ガイアの夜明け 感想

『スクープ! ニッポン半導体復活の道』【今日の「ガイアの夜明け」感想】

今日のガイアを3行で

  • 日本政府の半導体政策とラピダスについて
  • 最先端半導体について重要な局面を迎えて日本が重要な立ち位置にいることが分かりました。
  • 役に立ってないと思っていた政府もしっかり動いてるんだなぁと思いました

※この記事はガイアの夜明けを見ながら自分のメモ書き的な感じで書いている記事です。放送内容を引用してます

半導体で重要な発表

先月重大な発表
日本の半導体をいかに復活させるか

そこで出来たのがラピダスです。
トヨタ、NTT、SONY、ソフトバンク、デンソー、NEC、キクオシア
そして三菱UFJが出資する会社です。
経産省が700億円補助します。

何故手を組んだ?

アメリカをどうするかという部分。
グローバルに勝負するためというのがあるようです。

ガイアは日米極秘交渉を独占取材
100日間密着したそうです。

半導体業界がこれから新しい世界に入る瞬間を見ていました。

スマホの中を見たことある?

iPhoneを分解すると沢山の半導体がありました。
5Gに対応したことで半導体の搭載数が増えているそうです。

通信用チップはアメリカ製
データ保存チップは日本製
メインの半導体の多くは台湾製です。

そう考えると台湾が重要ですよねぇ。

自動運転など将来の技術に欠かせない次世代半導体
その為開発競争が厳しくなっています。

半導体は何に使われている?

通信、インフラ、軍事、宇宙、生活、家庭…
電気を使う製品全てに半導体が入ってます

ウエハーという丸い板があります。
半導体基板などの材料となるものです。
1つのウエハーからチップが1000個取れます。
その中に数百億個のスイッチが集積してます。

半導体は回路の線幅が細いほど高性能です。

次世代半導体

回路の線幅が2ナノメートルという物の開発が、米国、台湾、韓国で進んでいます。

次世代半導体の使い道

例えば自動運転
センサーが周りの状況、モーターの回転数、道路の状態などを検出して高度な計算をします。
そこから経済的にエネルギー使わず目的地に安全に運転出来るかなどを計算してモーターの速度、ハンドルの切り方決めたりします。
それには高性能な計算能力をもつ次世代半導体が必要です。

日米首脳会談

5月23日米首脳会談
決まったことの1つに次世代半導体開発で日米のタスクフォースを作るがありました。

スマホの半導体の多くをTSMCに依存しています。
世界の先端半導体のシェア6割がTSMCという状態に。

その状況に暗い影がありました。

中国の
台湾に対し武力行使の放棄を約束しないという宣言

中国が台湾の半導体を力尽くで手に入れる可能性があります
日本とアメリカは共に半導体の確保に迫られていました。

ガイアは水面下で経産省への取材をしていました。

経産省商務情報政策局

半導体政策を所管する部署
5月の日米首脳会談を経て次世代半導体政策を手がけるチームが編成

リーダーが金指課長(48歳)

日本としては製造技術…次世代半導体の量産部分をやろうとしていました。
6日後に極秘の半導体交渉が控えていました。

どんな目的が?

日本の最先端半導体のビジネスが世界に戻ってくるという意志をアメリカの政府関係者、産業界としっかり共有することが1番の目的
今がラストチャンス

10月10日羽田空港
アメリカに出発する金指課長
アメリカがどこまで協力して開発してくれるか定かではないという不安がありました。

1980年代

日本は半導体の生産で独走していた
そこでアメリカが仕掛けたのは日米半導体協定
海外メーカーの半導体を20%輸入するよう要求されたのでした。
それまで50%あった世界シェアが10%まで落ち込んで没落しました。

半導体政策で失敗し没落したのでした。

ニューヨーク

アメリカの地を踏んだ金指課長とそのチーム
ホテルで着替える間も惜しんである場所へ
経産省チームと共に交渉に加わる主要メンバーがいました。
次世代半導体プロジェクト日米連携の象徴として進めて行く日本の半導体業界を支える実力者達。

ラピダス会長となる東さん73歳

以前から日本の半導体の領域の最先端部分が欠落していることに非常に危機感を持っている

東さん
半導体装置の東京エレクトロン前社長
売上高2兆円超に成長させました。
業界の重鎮です。

明日からの極秘交渉に向けた会議が夜遅くまで行われました。

交渉初日 10月11日 ニューヨーク

政府代表団が最初に向かったのは、IBM研究開発拠点
待っていたのはIBM幹部。わざわざ出迎えてくれました。

IBMは2ナノメートルの半導体開発に成功しています。
因みに日本は40ナノしか作れません。
世界から10年以上遅れているのです。

日本が巻き返すを諮るにはIBMの技術が不可欠ですが易々と提供してくれるのか?

実はこの交渉には重要な伏線があったそうで。
東さんを訪ねるとこんな経緯を教えてくれました。

2019年春頃に電話が掛かってきて。「実は話がある」と。
3年前にIBM幹部ジョン・ケリー氏から、最先端2ナノメートルの半導体を日本に製造委託できないか相談してきた
これはチャンスだなと言う気持ちは非常に強くて何とか実現したいなと。しめたという感じ。

その後東さんは経産省と協議をしてこの日を迎えた

IBMとの会議は2時間ほどで終わったようでした。
前向きな話が出来たとIBM幹部。
開発協力の具体的なスケジュールを議論したそうです。

IBM

日本に最先端技術の提供で大筋合意
東さん

2ナノは僕らはやっていなかった。技術的には学んでいくことが多い。良いチャレンジじゃないですか

次なる舞台…

10月12日ワシントン

日本にとってもう一つ正念場がありました。

経産省野原局長

歴史的に重要な1日だったと振り返る事が出来れば

歴史的に重要な日

交渉相手はアメリカ政府

バイデン政権は半導体は戦略物資と位置づけています
先端半導体は中国へ輸出規制するなど神経を尖らせている程。

日本はIBMから先端技術ゲットに目処をつけたがアメリカの承認が無いと先に進みません。
その交渉が行われます。

アメリカ商務省が舞台

東さんがまずやってきて。
NTT澤田会長やらNECの遠藤元会長、昭和電工マテリアルズ、キクオシアHDなどなどの代表が続々と。

そんな一行を待ち受けていたのはアメリカ商務省
ジーナ・レモンド長官

取材を元に再現

交渉の場に来たのはレモンド長官
商務省の半導体政策担当
NSC(国家安全保障会議)のスタッフも控えていたそうで。
半導体は経済と安全保障であるという布陣でした。

政府代表団はラピダスなど新しい半導体開発体制を説明して協力を求めました。

半導体については台湾依存という問題がある
日本は重要なパートナー。私は日本の新体制に強くコミットしていきます

レモンド長官は台湾依存から打開するため
日本を支援し補完的な連携を約束
「この件は萩生田さんにお願いしました」と語っていたそうです。

萩生田さんは元経産相で現自民党政調会長のこと。
今年5月は経産大臣だったのでレモンド長官と会談してたようです。
半導体協力基本原則に合意していました。

何をお願いされたのか?聴いてみた

半導体の件で強力していこうと。日本側もアメリカ側に民間も含めて投資をする。
アメリカも日本の企業や機関に対して人を派遣したり投資をする

レモンド長官は品の良い奥様だけどタフネゴシエーター
厳しい
譲る代わりにこっちを頂戴ねと非常に場を読みながら巧みに交渉をしてくる

日本は2022年度第二次補正予算で次世代半導体開発など1.3兆円投じます。

これは重要な投資ですからね。
もっと突っ込んでも良いぐらい。
日本の命運を握りますから。
どこぞの野党だと反対しそうですけど未来への必要な投資はしていかなければ将来がなくなりますから。
というのはさておき。

あのときに政府の頑張りが今の経済社会を作ったなと遠くなく皆さんに体感して貰えるので期待して貰いたい

と語っていました。
そうなることを願うばかり。

10月12日商務省

会談を終えた交渉団が出て来た

上々な結果だったようです。

凄く良かった
レモンド長官も力強いコミット日米連携が非常に需要だと
コンプリメンタリーという言葉が何度も出た

コンプリメンタリーというのは補完的という言葉。

アメリカ 半導体の設計・開発力
日本 素材製造装置

互いに補っていこうという物です。

NTT澤田会長にも聴いて見た

私の方からレモンド長官に話したのは将来の電力使用量がデータ社会で上がっていく
これを抑えるためには、電気から光への基本的な方式を変えていくべき
NTTは光を使った次世代通信技術IOWNの開発を進めている。
消費電力を1/100以下に収められる。
それには次世代半導体が欠かせないと。

長官は自分のスタッフを紹介するので意思疎通して進めて欲しい

商務省スタッフをNTTに派遣し次世代通信の共同開発を持ちかけてきたそうです。
技術が…というのもありますが。
先を見据えた駆け引きが活発化していました。

10月13日ワシントン

次の交渉に向けて出発準備
今後数兆円規模になる次世代半導体予算は税金

そこで直撃してました。
半導体制作はこれまで大失敗したじゃないかと。国の半導体政策が失敗して今があるんだろうと。経産省に任せて大丈夫なのか?

日の丸半導体で何度失敗したか
色々な選択肢がある中で我々も判断を誤ってきた。反省しなければならない
シェアが50%⇒10%になった
どっかに間違いがあった
日の丸に固執があった面もあるし。だからこそ今回はグローバルに開いて勝負していく道を選んでいる。
過去からの反省も今の判断には大きく影響している

かつて日本の半導体は世界を席巻した。
1999年日立NECなどが母体となるエルピーダメモリ作りました。
ここから大きくなるかと思ったら2012年潰れました。
大失敗をやらかしたのでした。
これが日の丸に固執した結果でした。

それはもう繰り返さないようです。

10月14日 西海岸San Francisco

お客さん周りみたいな物
シリコンバレーのGoogle本社や半導体大手のIntelを回り新しい半導体
アピールしてました。

こうしたアメリカ代表した大企業が何故話を聞くか?

企業の幹部が揃って出迎えるわけ
東さんはレジェンドと呼ばれていた

普段は優しい感じだがビジネスモードになったら全然違うそうで。
かなりのカリスマの様な人らしいです。
Intel幹部が個人的に写真を撮りに来るほど。

友達だから前からねと73歳の東さん
交渉のリーダーとして5日間の予定をこなしましたが…

去年心臓を患ってしまったようです。
それでもラピダスの精巧には並々ならぬ決意を胸に秘めています。

日本のこれからの世代の人が将来に対して夢を持つことを考えた場合連携とかコラボをいかにうまく進めるかが重要
日本人は弱肉強食に弱い
上手く連携できる道筋が出来れば一つの活路になる。
色々な事で実現したい

次世代半導体のこれから

次世代半導体のこれからは…

開発競争では無く、共生・共進化
専門家のかたの言葉

開発競争では無く、共生・共進化を目指す時代
性能が100万倍になる100億のスイッチが集積している。
1軒の家を建てる競争だったが街作りをするイメージ
1社だけで競争する時代ではなく連携を組んで友に生きていく
共に進化していくのが重要
半導体開発は大きな体制が必要
国がもう一度極めて重要なので総力を挙げて復興を目指そうという強い決意をした
正面から立ち向かうことが重要

台湾のTSMCはどうする?

台湾
ここに世界経済の動向を左右する巨大企業

TSMC本社

半導体世界トップ
ロジック半導体など先端半導体世界でシェア6割

売上高6兆6000億
純利益2兆4700億

台湾の新竹市に本社があります。
目と鼻の先海を挟んだ人民解放軍の空軍基地があり距離は250km
東京名古屋より近い距離でした。
札幌から釧路くらいです。

台湾有事の地政学リスクがあります。
それが日米で最先端半導体で連携する大きな理由です。

TSMCはメディアの個別取材は受けないですが、今回ガイアの単独取材に応じてくれました。

TSMCは1987年に創業

当時の電機メーカーは半導体の設計から製造販売まで一貫して手がけていました。
しかしTSMCは半導体設計せず生産特化

ファウンドリ(受託生産)

工場を持たない設計会社から生産を受託して収益などを伸ばしました

取材に応じたのは副社長クリフ・ホー氏

日本での新たな戦略について答えてくれました

我々の強さはビジネスモデル
受託生産に専念して顧客と競争しない
日本にも大切な客がいる。
我々はより近くでより良いサービスを提供しようと考えている

TSMC熊本工場は自動車やデジタル機器向けの半導体を生産します。

総投資額1兆2000億円
日本が4760億円が補助します。

日本でもう1,2箇所建設する?

今後の効果を見てのことですが次の計画は排除してない.
計画している

日本で新工場の建設を検討しているそうです。
今日本の人件費が安くなっていますしねぇ。
効果があればかなりの雇用が生まれるかも知れません。

ラピダスについて知っている?

知りません

ということで、知ってもらおうとニュースを見て貰おうとしたら…

知りません
あなたたちの目的はなんですか
私の知らないことを聴かないで下さい。良く無い
ワカリマセン

怒られました。
情報を押しつけて変な事をきくなと言われましたね。
良く無いですね押しつけは。

ラピダスがファウンダリーを始めると発表したがどう思うか?

国や企業がより多くの資源を半導体に投入し新たな研究開発を行うことをしていえkば、半導体業界はますます発展して行く
TSMCは期待している

将来ライバルになりかねないラピダスについて期待していると余裕を見せました。

ラピダスの舵を取る男 小池氏

ラピダスの舵を取る男は意外な場所に。
アメフトしてました。軽快な動きです。
御年70歳というのだからすごい。

それがラピダスの小池社長です。

現状維持でやろうと言う気はサラサラない。違う自分を見つけられる自信がある

次世代半導体の量産を目指します。

新会社の社名について

「急速な」をラテン語で言うとラピダス

急速なという意味でした。
小池氏は稲田大学大学院を修了後1978年日立製作所に入社。
大学院では半導体関連を学んでいたようです。
2000年半導体会社の設立に参画します。

トレセンティテクノロジーズ

以前ガイアが取材してました。

半導体受託生産専門
世界最速の生産ラインがありました。
受注から生産まで1/4まで短縮してました。

世界初の量産技術を確立

しかし海外企業から依頼伸び悩みます。
親会社の日立が独立を認めずグループ内取引を優先する愚策を行ったからでした。

トレセンティはIT不況にも陥り2005年ルネサスに吸収合併。
消えました。
それはずっと残っているようです。

新たにラピダスが出来た事はこういう経験があり
そういう所に原点があります。

過去の教訓から何を学びどんな戦略を描くのか

雪辱を果たそうとか小さな事では大きな絵は描けない
間違えていけないのは日の丸半導体
あまり好きな言葉ではない
何でも日本でやる考え方は残念ながら当たっていない
新しい世界に入っていく

11月15日羽田空港

そこに小池氏の姿がありました。ラピダス社長として大仕事。
日本の半導体が大きな一歩を踏み出す瞬間。

アメリカNYにラピダス小池社長が1人でやってきた目的
今回いよいよラピダスが発足して本格的に始動できることになったのでした。

IBMに来ました
IBM幹部がお出迎え

IBMと12月中に「2ナノ半導体」のライセンス契約へ

いよいよ量産へと動き出します。
かつての敗北を乗り越え日本の半導体は歩みを進める事になる

帰国した小池さん
今共に働いた半導体エンジニアに声をかけていた
仲間になってくれる人も来てくれた

最高級の半導体を世界でも一番強い性能にする

ラピダスの元に再び日本の英知が結集する

夢のある世界をちゃんと示すことが次の人に取って大事
山のように問題があるが出来ない事など無いという事で頑張りましょう

まとめ・感想

日本の半導体制作が転換点を迎えていて。
良い方向に進んでいるというのが分かりました。
日米がしっかりタッグを組んで進んでいるようです。
台湾という地政学リスクがありますし有事があればまた半導体が大変な事になることも考えられます。

そうであれば今回の話はとても重要ですし。
製造拠点が日本にも出来るというのも重要ですし。

そこがしっかり政府関係者が動いて形作られているというのをみる事が出来たのは良かったです。

裏で仕事してましたね。
こういう仕事なら大歓迎ですよ。
もっと実績を大々的に報道してくれたら良いのに。
マスコミは政府にケチつけるときしか声大きくしないですからね。

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