がっちりマンデー

隠れた「人力ビジネス」【がっちりマンデー感想】(2016/10/16)

がっちりマンデー『隠れた人力ビジネス』

早朝に起きれたら「がっちりマンデー」という番組を見ています。
日曜朝の7:30からTBS系でやっている経済系の番組です。

今週は、隠れた人力ビジネスの特集でした。
何でもIT化している現在。
40~50年後には、仕事はAIなどに取られ、9割の仕事がなくなるという話もありますが、隠れた人力は結構あります。

今後のビジネスは、デジタル+人力と、デジタルをどう補助するかというのが主流になると考えられているようです。
それらをやっている企業を紹介していました。

株式会社うるる:入札情報サイト運営

東京都中央区にある株式会社うるる。
オフィスみたいなお洒落なオフィスが特徴です。

この会社が運営しているのは、入札情報サイト「NESS(入札情報速報サービス)」です。

官公庁や自治体などが「こんな仕事ありますどなたかやりませんか?」と入札を公告します。
それらは役所前の張り紙を見たり、役所のサイトで1つ1つ検索しなければなりません。

それをするのは面倒です。
しかしNJSSは美味しいレストランを探すように簡単に検索可能。

加藤さんの出身地小樽の情報を探すと机の運搬などが出て来ていました。そんな仕事も募集するのか。
進行中の案件は5万件以上。
毎日6000以上の入札情報を収集しているそうです。

1回でも利用した事のある企業は10万社以上。
建設業、サービス業、設備設置業などが中心のようです。
これらは「会費を払い」利用しています。

これだけの情報をどうやって集めているかと言えば、全国32万人の主婦が在宅で収集しているそうです。

担当の役所が決まっていてそのサイトを見に行くだけ

とある主婦のお仕事の様子ですが、いくつかの役場が割り当てられていました(東京航空局、関東運輸局・・・)
そのWEBサイトに行き更新情報をチェック。新規案件があれば公示日、案件名、URLなどを調べて打ち込みます。
週3回で月5万円ぐらいの収入になるから結構大きいですね。
月30万円以上稼ぐ人もいるそうです。

32万人の主婦力を考えた社長は、短パンで職場に来ちゃうようなラフな人。星さん(40)

何でこの人力ビジネスを?

「機械化されて、自動処理、効率化と言われているが、人の手でないと集められない機械で自動収集出来ない部分がある」
「それを人力で収集加工して価値を作り出している」

と、とても頭の良い考え方です。
情報への付加価値ですね。

さらにこんな新しい人力ビジネスも。

空き家を探せるサイト:空き家活用ポータル

人力で空き家を探していて、空き家を発見したら、写真を撮って専用アプリで登録。
空き家情報は、不動産屋、建設業者などが購入するそうです。

空き家を探すのはスーツ着た人がやっていると怪しいけど主婦の皆さんなら簡単に探せるという部分もあるようです。

全国の主婦の人力で年商14億円(前期実績)というから凄い企業でした。

DoCLASSE:ファッション通販

東京都世田谷区にあるファッション通販を行っているDoCLASSE(ドゥクラッセ)。
40代から50代の女性のファッションを扱っています。電話の対応が良いという事で人気だそうです。

早速電話応対を確認してみます。

新人ADの由良さんが、問い合わせをする事に。

慎重155cm普段はMサイズで、来たときのサイズ感がどういった感じになるか確認したい。

するとオペレータが「今ワインのMサイズを試着しておりますが・・・」と言い始めました。

会社内にあるコールセンターを視察してみます。

するととあるオペレータがヘッドセットを外して駆け出し服を一着とって着出します。
「太ももが隠れます…」

本当に着ていました。
客と同じ気持ちで、着心地、着丈を案内するとのこと。

次に由良さんが新作ワンピースを問い合わせます。
「普通の人よりがたいが良いので、華奢の服って気になる」

すると、折り返すので待ってくれとなりました。
その頃オペレータが社内で同じ身長の女性を大捜索。ワンピを着て貰いました。

「身体にフィットするシルエットではなくゆったりしている肩幅がある方でも着れる」

と、丁寧な神対応です。

この会社を起ち上げたのは女社長の林さん。年齢は57歳。とてもはつらつとしていて若くもうすぐ還暦には見えません。

どうやって思いついた?

通販では肌感とか、触った感じは伝えられない。
写真じゃどうしても伝えられないこと、宣伝でも伝えられないことを言葉にして伝えたい。
洋服の通販を解りやすく。人じゃないと感じられない物を人力作戦でやり始めた

この人力作戦は大成功。
業績は右肩上がりで2015年は年商155億円となりました。

コールセンターの人も、主婦層が多いので丁度良い方が多いから丁度良いというのもあるようです。
買う人と一致しているから解りやすいと。
男性いないですもんねぇ。

試着できないデメリットを解消するべくの作戦でした。
コミュニケーションしている間に物の魅力が伝わってくるから気持ちも動いて買っちゃうという効果もありそうです。

そう考えると販売員でもあるわけか…

モリサワ文研:フォント

フォント…明朝体、ゴシックなど文字の形・デザイン。
テレビ、出版物、スマホ、あらゆる物で使われている。

こうやって文章作ってる人間ならだれもが憧れるフォントは、勿論モリサワ

それだけ有名な会社です。
創業は1924年。1000種類以上のフォントを作ってきました。
日本にはモリサワフォントが溢れています。

電車内の案内板ではTypeBankUDゴシック
預金通帳にはUDO書体・・・・など。

印刷出版物の8割がモリサワです。そのフォントの使用料金でガッチリです。

勿論、がっちりマンデーのテロップもモリサワフォントです。
UD新丸ゴシックPROだそうで。

兵庫県明石市にある制作現場へ入りました。

フォント作り39年のベテランがお出迎えしてくれます。
日本の出版物に使われている黎ミンを作った人です。

PCで作っている?

入力するのはPCだけど元は手書きです。

「あまり取材来ないんですか?」

私も取材を受けたのは初めてと上機嫌で受け答えしてくれますが、制作の現場は社外秘だらけです。
特別に許可を頂き作業の様子を撮影していました。

方眼紙の上に文字を手書きするところから始まります。

定型文字と言って、500文字を書くそうです。

それによりデザインコンセプトを決めていきます。1つのフォントで作る文字数は23000。
そのうち500文字を先に作ります

500文字は、「はらい、はね。とめ」など文字の基本パーツが入った文字をチョイスしています。
例えば

てん、よこぼう、ひだりはらい、はね、みぎはらい、角うろこが含まれている良い文字。

もそうです。

と2文字だけ教えてくれて後は内緒です。

そして500文字が出来たら23000字に増やしていきます。
永から樹が生まれるというのですから凄いです。

これらは全部手書きでつくられ、その後そこでPCに入力します。

更にそこから完成した文字を熟語にして検査を行います。

歳月で確認すると「月が右に寄っている」
採用年月日で確認すると「左に寄っている」

と熟語にしたときのバランスも重要だそうです。
縦書きにすると特にそうなんですよねぇ…普通の明朝やらゴシックやら酷いですから。

手書きでこつこつと、23000字を完成させるそうで、短くて1年。長いものは5年かかるとのこと。

因みに黎ミンは…
世界で最もグリフ数の多い書体ファミリーとしてギネス認定(748811字)されています。

簡単に言えば「文字数」という事のようです(同じ文字でも若干形が違っていたら1文字っぽいです)

それだけ凄い会社…748811文字を「全て手書き」で作ったんですからねぇ。

因みに最近の流行は視力の弱い人でも読みやすいUD(ユニバーサルデザイン)書体です。

スマホとかだと濁点と、半濁点の区別が付きにくいです。
「゜」「゛」…解らないですよね。

ユニバーサルデザイン書体は、それらを大きくしているそうです。

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