ガイアの夜明け 感想

『【冬の味覚】に異常あり!カニ・サバ知られざる危機』~今日の「ガイアの夜明け」感想~

今日のガイアを3行で

  • 鯖と蟹の危機について
  • 世界中のカニの争奪戦が行われていて3割増しが当たり前に
  • サバは根こそぎ穫る中国のせいで資源が枯渇しつつある

※この記事はガイアの夜明けを見ながら自分のメモ書き的な感じで書いている記事です。放送内容を引用してます

中国で爆裂に消費されるカニ

10/1は中国の建国を祝う国慶節。
大型連休となり家族と一緒に過ごす人が多いです。

上海では魚市場を覗くと、中国人の大好きな上海ガニが沢山。
旬を迎えて一番美味しい時期だそうです。
紐で縛って蒸して食べるのが一般的で、殻を割ると、肉は少ないが蟹味噌が多いようです。

上海ガニを家族で食べるのが風物詩ですがその食文化に異変が起きていました。

魚市場などでタラバガニがびっしりと。
高級レストランでは1匹35000円で取引されるそうです。

そのほかロシア産ズワイガニなど、中国では今まで蟹を輸入して食べる習慣は無いものが急速に広がっています。
金持ちの客や高級レストランがみんな買っていくそうです。

市内のレストランでは、テーブルの真ん中にはズワイガニ。
上海ガニではありません。

ズワイガニ、タラバガニを頼む客には共通点がありました

東京や名古屋で食べた、日本で食べたとき、新鮮でとても美味しかった

多くの中国人が日本でそのおいしさを知ったそうです。
その影響が日本来ていました。

東京都新橋の「かに地獄」

新橋に素晴らしい名前のお店があるようですが、旬の蟹を手頃な値段で提供している店です。
かに地獄では量り売りをしています。
タラバガニ、アブラガニ、ボイルズワイ、本ズワイ、紅ズワイ、イバラガニ、毛ガニ、花咲ガニなどなど。
300gで1700円…とか…半端ない価格です。
ズワイガニはロシア産が9割ですが、蟹の値段は右肩上がり。
当初は390円/100gでしたが580円でも赤字ギリギリ。
世界中で蟹が奪い合いになっていて特にアジア圏内で消費が高まり買い占め状態。
その為日本に輸入される蟹が少なくなっていました。

マグロと同じ現象が、蟹でも起きていました

アライアンスシーフーズの仕入れ現場

アライアンスシーフーズという海産物の商社。
様々な海産物を扱い、蟹の輸入は日本トップクラスです。
蟹の需要が跳ね上がる年末に向けてどう調達するかの話し合いをしていましたが…

アラスカの漁獲量は?

昨年から4割減
日本を取り巻くカニの環境は悪化していました。、

年末に最悪の場合日本国内の客へ供給できない恐れにまで発展。
例年の半分しか在庫がなく、主な漁場は、ロシア、アメリカ、カナダですが、
ロシアは日本への輸出を制限。アメリカも漁獲を4割減らしました。
市場に出回るカニが激減してヤバイ状況へ。
そこでまずは新たな漁場を探しました
ノルウェーの北。バレンツ海。
北に行けば行くほど蟹が大きいそうです。
バレンツ海からも3年前から少しずつ輸入していたが問題がありました。
届いた蟹をチェックするが、えらの処理が悪いし、味噌も付いていて使い物になりません。
処理が下手くそという大問題。
処理が下手だと、商品価値がなくなります。真っ黒に変色することも。
商品確保の切り札はバレンツ海ですが品質に大きな問題があるという現実がありました。

バレンツ海で高品質のカニを!

ノルウェー北部の村ボーツフィヨルド。
アライアンスシーフーズの大谷さんが自ら漁船に乗り込み加工を指導する事になりました。

船長はウルフさん。
3年前からズワイガニ漁をしています。
船員は20代前半の若者達。しかし漁師経験が無い上に、蟹を食べたことがありません。
ノルウェーではカニを食べないそうです。

それがまた品質の悪化に繋がります。
3週間の航海は、新しい海域に行ってみようと思うということで、行ったことの無いところへ行きました。
目指すのは北へ1000kmの北極圏です。

良い蟹が捕れれば嬉しいし、ある意味チャレンジ

船員達が移動の間スルメイカやニシンを仕込み最初の漁場へ到着。
餌の付いた籠を海へ落とし2日後に籠を引き上げます。
どうやらズワイガニがもりもり取れます。幸先の良いスタートでしたが様子がおかしいです。

脱皮ガニ
脱皮したばかりのカニが大量にいたのです。脱皮ガニは茹でても中身がすかすかで商品価値がありません。
何とか良いカニを見つけて船内の加工場へ回します。

2つに割ってブラシで掃除します。そしてサイズごとに選別して並べ、水に入れて血抜き。
更にマイナス20度の液体につけて冷凍します。
カチカチ凍った蟹が出てきたら箱詰めします。
1箱15kgを船底冷蔵庫へ落として終了。

こういう工程ですが、掃除の工程に大問題。
掃除したばかりの蟹に味噌が付いていたりえらが付いていたり。かなり雑です。

大谷さんが英語で怒鳴りまくります。
良い蟹が獲れても加工が悪ければ商品価値が激減します。

大谷さんの怒鳴り声が聞こえて船長もやってきます。
丁寧に仕事をしろと指示します。
どうやら彼もビジネスに品質は必要としっかり解っているようです。
更に獲れるカニに更なる問題が。

年老いたカニ

黒くなったカニがいました。こちらも商品価値がありません。
それれは海に捨てろと指示。
繰り返し根気よく教えて行きました。
怒鳴られる船員はさぞかし切れているんだろうと思ったら

品質の維持に大谷さんは欠かせない。現場を見てちゃんとコントロールしてくれる

とにこやかに語っていました。
性格かな…。

出航して1週間…漁に異変が。
脱皮ガニばかりで漁獲量が上がりません。
去年より蟹の脱皮が早まり不漁となったのです。大谷さんも「ここまで酷い経験はない」という程。
2週間建っても、倉庫の1/4しか埋まっていない状態となりました。

未開拓の海も空振りに終わったのです。

獲れないなら輸入するのみ

11月東京。仕入担当も大変な危機に陥りました。
夏以降もカニを確保出来ていませんでした。

営業からも「在庫が少ない。12月カニは年末商材なので供給できないのは辛い」と泣きが入ります。
かつて無い厳しい状況に追い込まれていました。

そこで韓国釜山へ飛びました。
世界中から水産物から集まる東アジアの貿易拠点です。

韓国人の仲買人に聴いて見ますが韓国にはカニがないと素っ気なく言われます。
中国の消費量が増えているため日本より高く買う中国に売った後だったのです。

それでも新たな情報を得て違う場所へ。
売れ残っていた小ぶりのズワイガニがありました。見た目には問題はありません。実入り9割以上という品質です。

早速交渉開始。
まずは去年と同じ価格を提示しますが「ガン無視」

一割増しを提示「無理」
相場が完全に変わっていました。
三割増しを提示したところやっと動きがあり売ってくれることになりました。

仕入れ値3割増しとなりました。それだけ高騰しているのです。
それでも年内販売分の目処が付きました。

かに地獄にもそのカニが入荷します。
売値は580円/100gと、取引会社と利益を削って同じ価格に抑えました。
忘年会シーズンは何とか凌いだが、今後調達は更に厳しくなります

日本に蟹が入りづらくなったり、値段も高騰しているが何とか頑張りたい

とは仰ってましたが日本でカニが食べられない日が近いかも知れません。

因みに私…子供の頃飽きるほどカニ食べてまして。
今食べたいと思わないんですよねぇ。港町でカニ良く貰ったんです。はい。

サバが食べられなくなる? 中国が根こそぎ

日本では縄文時代から食べられる鯖。
一番獲れているのも、1位サバ、2位マイワシ、3位カツオという感じのようです。

日本近海では太平洋、日本海側どこでも獲れます。
関サバ、金華サバなどブランド化されたサバもあります。

大量に採れるサバは保存食として鯖缶としても消費されます。

時には高級魚としても、庶民の味としてもなじみ深い鯖にも異変が起きていました。

青森県八戸市。
日本有数の水揚げ量の鯖の産地ですが鯖に異変が起きていました。

サイズも小ぶりで、漁獲量が去年の7割です。
昔では600グラムの鯖は珍しくなかったが今は300グラムを割り込むという事態に。

太平洋側の鯖は日本の沿岸から北太平洋の公海へ移動して餌を食べて秋に戻ってきます。
その公海で大変な事態が起きていました。

北太平洋の水産庁の船に同行すると、中国の船が根こそぎ穫ってました。
公海上で小さい鯖だろうが何だろうが全て取りつくしていたのです。

鯖を狙って中国漁船が集結している姿は異様です。
水産庁は違法な漁をしていないか見張りに来ていましたが、そんなのお構いなしに獲っていきます。

高感度カメラが捉えたのは、魚を一網打尽にする光景でした。
日本の沿岸に戻る前に中国が根こそぎ穫っていました。

ホント中国は最悪です。
乱獲が進めば親が育つ前に絶えてしまい資源の枯渇へ繋がります。

今が良ければそれでいいのが中国。後先考えませんから…。

中国で何が起きているか

中国福建省。中国でもトップクラスの漁港で漁から戻ってきた船が荷揚げをしていました。

船いっぱいに詰まれていたのは鯖。それも小ぶりの鯖です。
水揚げされた鯖は、缶詰工場で加工されていました。
野菜や果物の缶詰を作っていたが鯖缶に転身。生産ラインには大量の鯖が流れていました。
1日に9万缶を製造しています
これらの鯖缶は中東やアフリカに輸出されているそうです。

鯖の缶詰の輸出は毎年8000トンずつ増えている。儲けるチャンス!

と笑っていました。
今が良ければそれで良いと。
更に中国でも鯖を食べる人が増えているそうです。

健康を気遣う中流家庭に鯖人気が広がっていました。
更にはペットブームも消費に拍車を掛けています。
猫用のキャットフードに使われているそうです。

鯖を取り巻く環境が激変する中、日本も守りだけではありません。攻めの一手がありました。

鯖の完全養殖(佐賀県唐津市)

佐賀県唐津市。有数の鯖の水揚げ量でしたが50年前の2割に減少してしまいました。

そんな唐津市水産産業活性化センターでは2年前から、完全養殖鯖を作っていました。
九州大学准教授の長野さんが中心となり開発しているようです。
今までもマサバの養殖は行われていましたがが、天然の稚魚を捕ってきて大きくするものでした。

完全養殖の場合天然資源に負荷をかけません。
孵化した稚魚を3ヶ月間育てて養殖業者に提供していました。
そして養殖場で1年半育てて出荷します。

養殖をすると400グラム以上に育てる事も可能です。
与える餌は、長野さんが開発した人口餌。

脂ののった完全養殖鯖を出荷できるようになりました。今年は4000匹の実績があります。

マックスバリュ唐津店では、鮮魚売り場に、完全養殖鯖が売られていました。
唐津Qサバというネーミング。九州大学とクオリティのQだそうです。
鯖の刺身が売られています。2678円とお高め。

普通サバは生で食べるのを避けます。アニサキスの心配があるからです。

天然の鯖は海で天然の餌を摂取しますがそこからアニサキスに感染します。
完全養殖は、人口餌なのでアニサキスの心配がありません。その為生で食べられます。

更に販路拡大を目指し東京へ。
都内にある板前寿司赤坂店という都内や海外に展開する人気寿司チェーンへ。

完全養殖の鯖を試して貰おうと持ってきました。

早速、生で寿司を作り居合わせた客に試して貰う事になりました。

評価は悪くなかったようです。

「しめさばはあるけど生鯖は初めて」
「生で食べることが普通に出来るようになったら消費者としては嬉しい」

などという声が聞こえてきました。
まだ高価な完全養殖鯖ですが安定供給への一歩を踏みだしました。

「サバの資源が枯渇している中で、完全養殖やることで安定供給に貢献していきたい」
と長野准教授が語っていました。

まとめ

美味しい物を少しでも安く食べたいのはどこの国も同じ。
その中で鯖や蟹が危機に陥っていました。
このままでは枯渇して安いのが当たり前とは言えなくなります。
ただ日本には水産資源管理の技術経験があります。
この先も食べていくために何が出来るか考える必要がある。と締めくくられていました。

結局中国が全ての元凶になっているという…恐ろしさがありますね。



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