Cities: Skylines II 3番目の街開発記録 – 霊柩車問題の解決法比較
前回の記事では21万人都市を悩ませる霊柩車待ち問題について検証しました。
フランス地区を中心に霊柩車アイコンが一向に消えない状況が続いており火葬場を5つも設置しても十分な効果が見られませんでした。
今回はXでいただいたコメントを元に新たな解決策を検証してみました。
火葬場vs墓地 – どちらが効率的か?
Xで興味深いコメントをいただきました。
自分もこの問題には未だ悩まされ続けてる。
最近気がついたのは火葬場は保管所が埋まってると霊柩車が出場しないので将来的な建替えの必要は有るものの霊園の方が回収速度の点ではフルに霊柩車を繰り出せる事。
ただ霊園の数がアホみたいに必要なのは言うまでもない…
なるほど。
火葬場よりも霊園が良いという指摘です。
確かに霊柩車が出動しないという問題が出ると処理速度が落ちることになります。
実際の遺体処理の仕組みを考えると火葬場は処理能力に限界があるため「保管所が埋まる」状況が発生することがあるようです。
一方の墓地は容量制限はあるものの常に霊柩車を出動させることができるため回収スピードでは優位性があるとのこと。
これは非常に興味深い視点だったので早速検証してみることにしました。
実験的検証:隣接地区での比較
ちょうど隣り合った2つの地区が霊柩車待ちアイコンだらけだったので絶好の検証場所として利用することにしました。
検証方法は以下の通りです。
- フランス地区:フランス風火葬場2つを設置
- 東欧地区:墓地2つを設置
両地区は隣接しているため環境条件もほぼ同じと考えられます。
こうすることで火葬場と墓地のどちらが効率的に遺体回収を行えるかを比較できるはずです。
驚きの検証結果
しばらくゲーム内時間を進めた後に状況を確認しました。
結果は予想通りでありながらも驚くべきものでした。
東欧地区では霊柩車アイコンが完全に消えていたのです。
一方フランス地区では確かに減少はしたものの依然として多くのアイコンが残ったままでした。
一見するとXでのコメント通り「墓地の方が効率的」という結論になりそうです。
しかしここで立ち止まって考える必要がありました。
なぜこれほど明確な差が出たのでしょうか?
盲点だった霊柩車の台数差
よく考えてみると施設ごとの霊柩車台数に着目していませんでした。
調べてみると重要な違いが明らかになりました
- 火葬場:霊柩車5台(小型施設のため)
- 墓地:霊柩車15台(そして最大5000人まで収容可能)
単純計算でも2つの墓地で30台の霊柩車が活動している一方フランス地区では10台しかなかったのです。
霊柩車の台数が3倍も違うため当然回収効率に大きな差が出ていたわけです。
この発見を踏まえて追加検証を行うことにしました。
火葬場の増設による追加検証
霊柩車の台数差が原因なら単純に火葬場を増やせば同等の効果が得られるはずです。
そこでフランス地区にさらに火葬場を4つ追加し合計6つの火葬場を配置しました。
これにより霊柩車は合計30台となり東欧地区の墓地2つと同等の台数となります。
果たして同じような効果が得られるでしょうか。
再びゲーム内時間を進めたところ確かにフランス地区の状況は改善されましたが東欧地区ほどは改善されませんでした。
依然として霊柩車アイコンが残っている状態だったのです。
これはなぜでしょうか?
地区人口の影響 – 見落としていた重要ファクター
ここで初めて両地区の人口を確認してみると大きな差があることが判明しました
- フランス地区:40,000人
- 東欧地区:26,000人
人口差が1.5倍以上あったのです。
さらにフランス地区は比較的古い地区であることから高齢者比率も高い可能性が考えられます。
これらの要因が霊柩車需要の差につながっていると考えられます。
同じ霊柩車台数でも処理すべき死亡数が多ければ当然効率は落ちてしまいます。
地区の歴史と人口構成の影響
都市開発の観点から考えると古い地区ほど同時期に入居した市民が多く年齢層も偏りがちです。
フランス地区は私の都市の中でも比較的初期に開発された地区であるため「デスウェーブ」と呼ばれる現象(同世代の市民が一斉に高齢化し死亡する現象)が発生しやすい環境だったと考えられます。
一方東欧地区は比較的新しく開発された地区であり人口も少なめです。
このような背景も解決策の効果の差に影響していたと考えられます。
結論:必要な霊柩車の台数と施設選択
今回の検証から以下のことが明らかになりました
- 26,000人規模の地区では墓地2つ(霊柩車30台)または火葬場6つ(霊柩車30台)でほぼアイコンが消える
- 40,000人規模の地区では小型火葬場9つ(霊柩車45台)でも処理が追いつかないケースがある
- 人口密度と年齢構成が霊柩車の必要台数に大きく影響する
つまり霊柩車の絶対数が重要なポイントであり墓地が効率的に見えるのは単に1施設あたりの霊柩車台数が多いためと考えられます。
しかし墓地には容量限界(5000人)があるため長期的には火葬場の方が持続可能な解決策かもしれません。
適切な対策と実践的なアドバイス
これらの知見を踏まえると以下の対策が効果的と考えられます:
- 人口規模に応じた施設配置: 1万人あたり10~15台の霊柩車を確保する
- 地区の特性を考慮: 古い地区や高齢者の多い地区では余裕を持った配置が必要
- 墓地と火葬場の使い分け: 初期対応では墓地が効果的だが長期的には火葬場も必要
- 地区制度の活用: 地区ごとに遺体処理施設を設定して効率化を図る
- 道路アクセスの確保: 霊柩車がスムーズに移動できるよう渋滞対策も重要
私の経験では約26,000人の東欧地区では霊柩車40台(墓地約2.7つ分)でほぼ霊柩車アイコンが出なくなりました。
一方40,000人のフランス地区では小さい火葬場9つ(霊柩車45台)でも霊柩車待ちが完全には収まりませんでした。
地区の人口規模や年齢構成に合わせて施設数を調整する必要があります。
さいごに – 都市計画における課題
霊柩車問題は都市の成長に伴う避けられない課題の一つです。
特に人口が20万人を超えるような大都市ではより顕著になります。
適切な対策を講じることで市民の不満を最小限に抑えることは可能ですが完全に解消することは難しいかもしれません。
デスウェーブのような現象に対しては時間の経過による自然な解決を待つという選択肢もあります。
また長期的な視点では年齢層に偏りが出ないよう計画的な住宅開発を行うことも重要です。
今回の検証を通じて改めて都市計画における細部への配慮の重要性を実感しました。
次回は別の都市サービスの最適化について検証していきます。
引き続きCities: Skylines IIの街づくりをお楽しみください!
と、言うことで、今回はここまでとなります。
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