Cities: Skylines2(シティーズスカイライン2)

Cities: Skylines II 3番目の街開発記録:22万人都市でのパフォーマンス向上実験 〜意外な真実とプレイヤーができる唯一の対策〜

はじめに

Cities: Skylines IIを長くプレイしていると誰もが直面する大きな壁があります。

それはパフォーマンスの問題です。

人口が増えるにつれて街は美しく発展していきますが同時にゲームの動作は重くなりFPSの低下や処理の遅延が目立つようになります。

私の都市は現在22万人を超え様々なリージョンパック(ドイツ フランス 日本 東欧 中国 アメリカ 地中海)の建物が立ち並ぶ国際色豊かな街となりました。

しかし同時にパフォーマンスの問題も深刻化しています。

MODに頼らずバニラ版だけでパフォーマンスを向上させる方法はないのか。

そんな疑問を持ち様々な実験を行ってみた結果意外な事実が明らかになりました。

実験方法

実験ではMSI Afterburnerを使用し以下の指標を計測しました:

  • FPS(フレームレート)
  • GPU使用率(%)
  • GPU メモリ使用量(MB)
  • CPU使用率(%)
  • RAM使用量(MB)

様々な条件下で各指標を複数回計測し平均値を算出しました。

実験の条件は以下の通りです:

  1. 俯瞰視点での計測(ベースライン)
  2. 様々な地区設定(なし 5万人 1万人 5000人)
  3. カメラ最大倍率での計測
  4. 交通政策(内燃機関禁止令+路側駐車場料金最大)の実施

各条件でゲーム内の同じ場所・同じ時間帯を維持するよう努めました。
お天気は変わってしまいましたが

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意外な発見:地区設定より重要なのはカメラ操作

多くのプレイヤーが大規模都市でのパフォーマンス向上のために地区設定を活用していると思われますが実験結果は予想外のものでした。

地区設定の効果はほぼ見られない

条件 平均FPS GPU(%) CPU(%)
地区なし 49.2 88.6 66.4
5万人地区 49.0 82.4 65.8
5000人地区 49.8 86.8 58.8
1万人地区 45.6 72.8 67.6

地区の大きさを変えてもFPSにはほとんど差が見られませんでした。

わずかな差異は測定誤差や他の要因(時間帯 天候など)による可能性が高いです。

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地区設定自体がゲームエンジンの処理負荷に大きな影響を与えないというのは意外でした。

以前の記事で紹介した「霊柩車問題」については地区設定が効果的でしたが直接的なパフォーマンス向上には繋がらないようです。

カメラ位置の影響が最も顕著

条件 平均FPS GPU(%) CPU(%)
俯瞰視点 57.4 88.8 50.0
最大倍率 56.0 57.0 64.7
地区操作時 約48.4 83.8 65.1

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最も注目すべきはカメラを最大倍率にした場合のGPU使用率の劇的な低下です。

俯瞰視点では約89%だったGPU使用率が最大倍率では57%まで下がっています。

これは描画される建物や市民の数が減少するため描画負荷が大幅に軽減されるためと考えられます。

FPSも地区操作時の約48から最大倍率時には56へと明らかに向上しています。

この結果からパフォーマンスボトルネックはCPUよりもGPU側にある可能性が高いと言えるでしょう。

交通政策の効果は短期的には不明瞭

「内燃機関禁止令+駐車場料金最大」を実施したエリア(人口8万人)では平均FPS 37.7とむしろ低下する結果になりました。

ただし数値のばらつきが大きく短期的な効果については明確な判断が難しいです。

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長期的には交通量の減少によるパフォーマンス向上が期待できるかもしれませんが即効性はないと言えるでしょう。

他プレイヤーの経験から分かる追加知見

インターネット上の他のプレイヤーの報告からもパフォーマンス向上に関する興味深い知見が得られました。

Cities: Skylines IIのパフォーマンスは都市の規模が大きくなるほど低下する傾向があり多くのプレイヤーがより良いフレームレートを得るための方法を探しています。

一般的に推奨される最適化手法

Paradox公式フォーラムやRedditでは以下の手法が効果的と報告されています:

  • グラフィック設定の調整(特に影の品質や被写界深度などの高負荷設定を下げる)
  • 描画距離の短縮
  • 交通量の削減のための公共交通の整備
  • CPUとGPUのボトルネックを特定するための性能モニタリング

コミュニティから報告されている具体的な成果

ある10万人都市のプレイヤーはカメラの視点を都市の特定の部分に集中させることでFPSが30から45に向上したと報告しています。

これは私たちの実験結果とも一致しています。

また別のプレイヤーは大型モニュメントや特殊建築物の数を減らすことでGPUの負荷が軽減されパフォーマンスが向上したと指摘しています。

地区設定に関する矛盾する報告

興味深いことに地区設定の効果については様々な意見があります。

一部のプレイヤーは小さな地区に分けることで「処理の局所化」が起きパフォーマンスが向上すると主張しています。

しかしこの効果は主に特定のサービス(ゴミ収集 霊柩車など)の効率向上によるものであり直接的なFPS向上につながるわけではないという指摘もあります。

これは私たちの実験結果とも一致しており地区設定はサービス効率の向上には役立ちますが直接的なパフォーマンス向上には限定的な効果しかないことを示唆しています。

実用的なアドバイス:超大規模都市を快適に運営するためのテクニック

実験結果と他プレイヤーの知見から導き出されたバニラ版でも実践できる効果的なパフォーマンス向上テクニックを紹介します。

1. カメラ操作を最適化する

最大の発見はカメラ操作の重要性です。以下のテクニックを活用しましょう:

  • 都市管理は拡大視点で行う: 俯瞰視点ではなくできるだけズームインした状態で作業する
  • 作業エリアを限定する: 一度に全体を見るのではなく小さなエリアに集中する
  • 必要な時だけ俯瞰する: 全体を確認する必要がある時だけ一時的に俯瞰視点を使用しすぐに戻す

2. GPU負荷を軽減する設定調整

実験結果からGPU側のボトルネックが示唆されたため以下の設定が効果的です:

  • グローバルクオリティを下げる: 「中」または「低」設定にする
  • 被写界深度を無効にする: 見た目への影響は少ないがパフォーマンス向上効果は大きい
  • 影の品質を下げる: 影の描画はGPU負荷が高い
  • 反射品質を下げる: 特に水面が多い地域では効果的

3. 都市設計による長期的対策

直接的なパフォーマンス向上には繋がらないかもしれませんが都市の管理効率を高める設計として:

  • 機能別の区画分け: サービス施設の対応エリア設定を活用して効率的な都市管理を実現
  • 交通量の最適化: 渋滞箇所を特定し道路ネットワークを改善
  • 適切な人口密度: 超高密度の地区を避け適度に分散させる
  • 大型モニュメントや特殊建築物の数を制限する: これらは特にGPU負荷が高い傾向がある

4. 交通政策の長期的な効果を狙う

短期的にはパフォーマンス向上が見られなかった交通政策でも長期的には効果が期待できます:

  • 駐車場料金の引き上げ: 地区内での車両利用を減少させる
  • 内燃機関禁止令: 車両の絶対数を減らす
  • 公共交通の促進: バスや地下鉄の利用を増やし個人車両を減らす

5. 状況別の最適管理手法

ゲーム内の様々な状況に応じた対処法:

  • 建設時: 最大倍率でピンポイントに作業する
  • 交通管理時: 問題箇所だけをズームインして対処
  • 俯瞰が必要な財政確認時: 一時的に視点を引き確認後すぐに戻す

公式の今後のアップデートとパフォーマンス

Paradoxとコロッサル・オーダーはCities: Skylines IIのパフォーマンス向上に取り組んでいることを公式に表明しています。

将来的なアップデートではマルチスレッド処理の最適化やGPU負荷の軽減が予定されているとのことです。

特に注目すべきは「多様なハードウェア構成でのパフォーマンス向上」が優先事項として挙げられていることです。

これは高スペックPCだけでなく様々な環境でのプレイ体験向上を目指していることを示しています。

結論:大規模都市の現実とともに生きる

22万人都市でのパフォーマンス向上実験からバニラ版では劇的な改善策がないことが明らかになりました。

しかしカメラ操作というシンプルながら効果的なテクニックを活用することである程度の改善は可能です。

また地区設定がパフォーマンスに直接的な影響を与えないという発見は多くのプレイヤーにとって時間の節約になるでしょう。

効果のない対策に時間を費やすよりも効果的なカメラ操作と都市設計に集中することをお勧めします。

将来的にはゲームの最適化アップデートでさらなる改善が期待されますがそれまでは今回紹介したテクニックを活用して22万人を超える大規模都市での快適なプレイを目指してください。

大規模な都市になればなるほど現実の都市計画者と同じく「完璧な解決策はない」という事実を受け入れ利用可能なツールと知識を駆使して最善を尽くすしかありません。

それもまたCities: Skylines IIの魅力の一つと言えるかもしれません。

と、言うことで、今回はここまでとなります。

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