバイヤーが仕入れまでしかやらない訳じゃなくて物づくりまでやるとなると、そこのプロにもならなければなりません。
「赤ちゃんにより快適に。涼しさの機能面を入れたい。接触冷感の物が出来ないかなと」
「合成繊維、化学繊維を使わず糸から作っていただきたい」
と、商品の細かい仕様までしっかりと勉強しなければならないようで。
詳しい知識を仕入れるという努力をされていました。
デパートにPBは必要?
社長がこう回答しています
「利益、価値の高い物を提案するには、そこからやらないと出来ないからチャレンジしている」
自分たちが売りたい物を作る…ある意味究極ですね。
なかなか面白かったです。
伊勢丹新宿本店…行ってみたくなりました。