ガイアの夜明け 感想

『【再び巨大規制に挑む】~バター不足 更なる闇~(シリーズニッポン転換の時第3弾)』今日の「ガイアの夜明け」感想

※この記事はガイアの夜明けを見ながら自分のメモ書き的な感じで書いている記事です。

今日のガイアを3行で

  • 乳製品を巡る規制についてでした
  • 農協の露骨なMMJと組合員潰しに戦慄しました
  • 自由な取引を目指すには海外の力でという動きが出始めました

バターは本当に足りないの?

兵庫県尼崎市にある評判の洋菓子店「ケーキハウスショウタニ」

大勢の客で賑わう店内ではシュークリームが人気のようです。
一番人気。1個130円です。
サクサクの皮とカスタードクリームがたっぷり。

「安いのに美味しい」
「早く来ないと。売り切れる」

ケーキも沢山あります。定番のショートケーキは335円など殆どが300円台と手頃な値段。

地元の人に愛されるお店の社長は、庄谷さん。
「北海道の牛乳、北海道のバター、北海道の生クリームに拘っている」

原材料は国産に拘ってきました。
しかし深刻な問題が起きていました。

「2年前の夏から足りないと言われて良いバターが使えないと言うことが一番の悩みの種」

国産バターが調達できなくなっていました。
それを補うのが、フランス産のバター。
国産の代わりに輸入バターを使う状態のようです。

しかしこれにも問題が。

「良い輸入バターが高い。手が出ない価格」

地元(フランス)じゃ1kg600円の業務用バターも、日本に輸入されると2000円以上になるそうです。

何故そこまで高くなる?

東京都港区にある農畜産業振興機構(エーリック)

農水省が所管する団体です。

海外のバターを独占的に取り扱う事が認められている唯一の団体

これを聞いただけで嫌な事しか思いつきませんね。

エーリックの仕組み

入札で輸入業者から最も安く海外バターを買い取ります。
それを再び入札にかけて一番高く値をつけた販売業者に売り渡します。

これは安いバターの価格を引き上げることで、国産バターの値崩れを防ぐのが目的です。

しかし入札する購入業者から意外な話が

「国は焦らせて何回も入札やっているが、国内にはむちゃくちゃ物がある」

輸入バターは売れ残って余っているそうです。

「実情と比べていらないのに輸入している。エーリックは実情を知っている。」

神戸市灘区の保管倉庫にはたくさんのバター。

エーリックは17000トンのバターを輸入しましたがそれが末端まで出回っているのかが不明です。

エーリックが定期的に開くバターなどの情報交換会。
去年かな?の入札による利益が82億円だったそうです。

エーリックを所管するのは。農林水産省。
10人の役員の殆どが農水省のOBや出向者。見事な天下り先でした。

番組ではカメラの取材を申し込みますが、正確を期すためカメラインタビューはNGと。

農水相にバターの現状について聴いて見ると。
「バターの価格や量の今後の不安について解消されている」

価格も量も問題無いとする国側の意見。

しかし庶民の生活には異変が起きています。

この春も、家庭用バターは値上がり。
200g430円と10年間で4割近く上昇していました。

バターはあるのに末端には届かない。
何とも不思議な状態のようです。

生乳の流通の仕組みのおさらい

酪農家の生乳⇒指定団体⇒乳業メーカー⇒製品にする

指定団体は、全国に10個あり運営するのは農協系組織。
そして生乳を全量団体に出荷した人だけが補助金を受けられる仕組み。
生乳は農協系が独占している構図です。

そこで自由に生乳が販売できるように仕様としたのがMMJ(ミルクマーケットジャパン)
MMJは指定団体よりも高く買い取り、安く乳業メーカーに卸すという取り組みを始めました。

以前ガイアでも伝えたMMJの取り組み。
国と農協に挑戦していたが、更なる壁が立ちはだかりました。

酪農家から生乳を買い取る民間卸業者のMMJ。契約農家全国に60軒あります。
群馬県伊勢崎市にMMJの本社があります。

従業員4人で人件費、設備コスト圧縮することで生乳を高く買い取り、安く売ることが出来ます。

茂木さんは酪農家から子牛を預かって育てる仕事をしていたが、仲間が次々廃業していくのを見てMMJを設立。
バター工場作ってくれそうな工場を探していました。

片っ端から工場に電話を掛けますが。
「正直非常にありがたいけど、指定団体との取引があるから。MMJと取引があるならうちから供給しなくて良いよねとなる」
「逆手に取られると立場がなくなる」

指定団体からの露骨な脅し

指定団体が生乳の流通を独占している為、MMJとの取引に及び腰でどこも受けてくれません。

群馬県前橋市にあるタカハシ乳業。
関東の指定団体から生乳を仕入れている中堅乳業メーカー。

タカハシ乳業拘りの乳製品は、農薬、化学肥料を使わない餌で育った牛の生乳で作っています。

こちらのバターは120g488円と、普通の2倍の価格。高級スーパーで売れているそうです。

さぞかし利益が上がっているだろうと思ったら。

社長「バターはハッキリ言って赤字」

利益が大きい高級バターが赤字だといいます。

用途別乳価

指定団体から生乳を買うとき、使う用途により買い取り価格が違います

生乳は117円/kg
バターは75円/kgで買えるはずです。

用途別乳価は、安定供給のためのシステムとして国が定めています。

しかし。
「バター価格で原料を貰っていない。飲料用として買っているからバターを作っても採算が合わない」

指定団体が生乳をバター価格で売ってくれないから採算が合わない

他のメーカーにも聴いて見ると。

「加工向けを認めません、指定団体が言うんだよな」
「指定団体が決めた値段で買うしか無い」
「メーカーは強く言えない。そこなんだよね 本当に」

要するに指定団体が高値で売りつけていたのです。
バターが安くなるはずがありません。

関東のメーカーが仕入れているのは関東生乳販売農業協同組合連合会(関東生乳販連)
取扱高1300億円というとんでもない団体です。

事実関係を聴く為会長に話を聞くと

用途別乳価で原料を売らない事実がある?

「ゼロとは言い切れない」

国産バターが足りないときに指定団体が認めればバターを作れるが?

「飲料用の方が高く売れるのだから有利な方を選ぶのは売る側としては当然」

独占商売しておいて高値で売るという最悪の仕組みが出来上がっていました。

独禁法というのがどれだけ重要かというのがよく分かりますね。
独占されるとこういう殿様商売になりますから。

用途別乳価のシステムは機能していないのです

指定団体がバター向け乳価を認めない。
認めないというと言うことは作らせないと言うこと。
安いバターを供給することは実際出来ない。

これがバター作りの闇

農協による組合員潰し

釧路市阿寒町に巨大な規制と戦う酪農家がいます。
福田さん(32歳)

酪農を始めたのは6年前。
脱サラして築40年の牛舎を買い取り、奥さんと二人でやってきた
経営規模拡大のために指定団体からMMJに変えたいと考えました。

「高く買ってくれるところがあれば出来るんだという所を見せたい」

北海道の指定団体はホクレン
国内の生乳流通の半分以上を握る農協系組織です。

去年7月に出荷先をMMJに変えたいと阿寒農協に相談に行き、必死に交渉して何とか認めさせたのは以前取り上げました。

今年2月。3ヶ月ぶりにガイアのカメラが訪ねていきました。

すると巨大牛舎が出来ていました! 全長100mの牛舎が出来た。
総工費は牛の導入費用を入れて5億5000万。
全額銀行融資です。

MMJに出荷して高い収益になるという事業計画が評価されました。
自動餌やり装置も備えている最新設備です。

「MMJに出荷する事で収益が出ればもっと大きく出来る。」

しかしホクレンも馬鹿じゃありません。対抗策を打ってきます。

ホクレン:2円60銭買い取り価格を上げる

今までホクレンは88円/kgで買い取ってきました。
MMJは92.5円/kgと、4.5円高く買い取っていました。

しかしホクレンが2円60銭上げると差が縮まります。
組合員に対して離脱を防ぐために策を講じてきたのです。

生乳の自由取引を目指す茂木さんの正念場となりました。

更に露骨に酷いのが地元阿寒町農協

阿寒農協の総会で決まった「賦課金」

険しい表情の福田さんが公民館にやってきます。
阿寒農協の総会が開かれることになっていました。

福田さんは2日後にMMJに切り替えると知らせていました。

この総会のまさかの事態がおこります。

ガイアのカメラだけ追い出される

他の農家さんも「おかしい!」「報道の自由があるだろ!」「トランプかよ!」と怒っていましたが。
閉め出されました。
ガイアの夜明け嫌われてますねぇ。TVHだけダメという。

賦課金:1kg/50銭徴収

要するに牛乳出荷すると1kgに対して50銭徴収しますよ。農協に出荷するしない関わらず

それが嫌なら農協から抜けなさい

露骨に福田さんへ仕返しです。
組合員巻き込んで福田さんを苦しめるという仕組みを作り出したのです。

他の組合員はとばっちりだと福田さんを恨むだろうし。
福田さんは農協に出荷しないのに金が取られる。

他の農家からも反対が出て、半数以上が反対したのにもかかわらず可決されました。

福田さんは計算すると月々10万円支払うことになる。
年間120万以上を農協に出荷しないにもかかわらず徴収されるというあまりにも理不尽な状態

それについて組合長にインタビューをしようとしてものらりくらり逃げるという始末。
クズだなぁ。これが農協という組織のやり方です。余りに排他的です。日本の農業はだからダメなんだと言いたくなります。

しかし、福田さんは負けません。MMJに出荷を開始しました。
指定団体からMMJに切り替えると年間2000トンだと600万アップします。

これが新しい農業の始まり。

他の農家さんも。
「今すぐは難しいけど、送ってみたいという気持ちは十分」
「風穴変えてくれた福ちゃん」

福田さんの牛乳は岐阜県の乳業メーカーに買い取られて中部関西で発売されるそうです。

福田さん
「改革を止めてはいけないので、僕は牛乳を出荷する。賛同してくれる農家もいるので阿寒農協という地元の農協から変えていけたらなと思う」

牛乳を海外で売る

日本の食品が海外で高値で売られているという事実は幾度となくガイアでも取り上げてきました。
日本の数倍の価格が付いているブランド食材もあります。

巨大な規制を飛び越えて酪農の分野でも海外展開をと動きだしました。

群馬県のスーパー「ベイシア西部モール店」

売れに売れている牛乳がありました。

北海道別海の美味しい牛乳

値段の割に一番美味しいと話題。

大手メーカーの牛乳250円(税込)にも関わらず。
別海の美味しい牛乳178円(税込)

美味しいのに安いと話題です。

何でこんなに安いの?

メーカーがMMJから生乳を安く仕入れて安価で販売できるのです。

2月北海道別海町。この町で酪農を営む、島崎さんと中山さん
別海の美味しい牛乳の産みの親です。


美味しさの秘密は餌、国産牧草、トウモロコシなど10種類以上の原料で作った餌です。

「餌を毎年改良して組み合わせも変えて味を良くする農家は無い」
長年頑張って餌を改良してきた農家さんです。

殆どの農家は農協から餌を買っていますが、この方達はアメリカの飼料会社と直接取引でコスト削減していました。

独自な取り組みがもう一つ。
茶色い牛…ジャージーとホルスタインの交雑種を混ぜていました。

全体の1割だけ交雑種の生乳を混ぜているそうでして、牛乳の味がまろやかで甘くて良い味が出るとのこと。

「ホルスタインとブレンドすることで格別な味が出る」

25年掛けてひたすら牛乳の味を追求してきたが、長らく報われませんでした。

指定団体に出荷する場合、各農家の生乳は混ぜられて乳業メーカーに売られるからです

牛乳の味は均一になってしまいます。そこで2年前出荷先をMMJに変更しました。

「自分たちの牛乳を『別海の美味しい牛乳』とすることができた。本当に涙が出て来て嬉しかった」
「自分が搾った牛乳を飲んで欲しい。それにはどうしても指定団体を抜けるしか無いということだった」

2月中旬、別海の美味しい牛乳の生産者の元に外国人の姿がありました。

酪農大国オーストラリアから来たコンサルタントでした。
MMJ茂木さんの姿も。
壮大なプロジェクトが開始されたのです。

オーストラリアのコンサルタント
「日本の酪農を学んで何か支援できないかと思って」

そして後ろにはオーストラリア領事の姿も。

「オーストラリアの会社は色々技術を持っている。協力関係により良い事業が日本で出来ればと言う期待はある」

乳製品に強いオーストラリアの影がじわりじわりと迫ってきていたのです。

名目は「質の高い日本の牛乳をビジネスに出来ないか」

本場の人たちも
「実にユニーク。甘くてしつこくないし美味しい。アジアで飲まれている牛乳より美味しい。これを飲んだら驚く」

と絶賛していました。

そして「別海の美味しい牛乳」の海外展開を独自に進めていた

まずは台湾進出

生産者の方
「指定団体がやってくれれば良いよ。やってくれないでしょう?指定団体の頃は輸出なんて考えたことも無かった」
「1本の道しか無かった。ホクレンに出すだけ」
「自由な道を選んだら無限大の道。どこの道に行っても言い。僕らの牛乳は世界で勝負出来る」

それだけ品質に自信があるからこそですけどね!

台湾
別海の美味しい牛乳がテスト販売されるスーパー。

そこには世界各国のライバルがひしめいていました。アメリカ、豪州、勿論地元メーカー。
しかし日本の牛乳の凄さが証明されることになりました。

別海の美味しい牛乳は720円と一番高い値段。台湾牛乳の2倍です。

試飲して貰うと…
「濃いのにサッパリ」
「台湾のはこんなに濃厚で香り高くない」

と、早速お買い上げ。
その後も別海の美味しい牛乳が次々に売れました。

「北海道の牛乳と言えば新鮮なイメージがある台湾では見かけないので買ってみようと思った」

30本は完売。1ヶ月のテスト販売の結果450店舗での販売が決まりました。

「規制に守られていることは今までは大事なことだった」
「これからは我々も変わっていかなくてはいけない。マーケットは国内だけでは無く海外にもある」
「実現して次の人たちに未来と希望を与えていきたい」

バター作成プロジェクト

6月上旬札幌市。
酪農家から集めた生乳でバターを作る計画の茂木さん。

オーストラリア領事館を訪れていました。
領事が出迎えてくれます。

オーストラリアと結んでテレビ会議が開かれます。

乳業コンサルタントと話していたのは。

「工場の能力を知りたい。1kgの生乳をバターと脱脂分優にして出荷するまでのコストが知りたい」
「工場をどこまで自動化するかで製造コストも変わってくる」

茂木さんは、酪農大国オーストラリアの技術を使いバター工場を作ろうとしていました。

オーストラリアにも思惑が。

「入りにくい日本の市場は違う戦略を持たないと参入できない。茂木さんの動きは市場を変えるきっかけになる」

安くて質の高い国産バターを作る新たな取り組みが始まりました。

「使いやすい値段リーズナブルな値段で届けたい。欲しい品質の物を必ず届ける流通を作れれば」

纏め

今回見てきたような規制が必ずしも悪いわけでは無い。
規制は製品や価格の安定をもたらす。
しかしその一方で農産品が守られているせいでより高い値段で商品を買うことになっている。
この試みは農業を変える転換点となる可能性を秘めている。
こうした機会をきっかけに農業が強くなると消費者のメリットにもなると締めくくられていました。

重要なのは規制が悪いわけでは無いという事。

守る為には重要な部分もありますが、それが消費者の不利益になる側面もあるなら是正も必要。
余りに締め付けると余計な反発を産みそこにつけ込まれて海外から横やりが入るという結果を生みます。

その動きがチラッと見えたので少し怖いなと思った今日のガイアでした。

規制が結果的に日本の農業を潰しかねない。
独占は、ごく一部の利益にしかならず、大多数は得をしない…

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