Cities: Skylines2(シティーズスカイライン2)

Cities: Skylines 2 実験レポート:貨物船による都市内輸送は有効か?渋滞対策の試行錯誤

はじめに:渋滞との終わりなき戦い

前回の記事で騒音問題と人口減少には一定の目処がついた我が街ですが、渋滞問題だけは依然として深刻な状況が続いています。
高速道路のバイパスを拡張し、JCTまで建設したにもかかわらず、渋滞はモグラたたき状態。
一箇所を改善すれば別の場所が詰まる、まさにいたちごっこです。

そんな中、ふと気づいたことがありました。
我が街には離れた場所に2つの産業区画があり、どちらにも貨物港が設置されています。
この港同士を航路で結べば、産業区画間のトラック輸送を削減できるのではないか?
新DLC「Bridges & Ports」で追加された貨物船の都市内輸送機能を、まだ試していなかったのです。

今回は、この海上物流と公共交通機関の拡充による渋滞対策の実験結果をお届けします。

実験:貨物船による都市内輸送は渋滞緩和に有効か?

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実験の仮説

北側と南側の産業区画を航路で結べば、産業区画間のトラック輸送が減少し、渋滞が緩和されるはず。
Cities: Skylines 2の貨物船は1隻で1,000トンもの荷物を運べるため、複数のトラックを代替できる可能性があります。

実験手順

今回は以下の手順で実験を進めました。

  1. 対策前の渋滞状況を交通ビューで確認
  2. 北側と南側の貨物港を航路ツールで接続
  3. 貨物船の就航と動作を確認
  4. しばらく時間を置いて様子を観察
  5. 対策後の状況を同じ視点で確認

実験結果:貨物船は機能したが…

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貨物船の動作確認
まず良いニュースから。
貨物船は予想通り正常に動作し、都市内の資源を運ぶ役割をしっかりと担ってくれました。
航路上を定期的に往復し、北の港と南の港の間で物資を輸送している様子が確認できます。
DLCの新機能としては、ちゃんと機能しているということですね。

しかし効果は限定的
ここからが問題なのですが、渋滞緩和への効果となると話は別でした。
そもそも産業区画間の輸送量がそこまで多くなかったようなのです。
確かに何台かのトラックは産業区画間を往来していましたが、渋滞を引き起こすほどの台数ではありませんでした。

対策前の状況を改めて観察してみると、渋滞の主犯格はトラックではなく自家用車だったことに気づきました。
渋滞している交差点や道路を見ると、基本的に自家用車が中心で、トラックはそこまで多くないのです。
トラックも混ざってはいますが、全体から見れば少数派でした。

体感としての効果
交通ビューで見比べても、正直なところ渋滞が減ったかどうかは全く分かりませんでした。
ただ、なんとなく…本当になんとなくですが、トラックは少し減った気がします。
気がする、というレベルですけどね。

実験の考察

貨物船による都市内輸送という発想自体は悪くなかったのですが、今回のケースでは効果が限定的でした。
理由を整理すると以下の通りです。

  • 産業区画間の物流量が想定より少なかった
  • 渋滞の主な原因はトラックではなく自家用車だった
  • 貨物船で削減できるトラックの数が、全体の交通量に対して微々たるものだった

つまり、根本的な問題は別のところにあったわけです。
貨物船が悪いのではなく、私の問題分析が甘かったということですね。

方針転換:自家用車対策へシフト

真の敵は自家用車だった

貨物船実験で分かったのは、この街の渋滞の元凶は圧倒的に自家用車だということです。
ならば、公共交通機関を拡充して自家用車を減らすしかありません。
ということで、次は公共交通機関の大幅拡張に着手しました。

対策1:地下鉄路線の延長

まず手をつけたのが、最も利用者の多い地下鉄です。
人の往来が激しい区間を中心に路線を延長し、より多くのエリアをカバーできるようにしました。

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結果
地下鉄の利用者数は1.5倍から2倍近くに増加しました。
これだけ見れば大成功のように思えますが、残念ながら渋滞は変わりませんでした。
公共交通の利用者が増えても、それ以上に自家用車が多すぎるという状況です。

対策2:鉄道路線の延長

駅数が少なく、これまでそれほど活用できていなかった鉄道も延長してみました。
正直なところ、駅の設置場所の問題もあってあまり効果は期待していなかったのですが。

結果
予想通り、劇的な効果はありませんでした。
ただし利用者数は1.5倍程度に増加しているので、全く無意味だったわけではありません。
焼け石に水、という表現が適切でしょうか。

対策3:最悪の交差点を徹底改造

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公共交通だけでは限界があると悟り、最後は道路構造そのものの見直しに着手しました。
特に酷かったのが、ラウンドアバウト形式の大型交差点です。
ここに高速道路に入りたい車、出たい車、市内を移動したい車が全部集中していたのが問題でした。

改良内容
以下の改造を実施しました。

  • 高速道路の出口をラウンドアバウトから直接受け入れる形に変更(1カ所に集約)
  • 高速道路への入口はラウンドアバウトを通らないルートを新設
  • 横断歩道を全て撤去し、代わりに歩道橋を整備

結果
この交差点に関しては、かなりスッキリしました!
車の流れが明らかに改善され、以前のような完全麻痺状態は解消されています。
歩行者による一時停止も無くなったため、信号待ちの時間も短縮されました。

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ただし、ここで喜んだのも束の間。
この交差点の渋滞が解消された結果、今度は別の場所で渋滞が発生するようになりました。
完全にモグラたたき状態です。

根本的な問題:車が多すぎる

避けられない結論

様々な対策を試した結果、一つの結論に達しました。
この街は、単純に車が多すぎるのです。

公共交通機関をいくら拡充しても、自家用車の数は大して減りません。
交差点をいくら改良しても、車の絶対数が多ければどこかで詰まります。
海上バイパスを作っても、遠回りになるルートは利用されません。

バイパスが使われない理由

前回建設した海上バイパスも、結局あまり使われていません。
理由は単純で、遠回りになるからです。
このゲームの車両AIは最短経路を選択する傾向が強いため、距離が長くなるバイパスは敬遠されてしまいます。

もっと街の中心部を通る直線的なバイパスが必要なのですが、既に建物が密集している街の構造上、それも難しい状況です。
大規模な再開発でもしない限り、抜本的な解決は困難でしょう。

それでも試行錯誤は続く

今回の実験から学んだこと

今回の一連の実験で分かったことをまとめます。

  • 貨物船の都市内輸送は機能するが、産業区画間の物流量が少なければ効果も限定的
  • この街の渋滞の主犯は自家用車であり、トラックではない
  • 公共交通を拡充しても、自家用車を劇的に減らすのは難しい
  • 部分的な改良では、渋滞がモグラたたき的に移動するだけ
  • 根本的には車の絶対数が多すぎる

完全勝利とはいかなかったが

正直に言えば、今回の対策で渋滞を完全に解消することはできませんでした。
劇的な改善!というほどの効果も得られていません。
しかし、少なくとも以下のような成果はありました。

  • 最悪だった交差点の渋滞は解消できた
  • 公共交通の利用者は大幅に増加した
  • 貨物船による海上物流の仕組みを理解できた
  • この街の渋滞の本質的な原因が分かった

次の一手を考える

今後の方向性としては、以下のようなアプローチが考えられます。

  • 駐車場を削減して、物理的に自家用車の数を制限する
  • 駐車料金を大幅に値上げして、自家用車の利用を抑制する
  • 公共交通の運賃を下げて、さらに利用を促進する
  • 思い切って一部エリアを再開発し、より効率的な道路網を構築する

ただし、どれも一長一短があります。
駐車場を減らせば商業施設の顧客が減る可能性がありますし、再開発には莫大な費用がかかります。
完璧な解決策などないのかもしれません。

総評:渋滞対策に魔法の杖はない

記事シリーズのこれまでの流れ

この記事は「Bridges & Ports」DLC導入後のプレイ記録シリーズの続編です。
これまでの経緯はこちらからご覧いただけます。

今回の記事を通じて痛感したのは、都市の渋滞問題には簡単な解決策がないということです。
一つの対策だけで劇的に改善する、なんてことはありません。
複数の対策を組み合わせ、地道に少しずつ改善していくしかないのです。

貨物船も、公共交通も、交差点改良も、それぞれ一定の効果はありました。
ただし、どれも決定打にはなりませんでした。
これが現実なのでしょう。

Cities: Skylines 2は、こういった試行錯誤そのものを楽しむゲームなのかもしれません。
完璧な街を作ることではなく、問題を発見し、仮説を立て、実験し、また次の手を考える。
その過程こそが、このゲームの醍醐味なのだと思います。

次回予告

次回は、もう少し別の角度からのアプローチを試してみたいと思います。
駐車場政策や料金設定など、経済的な手段で交通量をコントロールできるか実験してみる予定です。
あるいは、思い切って一部エリアの再開発に着手するかもしれません。

渋滞との戦いは、まだまだ続きます。

と、言うことで、今回はここまでとなります。

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